《怖れなくていい、隠れなくていい》
「怖れさせる言葉」への答えは子どもたちが教えてくれた。
新しい就学相談会は、その言葉で語りたい。
それは闘いではない。
学校や先生は敵ではない。
それも子どもたちが教えてくれたこと。
闘いではないが、自分の不安と向き合うことは必要だ。
弱くても無力でも、子どもを孤独にさせない覚悟のために。
50年、闘ってきたのだと思っていた。
8才のあの日から50年、怖れてきたのだと思ってきた。
でも違った。
怖れから闘ってきたのではなかった。
怖れから、分ける社会と闘ってきたのではなかった。
もっといいものを、子どもたちからもらった。
私の8才の子どもが分けられて、隠れて、そのまま消えてしまわなかったのは、見つけてくれる子どもたちがいたから。
分けられた子どもが生き延びてこれたのは、みつけてくれた子どもたちのおかげだった。
「みっけ」
「こんなところにいたんだ。」
「だいじょうぶだよ。もう隠れなくていいよ」
「出ておいで、だいじょうぶだから」
その声を聞きながら、生きてきた。
「おれもいい人になれるかな。まだまにあうかな」
そう私に聞いたのは、5年生の子だった。
その子の話をしたとき、17歳の子は言った。
「わたしも施設にいたころ、自分にはもうふつうの生活はないんだと思ってた。でも、いまはふつうの生活ができているでしょ」
子どもの笑顔とぬくもり、創造力、つながり。
人生を生きる甲斐あるものに感じられる心地よいものに出会える場所。
それが、ここだった。
「怖くないよ。みんながいるから」
「だいじょうぶ。一人じゃないから」
「みんながいて、あーいいきもち」
ここから、新しい就学相談会を考えたい。
今までと違うかたちの就学相談会をはじめたい。
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