「みんな、ふつう級から支援級に来るとほっとするんですよ」
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「ほっとする」子がいるとしたら、「いじめ」から離れられたから。
「ここにいるべき子ではないと扱う先生」から離れられたから。
「誰も守ってくれない場所」から離れられたから。
「ほっとする」のは誰?
ほっとするのは、「ほら、やっぱり普通級は無理なのよ。私たちが助けてあげる」という人たちじゃないのかな。
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「みんな」とは誰?
私は、ふつう学級にいられなくなるとき、世界の終りを感じた。
だから、子どもたちに同じ思いをさせないことが、私の生きる意味になった。
仲間と分けられ、地の底をどこまでも落ちていく怖さを感じる子を、一人でも想像できない時点で、私はあなたの言葉を信用できない。
私が出会ってきたのは、「特学」から「ふつう学級」に戻れて、ほっとする子どもたちばかりだった。
みんなと同じ「高校生」になっていいと言われ、ほっとする子どもたちばかりだった。