「2学期からふつう学級に行くよ。親の付き添いはしないから、よろしくね」の要望書
8月10日火曜日、県内の市教委に「要望書」を提出してきた。
7月の就学相談会に来てくれた親子。
「新一年生。支援学級在籍。毎日、親が付き添いをさせられ、一時間で帰される」という話だった。
一瞬、意味が分からなかった。
「4月に入学したんだよね?」
「一年生になったんだよね?」
「支援学級でも、親の付き添い?」
「授業は一時間だけ?」
「支援はどこに?」
「どうして?」
□
私の目の前にいるのは、好奇心たっぷりの元気なお兄ちゃんだった。
部屋の外にあるエレベーターを見に行くが、ボタンを押すだけで、乘っていなくなることはない。
一人で廊下に出て行くが、10メートル以上は離れない。
さきちゃんの学校生活のビデオが映し出されると、「おはようございます」と、相談会に参加してくれる。私にすれば、ごくふつうの男の子だった。
□
はじめは、「担任の嫌がらせ」かと思った。
でも、経緯を聞いていくと担任だけでなく、校長、教育委員会もグルだと分かる。
その子を、「支援学級」ではなく、「最も適切な・支援学校」へ「転校」させるための「作戦」(嫌がらせ)だということが分かってきた。
□
① 去年の8月、「普通級は無理」と言われた。「支援学校か支援学級になる」と言われる
② 12月、「支援学校適」の「判定」が出る。
③ 2月、校長、教頭、担任、教育委員会との話し合い。そこで「親の付き添い」と、「授業は一日一時間」と決められる。
④ 4月から1時間で帰される。5月からは給食が始まるので4時間目から登校し、給食が終わると母親と帰宅。
⑤ 支援級の他の子から「何ですぐ帰るの?」「何でいつもお母さん来てんの?」と聞かれて、何も答えられない日々。
⑥ その上で、支援学校への転校のための体験入学に行くよう勧められる。理由は「短時間では伸びるものも伸びないし、子どものためにもならない」。
入学前の2月に、「授業は一時間」と決めたのは誰だったのか。。。。。
担任、校長、教育委員会に対し、両親には「不安」「恐怖」「不信」しかなくなっていた。
□
両親の願いは、「親の付き添いなし」で、他の子どもと同じように「一日の学校生活」を送ることだった。
「それなら、ふつう学級に行こうよ」
という訳で、「2学期からふつう学級に行くよ。親の付き添いはもうしないから、よろしくね」の要望書を提出してきた。教育委員会の対応が楽しみだな。
(回答後につづく)
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