石川先生のことを書いていて、先日届いた妹からのメールを思い出しました。
Halの冒険シリーズ、覚えているでしょうか(>_<)
Halは私の妹の長男。
小学校2年の2学期に、担任から「ことばの教室」を勧められるのと同じころから不登校になりました。
あれから7年になります。
7年前、初めての子どもの不登校に悩む妹に、「大丈夫、大丈夫、Halを信じて大丈夫」と、いつものようにお気楽に言ったのだと思います。
あのときの大丈夫も、石川先生との出会いと、子どもたちの出会いがあったからでした。
小2の子どもの不登校の相談に、「えりちゃんは、小1から中3まで不登校だったけど、定時制に来てからは、ほぼ皆勤で楽しそうに勉強してるよ」と話しただろうと思います。
あのころ、もしかしたらHalも中3までいかないかもしれないなぁーという予感がしたのを覚えています。
でも、本当に中3まで不登校で、ここまで「連載」が続くとは思わなかったけど(・.・;)
(えりちゃん、元気かな(゜゜) 家で娘と遊んでくれたっけ。もうお母さんなんだろうなぁ。)
という訳で、2年半ぶりのHalの報告をお届けします。
◇ ◇ ◇
・・山には雪が降ったよ。
久しぶりです。
治療は大変そうだけど、順調かな?
久しぶりにHalの近況報告してみる。
中学に入って最初の年の運動会は、校舎からグラウンドを眺めての参加でした。
2年生の時は、競技は学年行事のリレーに参加して1人抜いて近くに居た女子に、「Hal早いじゃん」とか言われたそうです。
競技以外の時間は用具係りをしたりして、Halなりに楽しんだ運動会でした。
そして今年は、1日丸ごとの運動会に暑い中真っ赤になりながら参加しました。
しかもHalのクラスが優勝して気持ちの良い日になったようです。
それが9月の最初の週でした。
昨日は二学期のもう1つの大イベントの合唱祭でした。
合唱祭は学校じゃなくて市民会館の大ホールでやるんだけど、1年の時は、私服で見に行っていたら友達に声を掛けられて、生徒席の隅のほうで先生と見学して終わった。
去年も私服で行って途中から自分のクラスの指定席に座って見学してたらしい。
こういう行動を見るたび凄いな、強いなと思う。
それはさておき、その時帰ってきたHalと話をして、「おー、毎年ちょっとずつステージに近づいてるじゃん来年は皆と歌えるかねー?」って言ったら「うーん、来年は出ようかなー」なんて話していたんだけど、有言実行の男は今年しっかりと歌の練習にも参加して、今日は学生服を着て登校、ステージに上がって歌ってましたー。
いやー、Maoはさ、毎年ジャズダンスの発表会とかあるけど、見ているこっちが緊張する事とかあまり無いけど、昨日は、多分Halより私のほうが凄くドキドキして緊張したよ(笑)
私は合唱祭は今年初めて見たんだけど、3年生は凄く盛り上がって楽しそうだった。
1年2年と合唱祭のステージに参加出来なくても合唱祭を見て感じていたHalが、今年は出るって言った理由がわかった気がした。
合唱祭の結果は残念ながら最優秀賞では無かったけれど、帰ってきたHalに「凄かったなー」とか「残念だったねー」と声を掛け、「楽しかったかー?」って聞いたら「楽しかった!」って返事が返ってきた。
でもね、あいつ学校行った日は相変わらず帰ってきたらトイレ直行だし、便の調子も良くないんだよねー。
その事についてHalに直接訊いてはいないけれど、それでも、そういう事と折り合いをつけながら自分らしく学校と付き合ってるんだろうなーと勝手に思ってます。
来週は高校見学会に行って来ます。
不登校になってから勉強しろなんて言ったこと無かったけど、さすがに今年は勉強しろーって連呼してる。でも慣れてないから勉強しろって言うの忘れてる事が多いんだよね
いや、慣れてないんじゃなくてHalの事信じてるから忘れるんだな、うん。
こんな調子でHalはいつも通り元気です。
じゃ、また気が向いたらメールします。
無理しすぎないようにねー。
◇ ◇ ◇
妹への返信に、「俺は言うだけだから簡単だけど、Hal母も父もよくこれだけ堂々とHalを信じ続けてこれたよね」と書いたら、「えーー、信じていいって言うから、そうしてきたのに不安にさせるなよー(笑)」と返ってきました(>_<)
その言葉のあとに、「Halについて、慎とは一度も揉めたことはないよ」と旦那へののろけが書いてありました。
Halを支える母親と、母親を支える父親。
Halを支える父親と、父親を支える母親。
その両親をみている妹。
そうした家族の中に揺るがない自分の居場所があるからこそ、学校に行けない自分に苛立つこともあったHalが、自分で自分を支えることができているのだと思います。
7年前、確かに「大丈夫、大丈夫」と何度も言うだけは言ったけど、今回のメールを読みながら、正直、私は涙がこぼれるのを抑えることができませんでした。
照れくさくて、妹に直接は言えないけど、Halはしあわせだと心から思いました。
中3のいま、そしてこれからも、思い通りにいかない自分自身に揺れることもあるだろうけど、この7年間の様子を遠くからみてきた私は、やっぱり「大丈夫」と思います。
Halを支える家族の思いは揺るぎようがないし、その思いは、どんなときもHalの「自分を支える自分」を確かに支え続けるだろうと思います。
ホームにいる子どもたちが、子ども時代を通じて一番ほしかったのに手に入らなかったのは、その親の信頼と支えと思い、だったのだろうと思います。
学校に行く行かないとか、勉強ができるできないとか、そんなことよりも、どんなときにも「自分で自分を支える」大切な人の思いこそが、子どもの自立を支えていくのだと思います。
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