年に何回か、思い出す石川先生のことばのひとつ。
「いまを認めないと、次を認めるのは難しい」
ずいぶん昔に読んだ本の一節だが、ホームの仕事を始めてから、年々言葉の重みが増してくる。
子どもたちと生活まるごととつきあっていると、この当たり前の言葉を感じない日がないくらいになってきた。
で、原文を探そうとしても本が見つからなかったり、データが見つからなかったりするので、ここにメモしておきます。
◇
★他者に依存せずにまず「いま」を認めること。
30年引きこもっていると、それはひとつの生き方。
自己肯定感を手に入れている。
(引き出し屋)
私も働きかけはするけれどムリに出そうとは思わない。
★私がやっていることは社会に引き出すことではなくて、
その人が社会に対して送ろうとしているメッセージを、いまはとりあえずそのかたちでいいんだよと肯定してあげること。
そのメッセージの形がダメだなんて言わない。
でも、それと違う形と出会って、自分にしっくり合えば、それはもうけものじゃない。
★今まで持っていた関係性や価値観が広がって、自分にとってもっと納得のできるものになってくれればいいと思っている。
★言ってきたのは、「いま生きていることを大切にしたいね、大事にしようね」ということで、形にこだわるのはやめようということ。
★ いま生きていることが大事で、その大事さを続けていくことに意味を感じて引きこもっているならそれでいいと思う。
でも、もっと大事なことがあるなと思うなら、「いま」の自分からそれがゆっくり広がっていければいいと思う。
★だって、「社会とのかかわり」なんていろいろな形がある。
手紙、メール。
修業僧は無言の瞑想、祈りで社会にかかわろうとしている。
労働していたり、人々の中にいることだけを「社会とのかかわり」というふうに見てしまうかどうかの問題だと思う。
★どんな危機的状況でも、「いま」を認めるところから始める。
だって、死ぬことを考えたら、まだ「いま」の方がいいでしょう。
★どこでも、体質に合うかどうか、合わなきゃ他へ。
★とりあえず、「いま」の状況を認めていく。
★つまり「いま」を認めないかぎり、「次ぎ」を認めていくのは難しい。
『ひきこもり支援ガイド』 晶文社 石川憲彦
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