《1車線の言葉と4車線の声》
人の言葉を聞いて、「腑に落ちる」とか「心地よい」と感じることがある。
「分かる」とか「理解する」とは別の感覚。
言葉だけでなく、話し方、声のトーン、表情やまなざし。そのすべてが穏やかで、落ち着きがあるとき、私たちは「安心感」を感じる。
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『脳から身体への運動経路は一つであるのに対し、身体から脳への感覚経路は4車線あるという』※
私たちは「5車線」で話をしているんじゃないかと思う。
1車線は「言葉」によって表現されるもの。
4車線は「こえ」や「表情や身体の角度、姿勢」で表出されるもの。
だから、言葉はなくても、一緒に居るだけで、「腑に落ちる」とか「心地よい」と感じることがある。
子どもとのつながりの安全感覚。
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自分の中で、1車線の言葉と4車線の声がズレている時、「こんなはずじゃなかった」とか「なんで分からないんだ」と感じることになる。子どもとのつながりの安全感覚がない、と感じる。
それは、子どものせいでなく、自分の《5車線の調整》ができていなかったのだと思う。
「自分の感受性くらい自分で守れ」とは、自分の5車線のズレは自分で調整しろ、ということではなかったか。
※『ポリヴェーガル理論臨床応用大全』