8才の子ども 五十年目の糸(その2)
7月8日の就園・就学相談会には15家族、31名の参加がありました。
毎年、その場所で感じる気配があります。
34年前に、「この子が行く学校はどこがいいと思う?」と聞かれた時から、まったく変わっていない気配。それはまた、50年前に、8才の私が、親に感じさせた不安と重なります。
「自分のせいで、親が怖れている」
「親を怖れさせ、不安にさせている原因は自分」
「親の心に抱えきれないほどの重荷になっているのは、自分がここにいること」
6歳の子どもにそう感じさせる力が、「就学」という場に働いています。
それは、教育とは別の話です。
「就学相談会」という場所で、私が聞いてきた親の迷いは、教育や学校の話ではなかったのだと思います。
もっと根源的な、子どもが「ここにいる」ことへの、無条件の肯定に関わることだったのだと、分かるようになりました。
◇
《子どもを分けてはいけない5つの理由》
今年の相談会の資料として、《子どもを分けてはいけない5つの理由》を配りました。
小夜さんの「4つの理由」に、一つ加えたものです。
1.《子どもは分けられることを望んでいない》
2.《分けた所でできることには限りがある》
3.《学校生活を終えた後にも、分けられた生活を望まない》
4.《分けた側の不幸がみえなくなる》
5.《分けられることはトラウマになる》
子どもに伝えたいのは、「あなたは何も悪くないんだよ」ということだけです。
分けられなければならない理由は、あなたには何一つない。
分けなければならないという「怖れ」を手放せないのは、大人たち。
古い時代から受け継がれてきた怖れを、いつまでたっても手放せない大人。
(つづく)
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