その1を読み返してみましたが、伝えるってことは難しいなと思いました。
「単語」がじゃまをする部分も多いなと思いました。
【生き物の姿形…】
【その姿形を失ってしまったもの】
【「同じ仲間、同じ子ども」の姿形…】
こうした言葉に抵抗を感じる人もいるでしょう。
一つ一つに言い訳はしませんが、私自身、「特学」で仕事をしていたとき、そこにいる子どもたちが大好きだったし、数えきれないほど楽しい時間を過ごしました。
「世界が二つある」
私が言いたいことは、こっちかもしれません。
・・・・・
子どものために、「世界を二つ用意してある」社会。
「ふつうの子どもの世界」と、
「特別な支援が必要な子どもの世界」。
「健常な子どもの世界」と、
「そこでは無理な、子どものための世界」
「健常な子どもの世界」と、
「そこではかわいそうな、子どものための世界」
二つの世界は、別の世界。
行き来はできない。
「健常な子どもの世界」の子どもが、そうでなくなったときにだけ、
一方通行の扉が開く。
そして、その二つの世界のあいだで、
必死で「ふつうの子どもの世界」の友だちを、仲間を求め続けて、
さまよっている子どもたちがいる。
揺らぐことのない自分の居場所を求めて、
あがいている子どもたちがいる。
Eちゃんは、お兄ちゃんのいる世界と同じ世界に帰りたくて、
二年間も帰り道を探していた。
T君は、小学校一年生のときにいた自分の世界に帰りたくて、
八年間も抵抗していた。
そして、私はといえば、8歳の日の一日のことに、
こうして一生こだわり続けている。
「こだわり」が障害なら、私を「普通学級は無理」とみた金井先生は正しかった。
「学校の先生の言うことを聞かない」
「自分の好きなことしかしない」
「協調性がない、わがまま、意地っ張り」
金井先生がいまの私を見たら、「一年生のときと何も変わってないわね~」ときっと言うだろう。
あのころと違うのは、大好きな女の子の髪にイチゴジャムを塗らなくなったことくらいだろうか。
向かい合うものに応じて、自分を意識する仕方が変わる。
8歳の私は、「二つの世界」の真ん中に立たされた「自分」に向かい合った。
そして誰にも本当の自分を見せてはいけないのだと、自分を意識するようになった。
まわりに合わせないと、いまの世界にはいられなくなるから。
自分にどんな障害があったのか、なかったのか。
そんなことはどうでもいい。
ただ、世界が一つなら、よかった。
世界がひとつなら、迷わなくてよかった。
一日、分けられただけで、
一生、さまようことになる子どもを、
学校の先生や専門家は知らない。
世界は、もともと一つなのに。
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