【ミッションインポッシブル・沖縄編】(その9)
《適格者主義の話③》
沖縄県教育長が、最初から「適格者主義は今もあるんです!」と叫んだのはどうしてだったのだろう?
「適格者主義は今も続いているんです!」と、あんなにも必死で言い張ったのは、本当にどうしてなんだろうとずっと考えている。
【「適格者主義」とは何か?】
昭和38年のある日。文部省はそれまでの「希望者全入」の原則を捨て、「適格者主義」と言い出した。
「心身に異常があり修学に堪えないと認められる者その他高等学校の教育課程を履修できる見込みのない者をも入学させることは適当ではない」。
「入学者の選抜は,…高等学校教育を受けるに足る資質と能力を判定して行なうものとする。」
そして15歳の子どもたちが「適格者」か「不適格者」かを「選別」する役割を「校長」に託すために、「学校教育法施行規則」に、「調査書その他の必要な書類、選抜のための学力検査等を資料として行う入学者の選抜に基づいて、校長がこれを許可する」との規定を設けた。
教育委員会は、「判断するのは校長です」「法律で決まっているから、校長に定員内不合格を出すなとは言えないんです」と逃げるが、そもそもの始まりを「決めた」のは、校長ではない。
「心身に異常があり修学に堪えない」子どもを入学させないと決めた、差別的な昔の人たちなのだ。
21世紀のいま。無償化法、教育の機会均等法。子どもの貧困防止法。子どもの権利条約、障害者差別解消法。子どもたちの学びを保障するための法律がゴロゴロあるのに。昭和38年に「心身に異常があり修学に堪えない」子どもを入学させないと決めたのは、明治・大正生まれの人たちだ。
その昔の差別的な人たちの決め事に縛られて、私たちはいつまで子どもたちを泣かせなければならないのか。少子化のいま、高校の席はあり余っているというのに。
教育委員会は、「法律」というけれど、「施行規則」は「法律」じゃないよね。それなら、昭和38年の昔の「施行規則」より、無償化法、教育の機会均等法。子どもの貧困防止法。子どもの権利条約、障害者差別解消法といった「法律」で認められた「子どもの教育を受ける権利」に沿った運用がなされるべきなんじゃないのかな。
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