先日、紹介した千葉県の新しい制度。
これは、そもそも何のための制度か?
「志願者数が募集人員に満たない学校等において」使うもの。
つまり、「定員内不合格」に関する制度、です。
では、「定員内不合格」を出すのか、出さないのか?
「校長がより正確かつ適切な合否判定をするため」!
これだけでは分かりません。
「特に慎重に審議する必要があると判断した場合」
ここで、私が思い浮かべる、「特に」の場面。
「文科省の調査で把握している定員内不合格については、その理由まで調査しているものではないが、文科省としては、仮に障害のみを理由として入学を認めなかったということがあった場合には、これはあってはならないと考えている」(文部科学大臣)
「特に」の場面の一つに、「障害を理由にした入学拒否」が含まれていることは明らかだと思われます。
しかし、「入学許可」の権限は、「校長」しか持っていません。
そこで、新しい制度では、「千葉県教育委員会が選定した外部の専門家から意見聴取できるようにする」とあります。
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ここで、「専門家」なんて信用できない、という人も多いでしょう。
しかも「教育委員会」が「選定」!
ここだけで、「無理」と感じる人もいます。
実際、小中学校では、「就学時健康診断」やいわゆる「就学指導(支援)委員会」などで、「専門家」の意見を盾に、ふつう学級を拒まれた不信の記憶は、そう簡単に消せるものではありません。
でも、今回、私が個人的にこの「制度」を信頼するのは、去年のH君の3度の定員内不合格に心を痛めた人たちが作ったものだからです。さらには純くんの27度の定員内不合格に心痛めた人が作ったものでもあります。だから、私は信じようと思います。
千葉県教育委員会のHPには、制度の内容とともに、「保護者の皆様へ」という文章もあります。
「定員内不合格」を意識している「保護者」は何人いるんだろう、と思います。
約5万人のなかで10人もいないんじゃないだろうか。
だから、私にはこれが、Hくんや純くんの「保護者へ」に見えるのです。