8才の子ども 50年後 (Z・3)
《極上の逆らう親》
俺の人生はよくできている。と思うことがある。
一番の理由は、この上なく幸運な「出会い」の積み重ねだ。
8才の私は、知ちゃんと出会い、石川先生と出会い、康治、たっくん、朝子、てっちゃん、に出会ってきた。子どもたちとの出会いは、今も続いている。
8才の私にとっての康治やたっくんは、今子ども時代を生きているあーちゃんやゆうきくんやちーちゃんそのものだ。
その「子どもたち」は、生まれてくることや、保育園に入ること、小学校に入ることさえ、拒まれ、助けてもらえない子どもだった。
だけど、その子どもの隣には、いつも「極上の逆らう親」がいた。
◇
「極上の逆らう親」とは、極上の「子どもの味方」だった。
極上の守る親であり、無条件の味方だった。
子どもを大事にしないこの社会で、「子どもを尊重し、その傷ついた心」を知ろうとすれば、「極上の逆らう親」になるしかない。
8才の私が、ずっと探してきたのは、「極上の逆らう親」だった。
それが50年探し続けて手に入れた、一つの確かな答えだ。
(つづく)
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