ここに何か大切なことが書いてある、と思うのだけれど。
まだ言葉が足りない、みたいで。
つづきと、意味を、今も考えている。
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《運動会あるある》
入学式に始まり、授業参観も合唱祭も、「うちの子はどこかな?」と探す前に、「ここ、ここ、ここ」と目に飛び込んでくる子がいる。
その子たちの親は、運動会で子どもを探したことがない、という。徒競走でもダンスでも、探す前に目に飛び込んでくるから。
けれどある年、変化が訪れる。
「見つからない」ときが訪れる。
「そんなはずない、トイレ? 職員室? 参加していない?」。
ついそう思ってしまう。
でも、子どもはそこにいる。
よく見れば、みんなと同じように踊れている訳ではない。
一度見つければ、「そこ違う、また違う」がいつも通り見える。
この子が目立たない子に「変わった」のではない。
では、何が変わったの?
どうして、すぐに見つからない?
答えはたぶん、子どものいる「世界」が変わったから。
この子のつながりの世界、みんなのまなざしが、まったく違う世界に変わっているんだよ。
どういうこと?
「心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。かんじんなことは目に見えないんだよ」
(つづく)