『ゆびさきの宇宙』
昨日、買ってきた本です。
まだ読み始めたばかりですが、
ちょうどコミュニケーションのことを考えていたので、
いろんなことが浮かんできます。
で、読み進めると、まとまらなくなる予感がするので、
少しだけ、紹介します。
プロローグから。
☆ ☆ ☆ ☆
目が見えず、耳も聞こえない。
「ヘレン・ケラーの世界って、どんなんやろ?」
福島智(46)は、8歳の夏の日、
近くの裏山で目を閉じてみた。
一歩踏み出すと、足元から崩れ落ちそうで、
怖くてすぐ目を開けた。
…
その10年後、福島はヘレンと
同じような障害をもつ身になる。
羽をもがれるようにして、光と音を失って育つ。
4歳で右眼を摘出。
9歳で左の視力も失う。
14歳で右耳が聞こえなくなり、
18歳ですべての音も奪われる。
無音漆黒の闇の世界にたった一人。
地球からひきはがされ、
果てしない宇宙に放り出されたような、
孤独と不安にうちのめされる。
盲ろうになって、一番の苦痛は、
「見えない、聞こえない」ことそのものではなく、
「人とコミュニケーションできないこと」だった。
「コミュニケーションは魂にとっての酸素、水。
それなしではまるで『牢獄』にいるようです」
そこから救いだしたのが母の考案した「指点字」と、
「指点字通訳」の実践だった。
『ゆびさきの宇宙 福島智・盲ろうを生きて』
生井久美子著・岩波書店
「なお、本書の印税は全額、
盲ろう者支援のためにお届けいたします。(生井)」
コメント一覧
yo
ishizaki
最新の画像もっと見る
最近の「こだわりの溶ける時間」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
- ようこそ就園・就学相談会へ(469)
- 就学相談・いろはカルタ(60)
- 手をかすように知恵をかすこと(28)
- 0点でも高校へ(395)
- 手をかりるように知恵をかりること(60)
- 8才の子ども(161)
- 普通学級の介助の専門性(54)
- 医療的ケアと普通学級(90)
- ホームN通信(103)
- 石川憲彦(36)
- 特別支援教育からの転校・転籍(48)
- 分けられること(67)
- ふつう学級の良さは学校を終えてからの方がよくわかる(14)
- 膨大な量の観察学習(32)
- ≪通級≫を考えるために(15)
- 誰かのまなざしを通して人をみること(133)
- この子がさびしくないように(86)
- こだわりの溶ける時間(58)
- 『みつこさんの右手』と三つの守り(21)
- やっちゃんがいく&Naoちゃん+なっち(50)
- 感情の流れをともに生きる(15)
- 自分を支える自分(15)
- こどものことば・こどものこえ・こどものうちゅう(19)
- 受けとめられ体験について(29)
- 関係の自立(28)
- 星になったhide(25)
- トム・キッドウッド(8)
- Halの冒険(56)
- 金曜日は「ものがたり」♪(15)
- 定員内入学拒否という差別(88)
- Niiといっしょ(23)
- フルインクル(45)
- 無条件の肯定的態度と相互性・応答性のある暮らし(26)
- ワニペディア(14)
- 新しい能力(28)
- みっけ(6)
- ワニなつ(351)
- 本のノート(59)
バックナンバー
人気記事