8月30日の土曜日の夕方に高校の同窓会へ。
高校同期の集まりは年に数回あるが正式の同窓会は年1回で
8月の終わりにある。
会場は飯田橋駅近くのホテル・メトロポリタン・エドモンド。
午後は丸の内の美術館で展覧会を鑑賞していたので、JR東京駅から中央線で
お茶の水駅乗り換えでJR飯田橋駅で下車。ホテルまでは徒歩5分。
会場は2階。
今回は36人で去年よりは少ないがまずまずの盛況。女性は6人。
幹事のあいさつの後、講演があるはずであったが、講師が10分ほど遅れたので、
先に乾杯をして食べ始めたたため、講演中も飲食が出来ることになった。
講師は元検察官で現在は防衛庁に努めている方で講演の内容は日本の治安状況や刑務所などの収容状況や経費などの話。
全く知らない話ばかりで非常に面白く感じた。
記憶に残った内容を紹介します。
治安状況
・刑法犯はH14年が約370万件で戦後ピーク。H24は200万件で減っている。
・検挙率が落ちている。H24年の検挙率は53%(S53年は70%)、交通事故を除くと31%にすぎない(S53年は60%)。(交通事故はあまり逃げないので良く捕まる)
そこからさらに窃盗を除くと44%(S53年は90%も捕まった)(今の窃盗は物を盗まず現金だけを盗むのであまり捕まらない)。
昔に比べ検挙率が落ちているのは交通網、通信(携帯など)の発達による。
犯罪者は警察より機動的に犯罪を遂行している。近隣に無関心な風潮の蔓延。
・検挙者中の女性の比率はS20年代は10%程度だったがS62年に20%を超えそれからはほぼ横ばい。その多くは窃盗(万引き)。
・起訴率は34%、多くは起訴猶予、和解。略式基礎などがあるので公判請求まで行くのは7%(140万人中9万人)。地裁などの判決6万人の大半は有期懲役だが執行猶予が6割。無罪は90人で0.14%。
・纏めると検挙率は43%、裁判間で行くのは3.6%、実刑は1.5%(約2万語1千人) なので刑務所に来るのは狭き門であり選ばれた人。
・他国との比較:欧米主要国との比較では日本は犯罪発生率が少ない。ドイツ、英国は日本の7倍。
殺人は米国が日本の5倍と多い。銃が自由に使えるため。殺人事件の検挙率も日本は98%に対して、米国は64%と低い。米国では殺人の無罪率も高く、刑務所に行くのは1/3程度。
・日本の自殺者はH24年で2万人を超している。交通事故の死者は4400人、殺人被害者は1000人にくらべてずっと多い。つまりわが国では一番気をつけなければならないのはパワハラを行う上司や先輩に負けないよう、心と体の健康を保つこと。ストーカ等による殺人に気をつけるのは最後でよい。
・外国人の不法残留者は約6万人。H5年の30万人に比べて大幅ダウン。日本経済の落ち込みにより裏社会で生きにくくなったため。
刑務所の話
・H19年は平均収容人員は7万人でピーク・当時の刑務所の定員は5万7千人で定員オーバーで大変だった。今の収容人数は5万9千人(定員7万2千人)で収容率8割と緩和された。
・最近は仮釈放の時期が遅く平均在所期間が2年半と10年前より半年長くなっている。
・女性の収容者が増えている。H24年は4600人で10年前の1.5倍。女子刑務官の育成が出来ず女子刑務所(現在8個所)を増やせないため。どこも収容率100%を超えている。人権問題。
・高齢受刑者(60歳以上):絶対数も比率が増えている(18%)。社会の高齢化の影響。刑務所の階段が登れない人もいるのでバリアフリー化を進めている。高齢者は軽労働をやってもらっている。
・さらに刑務所は安全で平等な社会なので刺激が少なく認知証になる人も。トイレに行けずおしめをしている受刑者も多い。刑務官はおしめを取り替える必要があるので大変。
・外国人収容者;ピークより減っている(中国人が1/3)。裏社会で生きている人が減ったため。国籍75カ国。珍しい言語で書かれた手紙のチェックなどで金がかかる。
・患者数は多い。5万人弱で10年前の1.3倍で推移。刑務所に来る人の多くは不摂生で、生活病を多く持つ。また、覚せい剤を回し打ちするためHIV(エイズ)・肝炎の率が非常に高い。医療費がかかる。
・法務省予算は年7千億。内刑務所などの矯正施設は2200億。内7割が職員などの人件費。後は建物費用など。
・受刑者1人1日血辺りの経費は1603円。内3食の食糧費は546円。少年院・少年鑑別所はそれぞれ630円。905円と少し多い。育ち盛りなことと、刑務所では受刑者が自前で食事を作るのに対し、鑑別所では自前で造らず弁当を買うため。
・刑務所の作業は実働5時間。報奨金は入所時は5時間で30円、成績が上がれば最大5時間で200円。一般の賃金に比べると比較にならない少額だが、衣食住が税金で賄われていることを考えるとフリータの方がもっとかわいそうかとも思う。
・職業訓練は60種目ぐらいがあり1万2千人が受けている。6400人が資格取得。収容者数に比較して受けている人の数や、資格取得者の数は少ない。
・国民の税金が刑務所に多くつぎ込まれているのですが、社会で落ちこぼれている人の方との厳しい状況に置かれているのかもしれない。そこをうまくマッチングする必要。
お話の後、改めて乾杯。
食事がほぼ終わったところで参加者の近況の話があった。
最後に次回の幹事団の挨拶があった後、校歌、生徒歌を斉唱してお開きとなった。
高校同期の集まりは年に数回あるが正式の同窓会は年1回で
8月の終わりにある。
会場は飯田橋駅近くのホテル・メトロポリタン・エドモンド。
午後は丸の内の美術館で展覧会を鑑賞していたので、JR東京駅から中央線で
お茶の水駅乗り換えでJR飯田橋駅で下車。ホテルまでは徒歩5分。
会場は2階。
今回は36人で去年よりは少ないがまずまずの盛況。女性は6人。
幹事のあいさつの後、講演があるはずであったが、講師が10分ほど遅れたので、
先に乾杯をして食べ始めたたため、講演中も飲食が出来ることになった。
講師は元検察官で現在は防衛庁に努めている方で講演の内容は日本の治安状況や刑務所などの収容状況や経費などの話。
全く知らない話ばかりで非常に面白く感じた。
記憶に残った内容を紹介します。
治安状況
・刑法犯はH14年が約370万件で戦後ピーク。H24は200万件で減っている。
・検挙率が落ちている。H24年の検挙率は53%(S53年は70%)、交通事故を除くと31%にすぎない(S53年は60%)。(交通事故はあまり逃げないので良く捕まる)
そこからさらに窃盗を除くと44%(S53年は90%も捕まった)(今の窃盗は物を盗まず現金だけを盗むのであまり捕まらない)。
昔に比べ検挙率が落ちているのは交通網、通信(携帯など)の発達による。
犯罪者は警察より機動的に犯罪を遂行している。近隣に無関心な風潮の蔓延。
・検挙者中の女性の比率はS20年代は10%程度だったがS62年に20%を超えそれからはほぼ横ばい。その多くは窃盗(万引き)。
・起訴率は34%、多くは起訴猶予、和解。略式基礎などがあるので公判請求まで行くのは7%(140万人中9万人)。地裁などの判決6万人の大半は有期懲役だが執行猶予が6割。無罪は90人で0.14%。
・纏めると検挙率は43%、裁判間で行くのは3.6%、実刑は1.5%(約2万語1千人) なので刑務所に来るのは狭き門であり選ばれた人。
・他国との比較:欧米主要国との比較では日本は犯罪発生率が少ない。ドイツ、英国は日本の7倍。
殺人は米国が日本の5倍と多い。銃が自由に使えるため。殺人事件の検挙率も日本は98%に対して、米国は64%と低い。米国では殺人の無罪率も高く、刑務所に行くのは1/3程度。
・日本の自殺者はH24年で2万人を超している。交通事故の死者は4400人、殺人被害者は1000人にくらべてずっと多い。つまりわが国では一番気をつけなければならないのはパワハラを行う上司や先輩に負けないよう、心と体の健康を保つこと。ストーカ等による殺人に気をつけるのは最後でよい。
・外国人の不法残留者は約6万人。H5年の30万人に比べて大幅ダウン。日本経済の落ち込みにより裏社会で生きにくくなったため。
刑務所の話
・H19年は平均収容人員は7万人でピーク・当時の刑務所の定員は5万7千人で定員オーバーで大変だった。今の収容人数は5万9千人(定員7万2千人)で収容率8割と緩和された。
・最近は仮釈放の時期が遅く平均在所期間が2年半と10年前より半年長くなっている。
・女性の収容者が増えている。H24年は4600人で10年前の1.5倍。女子刑務官の育成が出来ず女子刑務所(現在8個所)を増やせないため。どこも収容率100%を超えている。人権問題。
・高齢受刑者(60歳以上):絶対数も比率が増えている(18%)。社会の高齢化の影響。刑務所の階段が登れない人もいるのでバリアフリー化を進めている。高齢者は軽労働をやってもらっている。
・さらに刑務所は安全で平等な社会なので刺激が少なく認知証になる人も。トイレに行けずおしめをしている受刑者も多い。刑務官はおしめを取り替える必要があるので大変。
・外国人収容者;ピークより減っている(中国人が1/3)。裏社会で生きている人が減ったため。国籍75カ国。珍しい言語で書かれた手紙のチェックなどで金がかかる。
・患者数は多い。5万人弱で10年前の1.3倍で推移。刑務所に来る人の多くは不摂生で、生活病を多く持つ。また、覚せい剤を回し打ちするためHIV(エイズ)・肝炎の率が非常に高い。医療費がかかる。
・法務省予算は年7千億。内刑務所などの矯正施設は2200億。内7割が職員などの人件費。後は建物費用など。
・受刑者1人1日血辺りの経費は1603円。内3食の食糧費は546円。少年院・少年鑑別所はそれぞれ630円。905円と少し多い。育ち盛りなことと、刑務所では受刑者が自前で食事を作るのに対し、鑑別所では自前で造らず弁当を買うため。
・刑務所の作業は実働5時間。報奨金は入所時は5時間で30円、成績が上がれば最大5時間で200円。一般の賃金に比べると比較にならない少額だが、衣食住が税金で賄われていることを考えるとフリータの方がもっとかわいそうかとも思う。
・職業訓練は60種目ぐらいがあり1万2千人が受けている。6400人が資格取得。収容者数に比較して受けている人の数や、資格取得者の数は少ない。
・国民の税金が刑務所に多くつぎ込まれているのですが、社会で落ちこぼれている人の方との厳しい状況に置かれているのかもしれない。そこをうまくマッチングする必要。
お話の後、改めて乾杯。
食事がほぼ終わったところで参加者の近況の話があった。
最後に次回の幹事団の挨拶があった後、校歌、生徒歌を斉唱してお開きとなった。