アンダンテ ~私の歩幅で~

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蘇 枋

2008年10月08日 | 色いろいろ
光があるところだけに存在する、色。

色は、一般に、
  ・色相: 単色光の波長に相当するもの
  ・彩度: 鮮やかさ (白みを帯びていない度合)
  ・明度: 明るさ (光の強弱)
の3要素によって、規定されます。

そして、私たちが認識する多くの色には、
それぞれ素敵な名前(固有色名)がつけられています。

固有色名を持つ、たくさんの色。
その中から、誕生色以外の色についても、
いくつか取り上げています。


きょうは、この色・・・ 

蘇枋 蘇芳 (すおう) です。

インドやマレー半島原産で、マメ科の植物に、
蘇枋 があります。
高さは、4メートルほどになるのだそうです。

その幹の芯材を砕いて煎じた汁が、染料になり、
赤系や紫系の色を染めることができます。

マレー語で sapang と呼ばれる蘇枋。
そして、中国人により当て字された名前が、
日本へやってきたのでしょうね。

蘇枋、蘇芳、蘇方・・・・・と、
「すおう」を表す漢字が複数あるのは、
そのような経緯からのようです。

そして植物の名前そのままの蘇枋色は、
最も紫に近い、暗めの赤色。

蘇枋の木は、奈良時代に、すでに移植されて、
日本の土地に根付いていたらしい。

舶来の染料ということで、平安時代には、
かなり珍重されていたといわれています。

あの清少納言も、一目置いた色。

江戸時代には、茜や紅花の代わりの染料として、
この蘇枋が、かなり重宝されていたようです。

一時期のブームは去りましたが、現代でも、
草木染めとして使われているようですね。

その昔、お船に乗って、日本へやってきた蘇枋は、
すぐさま日本の土地にしっくり馴染みました。

日本に来るまでのストーリーもあるのかと思うと、
深みのある色が、より一層味わい深く感じられます。


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