昨年の会社復旧作業が終了してから一時帰休が続いている。一時帰休なんて制度の内容が不明だったが自分が直面してからやっと理解できた。
原発事故の影響でいまだに苦しい操業を続けているので、廃業しないで続けてくれているだけでも感謝しなければなりませんね。
一時帰休とは、不景気により会社は一時的に事業を休むことがあります。そのような時でも後日稼動する時の為に労働者は確保しておかなくてはなりません。このような時は労働者は休職となりますがこれを「一時帰休」というようです。会社からは通常賃金の60%が補償されます。
私の一時帰休による休業は月5~6日ですが多い方だと10日を超えてしまいます。月の出勤日数が従来の半分以下の時もありますから、仕事についてのモチベーションは激減してしまいますよね。「休みが多くていいよね」なんて言う方もいますが、何もやることができない地域での休業ですから引きこもり状態になっている人もいるようです。精神的に頑張れるのか心配ですよね。
所得も震災前のように残業等の収入がないし、一時帰休では60%しか補償されないのでがっかりするほど給料が落ち込んでいる。原発の賠償に請求すると賠償金の対象にはなっているが、請求してから支払われるまでかなりの労力と時間を必要としているのが現状である。それもいつまで賠償金が支払われるか不明なので将来どうなるか不安ですよね。
今日の新聞に「旧避難準備区域」の「精神的賠償」について、佐藤県知事と東電次期社長の会談の記事が載っていた。
文部科学省原子力損害賠償紛争審査会では、避難している方への精神的賠償については8月で打ち切りになっていたが、東電の次期社長は8月以降も賠償を継続することを明らかにした。国の審査会では、住民を早期に帰還させるために賠償の打ち切りを考えたようだが、現状ではまだ無理でしょう。除染も全然進んでいないし、病院もまともに動いていない。交通の便も悪いし、安心して生活できる環境にないところへ小さな子供たちに帰ってこいなんて言うことが間違っていると思うのだが、国は現状を全然把握していないようですね。
「旧避難準備区域」の精神的賠償については、いち早く帰還して復旧作業をした方たちについては対象外になっていたが、あの生活物資も届かない、屋内避難を続けなければならないそんな中で生活しながら復旧作業を続けた方たちは、賠償金ももらえず収入も激減して厳しい生活を送ってきました。「避難していればこんなに苦労をすることはなかったのに」と後悔する方ばかりでした。精神的に一番被害を受けている方々が賠償の対象になっていないこと自体が間違っていたことなのだろうが、国の審査会では考えていなかったようです。やはり現状を把握していなく遠くから眺めていて机上で判断している者たちの考えることなんだろうね。今回の東電の方針では、いち早く帰還した住民の賠償額が少額になることを問題視し、早く戻った方や避難できなかった方もしっかりと賠償していくと約束したようです。
私も早期に帰還し「警戒区域」内の会社の復旧活動をしたが賠償金の対象にはなっていなかった。同じ会社でも避難を続けて会社が復旧してから戻った来た従業員と比較すると、劣悪の環境で苦労した従業員は何の対象にもなっておらず、作業をしなくて休んでいた従業員の方が賠償金や生活物資の配給等恵まれた生活を送ることができた。これって世の中間違っていないか?と何度思ったことか。同じ会社でもこの差別感で分離するような事態が発生する。
同じ地域で生活する中でも東電の社員は多くいるが、我々のような境遇に陥っている人はいないだろう。
農業関係や給与等の損害を賠償請求しても「国の審査会では対象になっていないので支払われません」という答えが返ってくる。実際に被害を受けているものすべてに賠償されるなければならないはずなのに、国の審査会は理解できないようですね。