令和2年12月4日(金)
菰 巻 : 藪 巻
雪折れの恐れの在る庭の樹木や竹などを筵や縄等で
ぐるりと巻く。
曲げるべき枝は曲げて縛り付け、竹などを添えて
補強する。
丹念な作り、大雑把な形などそれぞれに味わいが
ある。
菰巻きは江戸時代から、大名屋敷の庭園で行われ
てきたとされる害虫の駆除予防である。
松などに多い松毛虫等の幼虫は、冬になると地上
に降り枯葉等の下で越冬する習性があり、11月頃
になると松や杉等の幹に、地上から2m位の所に
藁で出来た菰を巻き付ける。冬の間この菰の中で
越冬した幼虫を、春に菰と伴に焼却する。
これが本来の「菰巻」の目的であるが、樹木に
により、防寒の意味もある。
近年、様々な研究によると菰巻による害虫駆除
には余り効果が得られないとの指摘もあり、
皇居や京都御苑などでは菰巻の中止をされて
居るようだ。
名古屋市の徳川園ではこの時期になると様々な
冬支度があ行われている。
園内にある、松の根本から1~2m位の高さに
菰を巻き付ける。
牡丹園では、冬牡丹の一株ごとに「藁苞」(わ
らづと)という藁で出来た囲いで覆う。
又、園内の龍仙湖の周辺に4株のソテツが在り、
庭師が菰を巻き、全体をまるで鎧のように覆い
ハサミで切り整えた。
徳川園ソテツの菰巻(中日新聞朝刊より)
防寒のためで来春(3月頃)に外すとのこと。
今日の1句
菰巻かれ蘇鉄のまるで様変わり ヤギ爺
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