トライランダーの蔵出し写真館 第2号

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書評 鉄道雑誌今月号

2010-06-26 12:25:00 | ノンジャンル
昨日から雨が降り続いており、せっかくの休みも一日中家の中になりそうである。

昨日鉄道雑誌の最新号を購入。少しばかりではあるが書評を。
『鉄道ピクトリアル8月号』特集はディーゼル特急50年。
旧国鉄で車両設計・技術畑を歩んできた石井幸孝氏がDC特急誕生の経緯を執筆。僅か6ページながらこの要約のうまさは特筆に値する。石井氏の著書は「硬い」「難解」であるというのが私の印象であるが、他方で限られたページ数における情報の「取捨選択」が非常に上手く、この6ページで登場の背景、経緯の概略が理解できるようになっている。硬軟併せ持ったこの執筆術は、流石に「会社経営者」だけあって「技術畑」とはまた違った一面を見せてくれる。

その後は岩成政和氏がユーモアを交えながら、主に旅客の立場から当時を回顧、寺本光照氏が毎回の如く批判的視点を交えつつ運転史を執筆。最近の国鉄色の強い特集ではおなじみとなった顔ぶれである
数年前にキハ181・183・185系特集が出ていたので運転史に関しては多少重複する部分が見られるのは致し方ないであろう。

『鉄道ファン8月号』特集は東京メガループ。
京葉・武蔵野・横浜各線、いわば「外環状線」に視点を充てた特集であったが、「メトロセブン」「エイトライナー」構想等についても多少触れてほしかったところ。
最近の鉄道ファンはむしろ特集以外の記事に価値がある。「JR各社の新世代気動車の現況」は、鉄道ピクトリアルでは取り上げられる機会が少なく、レイル・マガジンではあまりに中身が薄すぎるJR形にあって、事細かに紹介するのは新鮮であり、価値がある。また、「東武鉄道7800系電車の塗装試験とオレンジ色の流れ」に至っては昭和30年代前半のカラー写真を多用しており、僅かな期間のみ見られた「忘れ去られた」塗装を紹介しており非常に見ごたえのある記事であった。まさに「写真で魅せる」記事である。

他にも鉄道ファンの特集以外の記事は貴重な記事が多く、侮れない構成となっている。

以上今月購入した2誌について、拙文ではあるが感想を述べた次第である。