トライランダーの蔵出し写真館 第2号

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遠賀川沿いの保存SL 3題

2014-05-14 20:32:00 | 保存車両
遠賀川といえば明治初期、筑豊の石炭を運ぶ船で賑わったが、鉄道の開通とともにまた普通の一河川へと戻っていった。この遠賀川流域には水運から主役の座を奪ったSLが多数保存されている。今回はこのうち下流に保存されている3両を紹介する。

【D60 61】(遠賀郡芦屋町・高浜公園)
1928年汽車会社製。当初はD50 282.1954年に浜松工場で軸重を軽減しローカル線での運用に対応する改造を行い、D60 61となった。この61は1974年8月廃車で最後のD60であった。なお、芦屋町には国鉄芦屋線が走っていたが1961年に廃止された。D60 61はこの芦屋線で運行されていたわけではない。一時期は悲惨な状況であったが、2012年に汽車倶楽部により美しく整備された。D61の保存車は4両で、うち3両が福岡県に保存されている。



汽車倶楽部の整備により美しい姿を取り戻した。柵で覆われたのは残念だが今後のコンディショニング維持を考えるとやむを得ない。


銘板類も復元され、素晴らしい出来栄えである。


【78626】(遠賀郡遠賀町・総合運動公園)
1924年川崎造船兵庫工場製。一貫して九州で活躍し、1974年5月細島線での運用を最後に廃車。



状況は悪い。プレートは欠損し、ガラスもほとんど失われており将来は明るくない。「解体」の話が持ち上がると志免町のSLの例を見るように急に産業的価値を持ち出し保存運動を行う人たちが出てくるが、この状況に追い込むまで何もしなかったのであるから急に言い出すのには困ったものである。日頃から大切にして頂きたいものである。

【C11 260】(中間市・垣生公園)
1944年日本車輛製。1974年行橋機関区在籍時に廃車。ここも汽車倶楽部の力で見事に蘇った。




腕木式信号機とともに保存されている。ここも柵が設置されたが、横に小高い丘があるので、そこから見下ろすことができる。