燃えるフィジカルアセスメント

総合診療医徳田安春の最新医学情報集。問診、フィジカル、医療安全、EBM、臨床研究に強くなれます。

薬は怖い 3

2015-03-28 | 講演会
 前回からの続きです 症例5   60歳男性  主訴:発熱  1ヶ月前にめまい感が数分間あり、近医を受診している。MRIの結果、陳旧性脳梗塞があったため、痙攣、症候性てんかんが誘発されたのではないかと診断されカルバマゼピン、抗痙攣薬が処方されている。  2週間前より発熱が認められ、体温が39℃まで上昇した。発熱に対して抗菌薬2種類が投与されたが、効果がなかった。血圧130/80mmHg、心拍 . . . 本文を読む
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全身倦怠感 6

2015-03-22 | 講演会
 今回も前回の続きです 6 その他  表7に頭蓋内疾患の倦怠感をきたすものをあげる。 表7 倦怠感をきたし得る頭蓋内疾患      硬膜下血腫   硬膜外血腫   脳血管障害(脳梗塞、脳出血)      髄膜炎・脳炎   脳腫瘍  硬膜下血腫は局所の神経脱落症状を呈さないことがあるので注意をようする。  薬剤性の倦怠感をきたす薬剤は多い。表8。とくに高齢者に症状が出やすい。肝腎機能が . . . 本文を読む
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全身倦怠感 5

2015-03-20 | 講演会
 今回は短めですが、前回の続きです。 5 慢性臓器不全の急性憎悪  慢性の臓器不全を有する患者がさまざまな理由(感染症・内服中断など)で急性憎悪(acute exacerbation)となると倦怠感をきたし得る。慢性の心不全、呼吸不全、腎不全、肝硬変などの患者は、ウイルス感染(インフルエンザなど)でも容易に急性憎悪をきたす。急性憎悪の診療では、「なぜ」急性憎悪をきたしたかを特定することが重要で . . . 本文を読む
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全身倦怠感 4

2015-03-18 | 講演会
 前回の続きです。 4 電解質異常  脱水と同様にさまざまな疾患で中等度~高度の電解質異常となると倦怠感をきたし得る。腎臓の機能が低下している高齢者に生じやすい。電解質異常の診療では電解質異常の原因の特定とその原因治療が重要であるが、電解質異常そのものの診断と治療も必要である。主要な電解質異常の症状と所見について表5に示す。電解質異常を疑えば生化学検査で確認する。高カリウム血症は心電図で診断し . . . 本文を読む
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全身倦怠感 3

2015-03-16 | 講演会
 前回からの続きで、「criticalな疾患」について考えていきましょう 3 脱水  飲水不良、嘔吐、下痢、大量発汗、高熱などで高度の脱水になると倦怠感をきたす。口渇中枢の機能が低下している高齢者で生じやすい。脱水の診療では脱水の原因の特定とその原因治療が重要であるが、脱水そのものの診断と治療も必要である。脱水に対する徴候の検査特性について表4に示す。 表4 循環血液量減少・細胞外間質量減少 . . . 本文を読む
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全身倦怠感 2

2015-03-13 | 講演会
 前回からの続きです  表のうち、糖尿病では、無痛性冠動脈虚血(silent myocardial ischemia)をきたすことが多いので注意する。  システム・レビュー(review of systems)では、労作性の胸痛・胸部不快感を確認できることがある。また、胸痛はないが、「労作性の息切れ」を呈する患者もいる。右心室には副交感神経を刺激する受容体が多く分布しており、右冠動脈の病変によ . . . 本文を読む
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全身倦怠感

2015-03-11 | 講演会
 今回から新しいシリーズです。まずはじめに、比較的急性(数時間~数日)に発症した全身倦怠感と慢性に経過した全身倦怠感に分けていきます。救急外来では、急性に発症した全身倦怠感の患者が受診することが多いため、主として、急性発症の全身倦怠感の鑑別診断のポイントを上げていきます。  一般的に鑑別診断では、コモン(common)、重篤(critical)、治療可能(curble)の3つのCを意識していきま . . . 本文を読む
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風邪4

2015-03-07 | 講演会
 前回の「風邪と紛らわしい疾患」の総括です  風邪の診療に限らず、あらゆる診療で重要なのは全身の概観、すなわちgeneral impression, general appearance です。それについてのバックグラウンドをお示しします。  通常は、左側の内部環境(ホメオスターシス)を維持するための自律神経系、免疫系、内分泌系がうまくネットワークをつくっていますが、強い侵襲ー例えばウイルス、 . . . 本文を読む
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風邪3

2015-03-03 | 講演会
 前回のフロアとの質疑応答の続きです フロア  あまりフォーカスははっきりしないのですが、いちばん怖いのは意識障害…。意識障害とまではいえないですけど、頭部に何かイベントが発生しているかなという印象と、例えば、いちばん見逃したくないのは急性肝炎、急性心筋炎などで、感染性心内膜炎(IE)まではいきすぎかなと思いますが、それらを念頭に置いて診断をすすめます。 徳田  すばらしいですね . . . 本文を読む
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風邪2

2015-03-01 | 講演会
 前回の続きです Question2:この症例での追加すべき問診・診察をあげてください 徳田  Open question で入手したnarrative な病歴から、この症例での Red flag symptom sign をまとめると、以下のようになります。  倦怠感が強くなり、食欲もなくなり、水分以外は摂取できなくなった  いったん出勤したがだるくて自宅に引き返した。横になっていたが、 . . . 本文を読む
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