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心不全の病態生理

2019-03-07 | 勉強会
 
みなさん、こんにちは。
 
 
今回は心不全の病態生理についてみてみましょう。



心不全とはより末梢組織の需要に見合うだけの充分な血液を心臓が駆出できない状態です。



代償機序として、心室充満圧は上昇し、末梢組織・臓器にうっ血が現れる。


神経体液因子の異常もみられます。



心不全の代償機序として心臓の拡張・肥大、交感神経系亢進、RAA系賦活、vasopressin亢進、Na利尿ペプチド(ANP)上昇など神経体液因子を介した末梢循環調節機序が働き、血流配分がおきます。



脳・冠動脈などの重要臓器への血流は保持されるのに対し、皮膚、腎、腹部内臓への血流は著しく低下し、血液は肺にうっ血します。



このような血流配分は運動時に著明になり、特に骨格筋の血流増加は著しく制限されます(易疲労性、運動耐容能低下)。



血管収縮により皮膚温は低下し、腎血流の減少でNaの再吸収は促進され、腎機能は低下し尿量減少をみます。



内臓臓器の血流減少は食欲低下、腹部不快感、肝機能障害(うっ血肝、虚血障害)、右悸肋部痛などの症状を呈します。



息切れ、呼吸困難などの肺うっ血症状、骨格筋血流減少とエネルギー代謝障害による運動耐容能の低下は重症心不全の症状です。




写真 奄美

 

 

 

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