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浮腫の診療 その2

2016-12-16 | 勉強会

皆様こんにちは。前回に引き続き、浮腫について考えていきましょう。

 


R:ただ、顔面に出るタイプもありますね。

 


S:するどい指摘だね。

血管透過性の亢進を伴う病態では、重力に関係しないんだよ。

アナフィラキシー反応などでは、口唇や顔面全体に急速に出現する腫脹として現れるよね。

 


R:なるほど。

浮腫患者の診察で最初にチェックすべきポイントは何ですか?

 


S:浮腫の鑑別ではまず、両側性浮腫なのか片側性浮腫かを見分ける。

下肢であれば、浮腫が両下肢なのか片側下肢なのかをみる。

上肢であれば、浮腫が両上肢なのか片側上肢なのかをみる。

顔面や口唇に出現した浮腫では、両側性浮腫として扱う。

 


R:なぜ、両側性と片側性を見分けるのが重要なのですか?

 


S:一般的に、両側性浮腫は全身疾患によることが多く、片側性浮腫は局所の病変によることが多い

もちろん、このルールにも例外はあります。

たとえば、下大静脈分岐部より頭側のレベルにおける下大静脈閉塞病変(局所の病変)では、両側性浮腫となります。

 


・・・・・・・・・・・・・・Key Words・・・・・・・・・・・・・・

Budd-Chiari症候群

肝静脈より頭側での下大静脈閉塞病変。

局所の病変であるが、肝硬変と両下肢の浮腫、そして、腹壁表面を上行する側副静脈路が特徴。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

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