皆様こんにちは。前回に引き続き、浮腫について考えていきましょう。
R:ただ、顔面に出るタイプもありますね。
S:するどい指摘だね。
血管透過性の亢進を伴う病態では、重力に関係しないんだよ。
アナフィラキシー反応などでは、口唇や顔面全体に急速に出現する腫脹として現れるよね。
R:なるほど。
浮腫患者の診察で最初にチェックすべきポイントは何ですか?
S:浮腫の鑑別ではまず、両側性浮腫なのか片側性浮腫かを見分ける。
下肢であれば、浮腫が両下肢なのか片側下肢なのかをみる。
上肢であれば、浮腫が両上肢なのか片側上肢なのかをみる。
顔面や口唇に出現した浮腫では、両側性浮腫として扱う。
R:なぜ、両側性と片側性を見分けるのが重要なのですか?
S:一般的に、両側性浮腫は全身疾患によることが多く、片側性浮腫は局所の病変によることが多い。
もちろん、このルールにも例外はあります。
たとえば、下大静脈分岐部より頭側のレベルにおける下大静脈閉塞病変(局所の病変)では、両側性浮腫となります。
・・・・・・・・・・・・・・Key Words・・・・・・・・・・・・・・
Budd-Chiari症候群
肝静脈より頭側での下大静脈閉塞病変。
局所の病変であるが、肝硬変と両下肢の浮腫、そして、腹壁表面を上行する側副静脈路が特徴。
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