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浮腫の鑑別診断

2022-05-15 | 闘魂症例検討会

みなさん、こんにちは。

 

 

「浮腫」は食欲不振を呈する患者によく認められる。

 

これは、「血管外3rdスペース」、すなわち間質における過剰な体液の蓄積により、「腫脹」として現れる。

 

浮腫は体位による影響を受けることが多く、重力の方向で低い場所に生じる。

 

座位では足首、足背部や下腿前面にみられ、寝たきりでは仙骨部に現れる。

 

浮腫は通常、4~5リットル以上の過剰な体液が蓄積しない限り顕著とはならない。

 

浮腫の鑑別診断では、血管内容量とあわせて評価する必要がある。

 

「血管内低容量 intravascular hypovolemia を伴う浮腫」か?「血管内過剰容量 intravascular hypervolemia を伴う浮腫」か?の鑑別診断には、pit recovery time の測定が有用である。

 

浮腫をきたしている部分を指2~3本で1~2センチの深さで pit させ、pitting 部位がどの程度の時間で元に戻るかを測定する。

 

pit recovery time が長い(通常40秒以上)slow edema は、心不全などの「血管内過剰容量 hypervolemia を伴う浮腫」であり、pit recovery time が短い(通常40秒以内)fast edema は、そのほとんどが低アルブミン血症 hypoalbuminemia などの「血管内低容量 hypovolemia を伴う浮腫」である。

 

前回の症例呈示の全身浮腫患者は、ネフローゼ症候群により「血管内低容量」になっており、fast edema であることが予想される。

 

 

写真:沖縄本島南部、与那原町の海岸です。

 

 

 

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