燃えるフィジカルアセスメント

総合診療医徳田安春の最新医学情報集。問診、フィジカル、医療安全、EBM、臨床研究に強くなれます。

薬剤熱の機序

2017-08-17 | 勉強会
 
薬剤熱の発症機序リストを表に示します。
 


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

1.      過敏反応


2.      体温調節機能障害


3.      投与部位における局所反応


4.      薬剤の作用に伴う副次的反応


5.      特異体質反応

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 



このうち「過敏反応」が最も頻度が高く、一般的に薬剤熱という場合にはこの機序によるものを指す場合がほとんどです。




薬剤熱の多くで、III型アレルギー反応が関与しています(図)。


図:III型アレルギー反応

 


これは免疫複合体によるアレルギー反応で、組織に沈着した免疫複合体が化学伝達物質を放出させたり、補体を刺激して組織を攻撃させたりします。




その結果、発疹や蕁麻疹、粘膜潰瘍、臓器障害(肝・腎・肺)、血液異常なども併発することがあります。


粘膜障害を伴う重症型薬疹にStevens-Johnson候群があります。


この機序を起こす代表例は、抗菌薬、抗けいれん薬、アロプリノールなどです。

 
 
 
写真   ちゅらシム

 

 

 

対話編 ジェネラリスト教育原論 (コンソーシアムブック)
徳田安春
カイ書林

 

臨床推論の総論とピットフォールをマンガでサクッと1時間以内に習得できます。エキスパート診断医への一歩を踏み出すことができます。「マンガ臨床推論~めざせスーパージェネラリスト~」こちらも合わせていかがでしょうか。

 

好評のメルマガ「ドクター徳田安春の最新健康医学」の最新内容を厳選編集した本の最新版「知っておくと役に立つ最新医学2017パート2」が出ました。一般の方々の役に立つ最新医学知識を満載。グローバル・スケールでの先端医学のホットな話題もわかりやすく解説。特徴はテレビや新聞より早いグローバルな情報、科学的に正確なエビデンスに基づく情報です。

 

こんなとき フィジカル1と2」立ち読みできます。是非どうぞ。

 

科学的根拠に基づく最新医学情報とグローバル・スケールでの先端医学のホットな話題を提供し、わかりやすく解説します。メルマガ「ドクター徳田安春の最新健康医学」。2016年のメルマガまぐまぐ大賞「健康」部門5位に選ばれました。

 

徳田安春、荘子万能の「徳田闘魂道場へようこそ」こちらポッドキャストにて配信中、是非お聴き下さい。

 

一般向け健康情報ブログ「総合診療医からの健康アドバイス」。こちらもご覧下さい。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 薬剤熱を起こす頻度の多いクスリ | トップ | 薬剤熱の稀な機序 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

勉強会」カテゴリの最新記事