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前回のケースの考察:脳静脈血栓症とは

2020-10-13 | 闘魂症例検討会
みなさん、こんにちは。
 
 
本症例は来院時、後頚部痛のみであり緊張型頭痛と診断後、痙攣発作後に脳静脈血栓症と診断された。
 
 
 
脳静脈血栓症は妊娠、経口避妊薬内服、血液凝固疾患等に続発して発症することが多いといわれ、85%は何らかの凝固異常を有しているといわれる。
 
 
発症様式は、急性、亜急性、緩徐進行型とさまざまである。
 
 
頭痛は90%の症例で生じるといわれ、時にくも膜下出血に似たような激烈な症状となることがある。
 
 
局所神経症状は44%に認め、痙攣発作は3040%に認める。
 
 
 
今回の症例、初診時は特記すべき身体所見なく、頭痛の訴えのみであった。
 
 
頭痛の性状として臥位になると痛みがほぼ消失するなど緊張型頭痛と診断するには非特異的な症状であった。
 
 
 
文献的で調べた範囲内では臥位で脳静脈血栓症の頭痛症状が改善するという報告はなかったが、立位で脳静脈がけん引されて頭痛を生じた可能性はある。
 
 
タダラフィルに関しては血管拡張作用があり肺高血圧症などの治療にも使用されている。
 
 
しかしながら、血栓形成傾向のない患者で肺塞栓症、脳梗塞を生じた症例、プロテインC欠損症患者がタダラフィル内服後に肺塞栓症を引き起こした症例報告がある。
 
 
 
今回の症例は抗カルジオリピン抗体が陽性であり、来院時APTTが低値であるなど何らかの先天的な凝固異常を伴っていたか、タダラフィル内服によって血栓形成傾向となった可能性がある。

 

写真:沖縄本島南部、南城市の知念海岸

 

 

 

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