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総論 総合診療医のための感染症種類別抗菌薬使用期間ガイド

2016-09-18 | 勉強会
総合診療医のための感染症種類別抗菌薬使用期間ガイド
 
 
 感染症と菌の種類別の推奨使用期間について表に示す( サンフォードその他を参考に作成)。

 これらはあくまでも推奨期間の目安。

 実際には、 患者の全身状態、食欲、バイタルサイン、局所所見、画像、検査(ただしCRPにのみ依存してはならない!) などを総合的にみながら臨床判断する。

 尿路感染症のうち、 膀胱炎の治療は3日間の推奨なので、de- escalationを行うことはないだろう。
 
表:感染症と菌の種類別抗菌薬使用期間推奨
感染症の種類
抗菌薬推奨治療期間
A群溶連菌性咽頭炎
10 days
中耳炎
5-7 days
副鼻腔炎
10-14 days
<尿路感染症>
 
膀胱炎
3 days
腎盂腎炎
14 days
<市中肺炎>
 
Streptococcus pneumoniae
7-10 days(または解熱後3日間)
Hemophilus influenzae
10-14 days
Mycoplasma pneumoniae
7-14 days
Legionella
7-21 days
Chlamydophila pneumoniae
7-14 days
PCPAIDS患者)
21 days
肺膿瘍
4-6 weeks
<院内肺炎(医療関連肺炎>
 
ブドウ糖非発酵菌性肺炎*
14 days
上記以外の院内肺炎
7 days
<髄膜炎>
 
Streptococcus pneumoniae
10-14 days
Neisseria meningitidis
7 days
Hemophilus influenzae
7 days
Listeria moncytogenes
21 days
<心内膜炎>
 
α-Streptococcus 
4 weeks
Staphylococcus aureus
4-6 weeks
<カテーテル関連血流感染症>
 
CNS
5-7 days
Staphylococcus aureus
4-6 weeks
Enterococcus spp.
7-14 days
GNR
7-14 days
Candida spp.
血培最終陰性から14 days
<その他の感染症>
骨髄炎
4-6 weeks
腹膜炎
10-14 days
Clostridium difficile感染症
10-14 days
<肝膿瘍>
 
細菌性肝膿瘍
4-8 weeks
アメーバ性肝膿瘍
10 days
<その他の感染症2>
蜂窩織炎
局所炎症消失後 3 days
骨盤内炎症性疾患
14 days
Pseudomonas spp.Burkholderia spp.Acinetobacter spp.Stenotrophomonas spp.Chryseobacterium spp.Achromobacter spp.

 

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