総合診療医のための感染症種類別抗菌薬使用期間ガイド
感染症と菌の種類別の推奨使用期間について表に示す( サンフォードその他を参考に作成)。
これらはあくまでも推奨期間の目安。
実際には、 患者の全身状態、食欲、バイタルサイン、局所所見、画像、検査(ただしCRPにのみ依存してはならない!) などを総合的にみながら臨床判断する。
尿路感染症のうち、 膀胱炎の治療は3日間の推奨なので、de- escalationを行うことはないだろう。
表:感染症と菌の種類別抗菌薬使用期間推奨
感染症の種類
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抗菌薬推奨治療期間
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A群溶連菌性咽頭炎
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10 days
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中耳炎
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5-7 days
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副鼻腔炎
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10-14 days
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<尿路感染症>
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膀胱炎
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3 days
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腎盂腎炎
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14 days
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<市中肺炎>
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Streptococcus pneumoniae
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7-10 days(または解熱後3日間)
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Hemophilus influenzae
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10-14 days
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Mycoplasma pneumoniae
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7-14 days
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Legionella
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7-21 days
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Chlamydophila pneumoniae
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7-14 days
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PCP(AIDS患者)
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21 days
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肺膿瘍
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4-6 weeks
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<院内肺炎(医療関連肺炎>
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ブドウ糖非発酵菌性肺炎*
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14 days
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上記以外の院内肺炎
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7 days
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<髄膜炎>
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Streptococcus pneumoniae
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10-14 days
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Neisseria meningitidis
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7 days
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Hemophilus influenzae
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7 days
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Listeria moncytogenes
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21 days
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<心内膜炎>
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α-Streptococcus
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4 weeks
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Staphylococcus aureus
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4-6 weeks
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<カテーテル関連血流感染症>
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CNS
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5-7 days
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Staphylococcus aureus
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4-6 weeks
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Enterococcus spp.
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7-14 days
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GNR
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7-14 days
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Candida spp.
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血培最終陰性から14 days
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<その他の感染症>
骨髄炎
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4-6 weeks
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腹膜炎
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10-14 days
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Clostridium difficile感染症
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10-14 days
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<肝膿瘍>
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細菌性肝膿瘍
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4-8 weeks
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アメーバ性肝膿瘍
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10 days
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<その他の感染症2>
蜂窩織炎
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局所炎症消失後 3 days
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骨盤内炎症性疾患
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14 days
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*Pseudomonas spp.、Burkholderia spp.、Acinetobacter spp.、Stenotrophomonas spp.、Chryseobacterium spp.、Achromobacter spp.
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