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総論 静注抗菌薬と内服抗菌薬

2016-09-20 | 勉強会

静注抗菌薬と内服抗菌薬

 

 最近、静注から経口抗菌薬へのスイッチについての研究はふえてきている。

 米国では入院費用が高いからであろう。

 一般に表19の状態になった場合に経口薬に変更できる。

 

表19:静注から経口抗菌薬へのスイッチの基準 

1)臨床的改善(バイタルサイン安定,局所所見の改善、直近24時間は無熱)

2)薬物摂取が可能・胃腸管が正常に機能

(経管栄養時の抗菌薬安定性は薬剤師へコンサルト)

3)血行動態(血圧、心拍数、呼吸数)が安定・白血球正常(4000~12000)

4)静注必須感染症(深部膿瘍、骨髄炎、関節炎、心内膜炎、異物感染など)ではない

   

 内服抗菌薬の選択は、使用していた静注抗菌薬の抗菌スペクトラムを満たし、かつ腸管吸収率bioavailabilityが良好なものを選択する。

 静注と内服の両方の薬剤がある抗菌薬ではそのままスイッチすればよい。

 表20に静注抗菌薬・内服抗菌薬の対照例を示す。

 腸管吸収率のデータについては前の頁を参照。

 

表20:静注抗菌薬・内服抗菌薬の変換例

静注抗菌薬

内服抗菌薬

ABPC

AMPC

ABPC/SBT

AMPC/CVA

CEZ

CEX

VCM

MINO

CTRX

LVFX

Aminoglycosides

CPFX

PIPC/TAZ

LVFX + METROまたはAMPC/CVA + CPFX

 

 

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