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吉田 昌郎さま、ご冥福を祈り申し上げます

2013-07-10 22:57:50 | 日本の被災対応

2013年7月9日(火)、一人の英雄が亡くなりました。

2011年3月11日、想定外とされた大震災によって混乱する現場で、原子力発電施設の壊滅的な暴走事故を防ぐために残り続け、Fukushima50 と諸外国から称賛された現場チームを陣頭指揮した、吉田昌郎(元 東京電力福島第一原子力発電所所長)さんが亡くなられました。

心よりご冥福を祈ります。


【 吉田 昌郎 さまへ 】

吉田 さん、あなたは私にとって、現代の英雄です。

電力会社だけでなく、国のどの行政機関さえ想定していなかった震災現場において、日本と国民を守り続けた英雄です。

混乱した電力会社本社と対峙し、責任を回避しようとする国・行政機関の圧力に負けず、無理解・無関心な国民やジャーナリズムを顧みず、ただひたすらに命を張って守り続けた英雄です。

こんなに早く逝かれた原因は、食堂ガン発症のためとの事ですね。
会社側も行政側も、口裏を合わせたかのように、「事故による被爆が原因で発症した可能性は極めて低い」とのコメントを出していますね。

でも、事故発生当時はあんなにも恰幅の良かったお姿だった事を思えば、私達は誰でも理解できますよ、「現場での過酷なストレスが無ければ・・」、「現場だからこそ、多項目にわたる健康診断をキメ細かく行なっていたら ・・」、こんなに短命で終える事もなかった事を。

あなたには、もっと長生きして欲しかった。
そして、十分な年月が経ち、あの震災事故をヒステリックに捉える雰囲気が薄れた時、一個人として当時の事を述懐して欲しかった。

それが、より正確な被災対応を検証する礎の一つになるでしょうし、何よりも、あなたに続いて立つ人を生み出す力となったでしょう。

でも、おやすみなさい。
あなたは十分に、人並みの何倍も何十倍以上に歯を食いしばって働き続けたでしょうから。

あなたの偉大さは、残る Fukushima 50 の方々以外、多くの方々に認識され記憶に残り続けます。
そして、あの世であなたに会える機会がある事を、今から願い、楽しみにしています。


【 関連参照記事 】

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MSN産経フォトより 「 現場での吉田氏の姿 2011年5月30日撮影 」
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