世界各国の感染状況は、人口あたりの新規感染者数【感染密度】で比較しなければ、その被害の深刻さの違いは見えません。【感染密度】は、人口1億人あたり日別・新規感染者数を一覧表で示し、深刻度が高くなっている程に欄を濃い色で塗り分けています。
【 欧州 】
欧州、特に東欧からバルカン半島諸国にかけての国々で感染拡大が続き、世界全体での拡大に大きく影響していますが、欧州各国によってその感染変化の状況は異なります。
比較的抑制に成功している国は、英国とアイルランド、ポルトガルにスペインなどで、抑制できず拡大を続けている国は フランスからドイツ、オランダ、デンマーク、オーストリア、そして 東欧のポーランドやハンガリーでは西欧以上に深刻で、そこから セルビア や クロアチア、ブルガリアなどのバルカン半島諸国が一向に拡大が止まっていません。
海外報道では西欧諸国の話題に焦点が当たりますが、実際には 東欧からギリシャ、バルカン諸国での感染の方が医療水準などを勘案すれば遥かに深刻です。
【 中東 】
唯一、感染抑制に成功して感染者数を大幅に減らす事に成功した国は、世界で最も人口あたりの接種回数が高いイスラエルです。同国は 昨年中旬に アラブ国・UAE との国交を開く準備を進めていた頃から感染者数が一気に増え始め、昨年末には深刻な状態に迫っていましたが、世界で最も実質的なワクチン獲得に成功した国になりました。一方、隣のパレスチナでは感染拡大が収まらず、ワクチン獲得処理の件と含めて国際的な話題として残るでしょう。
そのイスラエルと国交開設した UAE は 昨年中期には深刻な感染状況に陥っていて、イスラエルと同様に 人口あたりの接種回数では 世界 2位を誇っていますが、イスラエルとは異なり感染抑制の結果は出せていません。原因は不明ですが、獲得したワクチンのメーカーがイスラエルとは異なる（特に中国製）事も影響が出ている可能性もあります。 また、UAE の隣国 バーレーンやオマーン、クウェート などの諸国は昨年中期以降の高い感染密度が続いています。
そして、イスラエルの隣国・トルコでは先週からの感染拡大が収まらず、更に拡大し続けてフランスやオランダなみの深刻な状況に陥っています。
【 北米 】
3週間前まである程度の抑制に成功していた米国とカナダでは、ここ2週間の感染状況は、3週間前までは抑制が進んでいましたが、最近ではワクチン接種が進んでいるにも関わらず、明らかに感染拡大をし続けていて、その拡大変化が米国以上に大きなカナダでは政府と国民共に不安な情勢になっていると推測できます。
この拡大の原因は、欧州で高い感染率が確認されている “変異株” の浸透・拡大が大きく影響している様に思われます。
【 中南米 】
メキシコなど中米諸国は比較的感染抑制が成功していますが、【感染密度】は日本の 4倍程度と決して安心できる状況ではありません。 が、それ以上に心配なのは南米諸国です。特に ブラジルとその隣国・アルゼンチンやパラグアイ、ウルグアイ、ペルーでは感染拡大が止まらず、COVAXを利用しても獲得できないワクチン問題と併せて、北米以上に南米諸国を世界は注視すべきなのは間違いありません。
【 東アジア 】
この地域は全体的に感染は抑えられていますが、インドは抑制が効かずズルズルと拡大の谷へと落ち込み続けています。約 13億の人口の為に多くの感染者を生む事になって世界的なニュースに挙げられていますが、実際にはそれ以前からフィリピンの方が深刻です。が、【感染密度】で見れば、モルディブが インドやフィリピンの 10倍近い フランスと同程度に深刻な状況が続いており、医療レベルなどを考えれば 世界はもっと注目すべきです。
【 アフリカ 】
以前から数多くの感染症で悩まされ続けたアフリカ諸国ですから、世界各国もアフリカでの感染拡大を懸念していましたが、殆どの国で感染の拡大は抑えられています。
なお、記載している国順は、A表では主要な国を、その他 B～H表にはラフですが地域別に分けています。また、情報出典元の OCHA とは「国際連合人道問題調査事務所」（ https://www.unocha.org/ ）の事です。
New infection case per popuration by country and day A~H
出典 ： ＃OCHA
＃COVID19
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