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新型コロナウイルス、都道府県別、週間対比・感染被害一覧表 (4月23日現在)

2021-04-24 21:58:39 | COVID-19 国内状況

 新型コロナウイルスによって受ける影響は、都道府県によって人口や感染密度が異なる為、単純に感染した人の人数を比較してみても実感とは異なります。そこで、都道府県別に、新型コロナウイルス禍に 新たに感染した人の人数 と 前週と比較した増加率、そして 都道府県の人口あたりの増加した感染者数割合などを一覧表にまとめています。特に 被害と影響が悪い箇所は黄色で欄を塗り、良い結果を出している箇所は薄いピンク色で欄を塗って識別しています。
    
都道府県別の感染被害を人口対比や週間対比で示した一覧表を見れば、色分けした欄で見れば明らかですが、昨年末までの様に東京など関東圏とか関西圏などに区切って考えるのは適していない事が明らかです。
例えば、人口当たりの新規感染者数を示す【 感染密度 】を見れば、大阪府の数値は 東京都が 1月中旬に記録した深刻な数値と同レベルが 2週連続で続き、大変に深刻な状況のままだと分かりますが、関西・大阪地区以外での感染拡大と重症者増加による深刻な状況になっている県が全国各地にある事が見えてきます。

 

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先ず、関西地区を見れば、大阪府と兵庫県に続いて奈良県が2週連続で黄色と深刻で、人口あたりの感染者増加割合も同様に奈良県も高い感染増加率になっている事が明らかです。但し、奈良県自体は その深刻さへの対応を緊急事態宣言等に求めていない事が気掛かりです。人口数が 約 2倍の京都府の新感染者数は注目されて緊急事態へとなっていますが、実際には 奈良県の方が 医療体制等を考慮しても京都府以上に深刻であると推測されます。
更に、これと同じ傾向は沖縄県も同様で、奈良県以上に深刻な状況へと 2週連続で向かっている沖縄県も同様な対策は必須と思われます。
    
更に、この感染症で最も難しく、対応策のボトルネックとなっている 重症者医療体制ですが、人口あたりの 重症者数の増加度を見れば、2週連続で最も悪い値を記録している 和歌山県 の状況が大変に心配です。

同様な見方をすれば、2週連続で新規感染者数の増加レベルが高い 徳島県など、黄色に塗られた欄や 赤文字を確認するだけで、既に 全国各地で “変異株” の影響は表れていて、メディア報道においても、単に 新規感染者数の多寡だけで深刻度を図るのではなく、人口や増加度なども含めた正当な判断や対処が求められている事を忘れてはなりません。

  
  
出典 : 厚生労働省
#COVID19


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全日本 新型コロナウイルス 治療中および重症患者数など、一週間毎の増加数動向 (4月23日現在)

2021-04-24 21:40:59 | COVID-19 国内状況

フランスを始めとした欧州各国で急激な感染拡大の原因と言われる “変異株” ですが、それと同時期の 2月初旬、グラフの赤色線で示した治療中患者数の変動傾向からも明らかな様に、日本でも “変異株” による感染拡大がはっきりと出ています。そして、現在も感染の急拡大の波から逃れられていません。
    
グラフの青色線は、新たに感染者として確認された人数の変動を表していて、メディアが報道する新規感染者数の変動の様子そのものです。が、実際に問題となるのは、治療中の方の人数の変動ですから、赤色線の変動の仕方の方がずっと重要です。
例えば 昨年11月下旬、“変異株” による影響が限定的で、各医療機関の方々の尽力のお蔭で治療中の方の人数の増加が抑えられて、それは 青色線との間隔が開いている事からも判ります。そして、遅れて発出された第2回目の緊急事態宣言の効果から、1月中旬から 青色線も赤色線も一気に右下下がりになり、状況が好転している事を示しています。
    
しかし、今回の 第3回目の 緊急事態宣言で同様な抑制効果が発揮できるかは、このグラフを見る限りでは、疑問が残ります。というのも、3月下旬以降、青色線と赤色線との間隔は狭く、治療中の患者数を抑え切れていな状態での緊急事態宣言だからです。
第2回目の緊急事態宣言が出される前には、医療機関では一定以上の余力があったのですが、今回のは 余力が無い状態のままでの緊急事態宣言である事をグラフは示しており、今後の経過は前回と同様なグラフを描かないだろうという推測ができるのです。

 

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既に、各方面からも指摘されている通り、この感染症に対する日本の医療体制は脆弱です。世界各国との比較をすれば、フランスを始めとする欧州各国の【感染密度】は、ロックダウンなど行動規制を行なった上で 今の日本の【感染密度】の 4倍ですが、そんな状態で 2ヶ月近く継続させた上で、ワクチン接種を並行して行なっている現状を見るだけでも明らかです。

世界各国との比較において、ワクチン接種開始の遅れと接種数の少なさについて、政府トップは「ワクチン認可には国内治験が必要」とか「接種業務には筋肉注射経験のある医療免許取得者に限る」ためだと説明していますが、「国民の命を守るため、緊急事態です」という言葉と大きな矛盾を感じる人も少なくないでしょう。
何故なら、ワクチン認可に必要な日数や、接種業務が可能な現役の人の人数は 一年以上前から分かっている事だからです。仮に、「一人の命でも多く守るため」という意志が真実ならば、国会と国民に事情を説明して、緊急事態に合わせた特例措置法として立法を図る事も可能だった筈ですが、一切、その動きが見えなかったからです。( 首相官邸 発SNS も同様ですが ・・)

或いは、完全に出遅れた PCR検査の検査可能数を一気に増やして、個人が希望すれば気軽に様々な場所で検査を受けられる様にする事で、一人ひとりの 感染に対する意識を高めて、無自覚な感染者を減らす事も可能だったでしょう。
仮に、PCR検査自体が複雑なシステムと試薬が必要な為に数量を増やせないのなら、昨年中期には世界各国で広く流通していた、抗原検査 または 抗体検査 の一般導入も可能だった筈です。 が、医療業務を担当している 医学界からの要望に合わせて、希望すれば誰もが病院を通して自身の健康を確認できる体制を作れた筈ですが、それも行なわれていません。
  
PCR検査の充実や医療機関と政府行政との間で一体的に対応が進められないならば、せめて、全国の人口密集地域での下水PCR検査と、それと並行して “変異株” 検査を行なう体制を整えていれば、感染拡大となる以前に兆候が確認できて、現在よりも素早い対応を採れるのは間違いありません。
しかし、懸案の “変異株” 検査については 自治体依存で、1月頃には検体数も多く検査を行ない、その結果をすぐに公開している自治体が称賛に値します。 検体数が少なくて報告様式も異なる自治体との結果を同じテーブルの上で評価している現状では、“変異株” の状況を正確に把握できる筈はない事は明白な事ですから、本来であれば 国家行政が担うべき業務であり責任だと思います。

最後に、『 感染対策省(庁)』の設立を求める提案をします。それは、新型コロナウイルス禍に関する 政府担当者の方が多過ぎて、所属や役職も異なり、どの方の言葉を主体に受け留めればよいか全く分からない人が多数だと確信できるからです。
本来ならば、厚生労働省の業務だと考えるのが普通だと思いますが、昨年前半の反省があるのか、内容によっては 総務省が、そして 経済復興大臣職の人が、更には ワクチン担当の大臣がと、まるでバラバラにメッセージが出されている状態だから、理解し難くて、医療の状況や感染の深刻な状況などの理解が浅く、感染抑制の妨げになっていると確信しています。また、こういう時期、[ こども庁 ]設立法案を提出する動きをしている与党であれば、それに先行して 『 感染対策省(庁)』の設立法案を提出される方が、よっぽど納得する国民も多いでしょう。

  
どちらにしても、相手はウイルスですから 今後の事ははっきり見えてきません。更には、更に新しい “変異株” は 確実に生まれて流行しますし、現行のワクチンがどこまで効果を発揮できるかも不明ですが、小さな事から早目はやめに行動へ移しくいく事に意識を集めていきましょう。



出典 : 厚生労働省
#COVID19


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