今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

フォックスフェイス

2010-10-29 | ひとりごと
気まぐれに10月29日に関連のある面白い記事を・・・とネットで検索していたら、今日の誕生花は「フォックスフェイス」だというのがあった。そして、花言葉は「偽りの言葉」だというのである。(以下参考に記載の※1:「366日・誕生花の辞典」参照)。ただ、本当にこの日の誕生花に「フォックスフェイス」があるか、他も色々検索して確認してみたが、ここ以外に見当たらなかった。だから、フォックスフェイスが今日の誕生花かどうかは私には判らないが、たまたま散歩のときに、この面白い形をした果実を見て写真を撮ったものがあったたので、ちょっと肩の凝らないひとりごとを書いてみようと言う気になった。
黄色いレモンのような形をした果実が面白いこの植物は、熱帯アメリカ原産のナス科ナス属の植物で、高緯度の日本では園芸上は一年生植物として扱われているが、原産地では非耐寒性小低木で実際には冬を越すそうだ。
ユーモラスな形の実が、キツネの顔に似ていることから「フォックスフェイス」(Fox face)の名があるが、和名は「ツノナス」(角茄子、Solanum mammosum)。それは写真に見られるような果実に小さな黄色の卵形に角状の突起のあるナス科ナス属の植物だから。フォックスフェイスはどうも和製英語らしい。他にも「キツネナス(狐茄子)」やカナリアがとまっているように見えることからカナリアナス(金糸雀茄子)などとも呼ばれるようだ。
ナス科ナス属の植物だけに、8月ごろ咲かせる紫色の可愛い花はナス(茄子。なすび)の花とよく似ている。10月~11月にかけて実がなり、緑色~黄色~オレンジ色へと変化してゆくらしい。ただ、実だけではなく、全草が有毒(ソラニンなどのアルカロイド)なので、食べる事はできないそうだが、見た目はおいしそうに見える。又、薬用(ホメオパシー)として利用されるようで、使い方では薬にもなるという(以下参考の※2:「花とパンとお散歩と: ナス科」)。
兎に角、形が面白いので、最近は生け花などの花材として使われたりしているようで、私が撮った写真を家人に見せるとよく知っていた。花屋さんで売られているときには、冒頭の写真のように、葉や余分な枝は取り除いてあるので、そのまま飾っていても、水も必要なしに2ヶ月ぐらいもつのだという。また、最近は、ヨーロッパを起源とする民族行事ハロウィンパーティーなどが日本の家庭でも盛んに行われているようだ。ハロウィンは、カトリックの諸聖人の日(万聖節)の前晩(10月31日)に行われるが、最近は、花屋などにハロウィンの飾り物コーナーがあり、フォックスフェイスが置かれていると家人から教えられた。そう言われれば、冒頭掲載写真の家の玄関ドアには、カボチャをくりぬいた形の既成のプラスチック製のカボチャちょうちん(ジャック・オー・ランタン )とその前に(ペポカボチャ C. pepo、 別名:オモチャカボチャ)などの飾り付けが見られる。
ハロウィンのジャック・オー・ランタンはオレンジ色の西洋カボチャで作られるらしいが、主に飼料用などの種類にあたり「人が食べる前提」の品種改良をしていないもので、食べられなくはないが、通常我々日本人がカボチャに対して思い描くような「ほっくりとして甘い果肉」ではなく、水っぽく甘みもない余りおいしくないものだそうだ。
話は元に戻るが、和名ツノナス(角茄子)英名:フォックスフェイスは英語ではnipple fluit(ニップル・フルーツ)、また、apple of Sodom(ソドムの林檎)などと呼ばれるという(Wikipedia)。
ところで、1966(昭和41)年のアメリカとイタリアの合作映画『天地創造』(The Bible: in the Beginning。)を観られたことがありますか(映画に事は以下参考に記載の※3:「天地創造 - goo 映画」を参照)。
映画は、『旧約聖書』の創世記、1章の天地創造から22章のイサクの生け贄までを描いたスペクタクル巨編。創世記において神が最初に作った人類の始祖であるアダムとイブは決して口にしてはならないと禁じられていた知恵の樹の実(禁断の果実)を口にして知恵を得た代わりに神の戒めを破ったとして2人はエデンの園を追放される。そして地に悪徳がはびこった時、神は世界を水で洗い流すことを告げる……。聖書にそって、ノアの箱船バベルの塔ソドムとゴモラの滅亡などのエピソードが展開されていく。
西洋におけるリンゴ(林檎)は、果物の代表で果物と同意語に使われているそうだ。そして『創世記』には何の果実であるかという記述はないが、一般的にこの” 知恵の樹の実”は果物であり、リンゴであるとされているいようだ。
ヘビ(ルシファーの化身)にそそのかされ禁断の果実を食べたアダムとイブは自分たちが裸であることに気づいて、イチジクの葉で下半身を隠すようになる。イチジクの漢字「無花果」の字は、花を咲かせずに実をつけるように見えることに由来するそうだ。通常の植物は果実が完成してから花が咲くが、いちじくは果実が未熟なうちに花が咲く。

上の画はフーゴー・ファン・デル・グース の『人間の堕落』
「禁断の果実」という語は、不法・不道徳・有害な快楽や耽溺を表すメタファー(metaphor、隠喩〔いんゆ〕、暗喩〔あんゆ〕)として使われており、特に、人間の性に関連する快楽に関連付けられているようだ。
英語の「nipple fluit(ニップル・フルーツ)」は乳頭に似た果実の意であり、なにか、私には、毒気があり食べられない和名「ツノナス」を艶めかしくニップル・フルーツとなど呼ぶのは、食べてはいけない「禁断の実」を表しているように感じられるだが・・・。
もう1つの英語名「apple of Sodom(ソドムの林檎)」のソドムも旧約聖書の『創世記』に登場するソドムとゴモラの町である。ソドム(Sodom)は、死海南端付近にあったと伝えられ、その住民の罪悪のために、ゴモラの町とともに神の火に焼かれて滅びたという。ソドムの罪については、古来、『創世記』19章前半、特に19章8節のロトの提案内容((以下参考に記載の※4 :「旧約聖書」のここ参照))などから推察して、甚だしい性の乱れが最大の原因であったとする見解が一般的なようである。goo辞書を見ると、英語のソドミー【sodomy】は、「男色や獣姦(じゅうかん)など、自然に反した性愛を言い、旧約聖書に記された、悪徳の都市ソドムにちなむ称」とある。
天使よりヤハウェがソドムとゴモラを滅ぼすことを決定したことを事前に伝えられたロトは夜が明ける前にロトの妻と2人の娘を伴ってソドムを脱出し、近隣の都市ツォアル(ベラ)へと向かう。逃げる際に「後ろを振り返ってはいけない」と指示されていたが、ロトの妻は後ろを振り返ってしまい、「塩の柱」となる。これは、変態や腐敗の暴走に振り返ってはならないというメタファーで、自己本位なエロスに負けてはならないということなのだろう。
しかし、その後、ロトらは山中の洞窟に移住したが、ここで娘たちは父を酔わせ、父によって男子を1人ずつ生んだ。長女の息子は「モアブ(父親より)」と名付けられモアブ人の祖となり、また、次女の息子は「ベン・アミ(私の肉親の子)」と名付けられ後にアンモの人々の祖となった・・・というのだから、これはもう近親相姦もよいところであり、聖書の世界も結構エロスの世界だよね~。

上の画像は『洞窟の中のロトと娘たち』
『天地創造』の映画でも、ソドムの街の映像では性と倫理の腐敗がリアルに描かれている。不倫、獣姦、売春婦や同性愛者の群れが満ちあふれている。神はこれを失敗作だとして爆破するのだが、「ソドムの林檎」は、そのような失望と堕落の象徴としての林檎であり、「花も咲いて実もなるが、食べられない林檎」のメタファーのようである。花言葉の「偽りの言葉」もぴったりだね。
和名「ツノナス」(角茄子)を見て、旧約聖書を思い浮かべるなんてちょっと粋じゃない・・(^0^)
以下参考に記載の※4:「聖書を読んでみよう」では、クリスチャンではない人も聖書を読めるように、やさしく解説しているので、妙味のある人は覗いてみるとよい。
(挿入画像の『人間の堕落』と『洞窟の中のロトと娘たち』はWikipediaより)
参考:
※:1366日・誕生花の辞典
http://www.366flower.net/2006/10/post_393.html
※2:花とパンとお散歩と: ナス科
http://holidaze.blog.eonet.jp/memo/cat3739912/index.html
※3:天地創造 - goo 映画
http://movie.goo.ne.jp/movies/p6152/index.html
※4:「聖書を読んでみよう」
http://www.nunochu.com/bible/
植物園へようこそ!
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/BotanicalGarden/BotanicalGarden-F.html
ソドムとゴモラ- Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BD%E3%83%89%E3%83%A0%E3%81%A8%E3%82%B4%E3%83%A2%E3%83%A9
林檎?
http://www8.ocn.ne.jp/~obe/ringo_folder/ri_p3.html
※4 :旧約聖書
http://elbaal.hp.infoseek.co.jp/old-tes.htm
旧約聖書とは
http://www.asahi-net.or.jp/~zm4m-ootk/kyuyaku.html
聖書の杜
http://bible.monochro.com/
悪はどう表現されてきたか。
http://web.ias.tokushima-u.ac.jp/ob/culturescomparees/tajima/20100427.html