今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

くいしん坊!

2010-10-30 | ひとりごと
ここのところのTVなど見ていると、“バラエティー”か“クイズ” 番組、それに“料理“や“食べ歩き”の番組が主流であり、最近特に多く目に付くのが“食べ歩き”番組の方である。
このような日本各地の名物料理などの食べ歩きで思い出されるのが「くいしん坊!万才!」というTV番組である。
キッコーマンの提供で1974(昭和49年)年10月、田村魚菜をリポーターに放送が開始された。毎回、全国各地を訪ねて、その町の歴史や人々の 暮らしにふれあい、郷土料理や特産物、 名産品などの食べ物を 味わいながら、「食べる事の喜び、楽しさ」を伝えてきた。この放送は5分間というミニ番組ながら、長寿番組となっているが、当初は日曜から金曜までに放送されていたが、放送される曜日が年々減り、現在では月曜のみの放送となっている。
くいしん坊万歳の歴代リポーターも、初代の田村魚菜 2代目渡辺文雄(1975年~1977年)以降、現在は12代目松岡修造(2000年~)となっているが、フジテレビ公式サイトでは、田村降板後の1975年6月を初回としており、従って、リポーターも渡辺が初代で松岡は11代目としている。
リポーターは当初はインテリや食通がしており、なかなか味のある番組で楽しく、私もよく見ていたが、9代目(フジテレビ公式サイトでは8代目)の辰巳琢郎(1991年~1993年)以降は殆ど見なくなった。
同じフジテレビ系列でのバラエティ番組『ウッチャンナンチャンのやるならやらねば!』の中での 「子丑虎卯辰巳琢郎(ねうしとらうたつみたくろう)のくいしん坊!万々歳」は 辰巳琢郎が出演していた『くいしん坊!万才』のパロディ。他番組でパロディが作られるほど人気があったということ。
オープニングのテーマ曲(作曲者不明)も軽快で楽しいが、、辰巳琢郎時代のオープニングは、テーマ曲が変更となりリポーターのアニメーションも辰巳の顔部分だけ実写だった。
ちょっと見てみる。ここ ⇒ YouTube - くいしん坊!万才 OP集
ちなみに、放送開始以来スポンサーを務めるキッコーマンの子会社「キッコーマンデリカ」は、この番組に因んで総菜・弁当店「できたて惣菜 くいしん坊 万才!」をつくっている。
今日このブログで、「くいしん坊」のことを書こうと思ったのは、このキッコーマンデリカの設立日が1997年(平成9年)の今日・10月30日であったから。
この放送が始まった1974-5年と言えば、1965年11月~1970年7月にかけて4年9か月続いた好景気「いざなぎ景気」が衰退した頃である。せめて、景気よく全国各地を旅行して美味しいものを食べてもらおうと言うことか・・・。
しかし、最近は、特にこのような“食べ歩き”の番組がやたらと増えたね~。タレントなどが各地を訪ねてはいろいろな料理を味わい?ほんのひと口食べては目を丸くして「美味しい!」とか「まいうー!」とか言っている。特に食べることの好きなインテリとか食通とかと言った人たちではなく、何の芸があるのか判らない“芸能人”(以前朝日の天声人語に、「芸人に「能」がついて芸がなし」との揶揄があった)が、特に気の効いた解説をするわけでもなくただ「美味しい!」とだけ言って遮二無二喰べるようになったのはいつ頃からのことだろうかね~。
くいしん‐ぼう【食いしん坊】をgoo-国語辞書で調べると、「食い意地が張って、むやみと食べたがること。また、そういう人や、そのさま。」・・とある。最近の“食べ歩き”は、まさに、この国語辞典の意味するところの「くいしん‐ぼう」を推奨しているのだろうか・・・。
先日(2010年10月19日)、フランスのタイヤメーカー「ミシュラン」がレストランや宿泊施設を格付けする「ミシュランガイド京都・大阪・神戸2011」の掲載店を発表した。今年から新たに我地元・神戸が加わり、神戸と芦屋、西宮3市のレストラン49店と旅館1店に一~三つ星が与えられた。兵庫県内で三つ星を得たのは、神戸市中央区の現代風スペイン料理「カ・セント(Ca sento)」と、西宮市の日本料理店「子孫(こまご)」。また、神戸では3店のステーキハウスがランクインし、うち、中央区中山手通2の麤皮(鹿が3つと皮と書いてあらがわと読む。)は、ステーキハウスとしては世界で初めての二つ星獲得だという。同ガイドの総責任者、ジャン・リュック・ナレ氏は「神戸ビーフの質は素晴らしい。(選ばれたのは)神戸ならではだ」「生きてきた中で一番美味しい牛肉だった。もっと世界に知られて良い店だ」といっているという(10月20日朝日新聞朝刊)。なお、三田牛を使った神戸ステーキのあらがわの公式ホームページ はここ
1868年1月1日(慶応3年12月7日)の神戸開港以来、神戸は西洋文化に触れ西洋料理の良い店が多くあったが、1995年(平成7年)1月17日(火)に発生した阪神淡路大震災以来、他の地へ移転や廃業をした店も多い。又、再建を断念したものの細々とやっている隠れた名店もあるわけだがそのような店は当然対象とならず、フランス料理店では、選ばれたのは3点にとどまった。
料理を作っているシェフにとって、ミシュランガイドに掲載されることは名誉なことであり、励みにもなるだろう。しかし、京都の老舗などでは、このような本に掲載されることによって、一元さんの客が押し寄せ日頃より贔屓にしていただいている上得意様に迷惑をかけたくないといって掲載を断っているお店も多いようだ。私など、そのようなお店の心意気に心を打たれる。
このようなミシュランガイドに載るような店の料理を食べて「美味しい!と言っても、人それぞれに」味の好みもあるし、感じ方もにも個人差があり、これは主観的なものである。だから、自分が美味しいと思うものが一番良いのだ。それに、価格のこともある。
ミシュランガイドの総責任者ナレ氏が「神戸ビーフの質は素晴らしい。」と言っていただくのは良いが、神戸ビーフのステーキなど安い店で食べても15000円位はするだろう。最近は神戸牛だけでなく、何処でも土地の名をつけてブランド化し○○牛などといっているが、そのような良い品の高い食べ物が美味しくないわけはないのであるから、ただ「美味しい!」だけでは判らない。普通に庶民が家庭で食べているものとは格段に差があるのだから、TVで“食べ歩き”を仕事にしているのなら、何がどのように違って、どう美味しいのか、又店の雰囲気や店の気配りなど、安くてそれなりに美味しいものを提供しているところとどう違うのか上手に説明してもらわないとただ「美味しい!」と言われても信じられないよ。
しかし、ミシュランの店は高いところばかりで庶民には手が届かないという声も気にしてか、今回のガイドには5000円以下のランチやディナーのある店にコインマークをつけたという。しかし、このような安いものが味わえるところは暫くは予約が一杯でなかなか食べられないだろうね。
このようなガイドは、事情のわからない外国など知らない土地を旅するときにはそれなりに役に立つものだろうが、インターネットの発達した今の時代、安くて美味しいところは幾らでも調べれば情報は得られるし、私などは、味覚の優れた知人達の情報を最も優先している。
それに、グルメの発達した今の世の中、日本の場合は、何もミシュランガイドなど参考にしなくても、その土地でそれなりの噂になっている店ならお金さえ出せば、大抵の店は美味しいものを食べさせてくれる。
豪華なディナーや高価な食事が「最高のごちそう」だとは思わないし、私など、それぞれの地方の郷土料理や家庭での「おふくろの味」を最も大切にしたいと思っている。
ここのところデフレ不況だといいながらも、相変わらずのグルメブームでテレビの“食べ歩き”番組が盛んである。
不況になると、世間にはタクシーが氾濫するが、テレビでは“食べ歩き”番組が氾濫するようだ。そして、何処何処の何々が美味しいと店の名前と商品の紹介ばかり。以前より酷くなったのは、番組内で、堂々と店名や商品名と共に価格や地図まで丁寧に表示し、もう、これは、番組と言うより番組内コマーシャルと言うべきものだろう。
何処も不況で物が売れないから、TVでの宣伝はして欲しいだろうし、TV局側にしても、広告収入が欲しい。食べるものなどは取材に名をかこつけて、店の経費で負担してもらい、暇そうなタレントを使えば、出演者も最小限ですむし、制作費をかけずに、しかもCM料を稼ぎながら、国語辞典の意味するところの「くいしん‐ぼう」の視聴者に番組を見てもらえるということなのだろう。
不況が深刻化するであろうこれから、ますます、“食べ歩き“番組での料理店や割烹旅館又、商品など紹介がふえるんだろうね~。
(画像のステーキはWikipediaより借用)
参考:
Kikkoman食を知る楽しみ
http://www.kikkoman.co.jp/enjoys/index.html
くいしん坊!万才 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%8F%E3%81%84%E3%81%97%E3%82%93%E5%9D%8A!%E4%B8%87%E6%89%8D