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一日一書 6 猿蓑・夏の月の巻

2013-02-19 09:25:32 | 一日一書

芭蕉七部集のなかの「猿蓑」。その中の「夏の月」と呼ばれる巻。

これは発句(連句の最初の句)で、凡兆の作。

江戸時代の町の様子が、「月」と「におい」で感覚的に表現されています。

ああ、夏がなつかしい……

これも、凡兆の作。七句目。

カエルのびっくりしたようなまんまるの目が、目にみえるよう。

 

 

これは芭蕉の句。「しはぶる」は「しゃぶる」の意。

「老」の姿ですね。

凡兆の「能登の七尾の冬は住みうき」につけた句。

七尾は今頃さむいでしょうね。

とっても寒い能登の冬。ああ、辛いといいながら、老人は魚の骨をしゃぶっている……

それを「悲惨」とはみずに、一種の「風流」と捉えるのが

俳諧の精神ということでしょうか。

 

 

これも芭蕉の句。

「夏の月の巻」の「挙げ句」(連句の最後の句のこと)の一句前の句です。

「挙げ句」は去来の「かすみうごかぬ昼のねむたさ」。

桜の花の下で、ぼんやりしながら手のひらをみているとシラミがはっている。

春風もぴたりとやんで、眠たくなる春の昼。

ああ、なんというのどかさ、てなところでしょうか。

5年ほどまえに、何となく書いてみたものです。

こうやって筆で書いていると、

ただ活字で読んでいるいるより、何だか深く味わえるような気がします。

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