秋日(耿洪源)
半切
返照入閭巷 返照閭巷(りょこう)に入る
憂来誰共語 憂い来たって誰と共に語らん
古道少人行 古道人の行くこと少(まれ)に
秋風動禾黍 秋風禾黍(かしょ)を動かす
村里の小路に夕日が差し込むとき
何となく憂愁を感じるが、それを共に語る相手もない。
村はずれの古い道は、行き来する者もまれで、
秋風が禾黍(きび)の穂を吹き動かしているばかりだ。
秋日(耿洪源)
半切
返照入閭巷 返照閭巷(りょこう)に入る
憂来誰共語 憂い来たって誰と共に語らん
古道少人行 古道人の行くこと少(まれ)に
秋風動禾黍 秋風禾黍(かしょ)を動かす
村里の小路に夕日が差し込むとき
何となく憂愁を感じるが、それを共に語る相手もない。
村はずれの古い道は、行き来する者もまれで、
秋風が禾黍(きび)の穂を吹き動かしているばかりだ。
停車場の図
32×37cm
無限に遠くまで続いてゐる、
この長い長い柵の寂しさ。人気
のない構内では、貨車が静かに
眠つて居るし、屋根を越えて空
の向うに、遠いパノラマの郷愁
がひろがつて居る。これこそ詩
人の出発する、最初の悲しい停
車場である。
「萩原朔太郎全集 第2巻」による
「詩」というよりは、挿絵の解説風。
散文詩といえばいいのでしょうか。
この銅版画を見て、朔太郎は、とにかく「寂しさ」を感じるわけです。
そう言われてこの絵をみると、どこまでも寂しい風景に見えてきて
不思議な感覚に襲われます。
南山寿
33×18cm
●
「南山の寿」
終南山が崩れないように生命や事業がいつまでも続くこと。
人の長寿を祝う言葉。
日本だったら、「富士山寿」でもいいわけですね。
登鸛雀楼(王之渙)
半紙
登鸛雀楼 鸛雀楼(かんじゃくろう)に登る
白日依山盡 白日山に依って尽き
黄河入海流 黄河海に入って流る
欲窮千里目 千里の目を窮めんと欲して
更上一層楼 更に上る一層の楼