真実を知りたい-NO2                  林 俊嶺

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GHQ指令第677号・第1033号(竹島領有権問題10)

2010年01月31日 | 国際・政治
 日本の敗戦後、連合国最高司令部は、指令第677号で、”日本領土と主権がおよぶ範囲”を決定し、下記のように、リアンクル島(独島、竹島)の名前をあげて、はっきりと日本領土から除外した。また、指令第1033号第3項で”日本人の漁業および捕鯨業の許可区域(通称マッカーサーライン)”を設定し、その第3項で日本人の独島への接近を禁止した。
 大韓民国は連合国軍の統治を経て、1948年に独立したわけであるが、その時大韓民国政府は、アメリカ軍政庁から竹島(独島)に対する統治権を引き継ぎ、竹島(独島)を慶尚北道鬱陵郡鬱陵邑独島里1-96番地として管理下に置いたという。
 しかしながら、連合国対日平和条約草案作成段階で、日本の外務省が動いたようである。そして、外務省から情報を得たGHQの政治顧問ウィリアム・シーボルトのアメリカ国務長官宛書信と添付文書が影響して、竹島(独島)が、日本が放棄する島からはずされ、日本領として残る案が作成されたこともあったようである(第6次草案)。結果的には、1952年4月28日に発効した平和条約の領土条項の中
から、竹島(独島)に関わる部分が省かれた。「史的解明 独島(竹島)」愼鏞廈<著>韓誠<訳>(インター出版)からの抜粋である。
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第12章 連合国最高司令部指令第677号と独島(トクト)の韓国返還

 1 連合国最高司令部指令第677号の”日本規定”

 連合国は、日本が1945年8月15日に降伏し、9月2日の降伏文書に調印すると、GHQ(連合国最高司令部)を東京に置いて、ただちに”カイロ宣言”と”ポツダム宣言”の決議を実行しはじめた。
 連合国最高司令部は、1946年1月29日、”若干の周辺地域を政治、行政面で日本から分離させる問題に関する覚書き”という指令第677号を発令し、日本政府に送った。
 この指令は、日本の降伏文書の決議を実行に移すため、”日本領土と主権がおよぶ範囲”を決定したものである。
 GHQはこれに”日本の規定”という言葉を使ったが、ここには日本の領土と政治的、行政的主権行使の範囲が明確に定義づけられている。
 ここで独島(竹島・Liancourt Rocks)は日本領から分離、除外されているが、第3条ではこうなっている。


 「この指令の目的を実行するために、日本領を次のように規定する。日本の四州(本州、北海道、九州、四国)と隣接した約1000個の小島を含む、これらに含まれる島は対馬島および北緯30度以北の琉球、南西諸島、である。そこで除かれるのは、(a)鬱陵島、リアンクル島(独島、竹島)、済州島(b)北緯30度以南の琉球諸島(口之島含む)、伊豆、南方、小笠原および硫黄群島と大東諸島、沖ノ鳥島、南鳥島、中之鳥島を含む他のすべての外部太平洋諸島、(c)千島列島、歯舞群島、(小晶、勇留、秋勇留、志葵、多楽島などを含む)、色丹島などである。」

 連合国最高司令部指令第677号第3項により、独島は日本領から明確に除外されたのである。
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3 連合国最高司令部指令の修正条件

 ・・・
 現在の日本政府は独島の領有権論争を始めた直後、連合国最高司令部指令第677号第6条の”これらの指令のどの項目もポツダム宣言第8条に言及された諸小島の最終決定に関する連合国の政策を示すものではない”という条項をとりあげて、これが日本領土を規定したものではないと主張した。
 しかし、連合国最高司令部指令第677号第6条で強調されていることは、複雑に絡んだ連合国の利害関係を考慮して、連合国の一方が仮に異議をとなえた場合、修正する可能性を示唆しているに過ぎず、日本の領土規定であることは間違いないのである。


 この事実は、GHQ指令第677号第5条に”この指令に記されている日本の規定は、これに関する特定の指令がない限り、本連合国最高司令部から発せられるすべての指令、覚書、命令に適用される”とあり、この指令の”日本の規定”に変更を加えようとする時は必ず連合国最高司令部が別途の”特定の指令”を発せねばならず、そうでない限り、この指令の”日本の規定”が未来においてまで適用されることを明らかにしているのである。
 つまり連合国は、この指令が最終決定ではないので、この指令に異議をとなえ修正できるとしているが、この指令でそういう場合は最高司令部がそれに関する”別の特定の指令”を発令しなければならないと規定したのである。

 ・・・(以下略)
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4 連合国最高司令部指令第1033号で独島を韓国領土と再確認

 連合国最高司令部は指令第677号によって、1946年1月29日付けで、独島を駐韓米軍政に移管し、続いて1946年6月22日連合国最高司令部指令第1033号第3項で”日本人の漁業および捕鯨業の許可区域(通称マッカーサーライン)”を設定し、その第3項(b)で日本人の独島への接近を禁止し、次のように述べている。


「日本の船舶および乗務員は今後、北緯37度15分、東経131度53分にあるリアンクル岩(独島、竹島─著者)の12海里以内に接近してはならず、また同島への接近はいかなる場合においても禁止する。

 これは連合国最高司令部が独島を日本の地理的領域から完全に除外し、韓国の領土であることを再び確認したもので、独島をすでに鬱陵島や済州島同様、駐韓米軍政に移管したことを意味するものである。
 ・・・(以下略)


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コメント (1)
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