真実を知りたい-NO2                  林 俊嶺

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韓国併合後の地図区域一覧図(竹島領有権問題8)

2010年01月29日 | 国際・政治
 竹島を日本の領土に編入しながら、韓国を併合した後には、竹島を朝鮮区域に含めた地図を日本陸軍参謀本部陸地測量部などが作成している。《地図区域一覧図》である。”やはり、竹島は鬱陵島の附属島であり、もともと朝鮮の領土であったという歴史的事実への回帰である”との指摘は無視できない。多分、行政的側面でも、朝鮮区域に含めた方が合理的であるとの判断がなされたのであろうと思われる。
 そして、連合国最高司令部(GHQ)もその地図を指令第677号(日本領土と主権がおよぶ範囲を決定指示)を発令するに当たって活用したようである。指令第677号の発令によって、竹島を日本の領土に編入したという事実は、なかったも同然のこととなった。「史的解明 独島(竹島)」愼鏞廈<著>韓誠<訳>(インター出版)からの抜粋である。
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第11章 日帝下の独島とカイロ宣言、ポツダム宣言

1 日帝下の独島

 日帝が1910年8月、韓国を植民地にした後、独島は、韓国の領土内の島として扱われた。日本は独島を竹島と呼び、形式上は日本の島根県に属するとしたが、歴史的には朝鮮に属するものと考えていたので、朝鮮領に属する島として扱ったのである。
 ここで独島を朝鮮に属するものとして扱ったいくつかの資料を挙げてみよう。


① 日本海軍省 水路部《日本水路誌》第6巻(1911年)
② 日本海軍省 水路部《日本水路誌》第10巻(1920年)
③ 《歴史地理》第55巻第6号の桶畑雪湖の論文《日本海にある竹島の日朝関係
   について》
④ 日本海軍省 水路部《朝鮮沿岸水路誌》第1巻(1933年)
⑤ 芝葛盛《新編日本歴史地図》(1933年) 
⑥ 釈尾春芿《朝鮮と満州》(1935年)
⑦ 日本陸軍参謀部 陸地測量部《地図区域一覧図 其一》(1936年)


 この中でも特に注目に値する資料は、日本陸軍参謀本部、陸地測量部の《地図区域一覧図》である。
 日本陸軍参謀部は、1936年3月現在の大日本帝国(日本本州、朝鮮、台湾、関東州、樺太を含む)の《地域一覧図》を同年4月に刊行したのだが、この地図の目的は大日本帝国に属する全域を、本州、朝鮮、台湾、樺太、千島列島、南西諸島、小笠原諸島などにグループ分類することであった。
 日本陸軍参謀部は、この《地図区域一覧図》で、独島を日本本州に含める空間がたっぷりあるのにもかかわらず、独島を鬱陵島と共に”朝鮮区域”に含め、竹島の右側に”朝鮮区域”と”日本の本州区域”を区分する墨で線引きした。


 この《地図区域一覧図》は、日本陸軍省が敗戦など眼中になく、大日本帝国の永遠の存続を信じていた1936年に製作した地域別地図だけに、決定的に重要である。
 この資料で独島が朝鮮と日本のどちらに入れられるかは非常に重大な問題である。なぜならば、もし、大日本帝国が外的圧力によって崩壊するようなことになれば、独島の帰属問題に決定的な影響を与えるからである。
 ところが日本の陸軍参謀本部は、独島を”朝鮮区域”に入れたのである。陸軍省は、独島が鬱陵島の附属島であり、朝鮮領であることをよく知っていたからに他ならない。


 日本帝国主義が1945年8月15日に降伏し、連合国が大日本帝国を解体するにおよんで、この《地図区域一覧》が最も重要な資料のひとつになったことは言うまでもない。
 なぜなら連合国最高司令部がそれまでの大日本帝国領の特定地域に対して、日本政府の政治的、行政的権利の行使およびその停止を命じる最高司令部の命令第677号を公布したとき、特定地域のグループ分類がこの《地図区域一覧》とほとんど100%一致したからである。

 上の資料が教えているように、日帝治下で独島が行政上、島根県に属したとしても、日本国民はもちろん、日本政府さえもが実際、形式的にも実質的にも、独島を朝鮮領とみなしていた。
 いわんや韓国人にとっては、日帝治下においても独島が朝鮮領であることに変わりはなかった。

 ・・・(以下略)


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コメント (2)
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