きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「ブエノスアイレスの風」宝塚星組

2008年11月03日 | 宝塚(星組)
リカちゃん主演作の再演です。
正塚作品の中では、かなり良くできた作品だと思います。
ふたたびナマで見られて嬉しいです。

初演ファン(っても私は再演の青年館しか見ていませんが)としては
ここは違うなー、ってところはあります。
けど、それはそれで、新しい作品になっています。

レオン君には、もうちょっと
「一人だけ生き残ってしまった」罪悪感的な部分が
もっとあったら良いと思うし、
その辺のチンピラとは違う、人をたくさん殺してきた凄み
みたいのもあるといいけど、
それは、まだ無理かな。
タンゴを踊っているときはメチャクチャかっこいい!
「自分探し」の迷い加減もいいね。

しみこはねー。
顔はいいのになー。
もうちょっと声が低いとねー。
いいんだけどねー。
なんだか勿体ないなあ。
タニみたいな路線なら、「若者声」でいいんだろうけど
しみこは、ビジュアルはもっと大人っぽいんだよね。
うーん。
ほんと、勿体ない。

ねねちゃんは、華があって見栄えがする。
それはとてもいいんだけど、
やっぱり姫役者かなあ。
ねねちゃんが「寄り添い系」なら
初演の三恵ちゃんは「縋り付き系」でした。
「あなたに捨てられたら、私、生きていけない!」って雰囲気で
だからこそ、あんなクズみたいなチンピラに
引っ掛かったんだろうなあ、と思えたんだよね。
不幸をたくさん背負って、それが滲み出ているイサベラでした。
そういった宛て書きの役を
姫役者のねねちゃんが演じるのはキビシイよね。
(そのかわり三恵ちゃんは姫系は壊滅的だったけどね)
それよりも、時々開口っぽい台詞回しになるのが気になる。
明瞭なのはいいけど、金属的な響きになっちゃうんだよね。
タンゴは良かったよ。

ベニーのビセンテも、なかなか良かった。
警察としての職務を建前に嫉妬メラメラ。
でも、たんなる嫉妬でなくて
軍事政権時代の過去も起因している。
元ゲリラを監視するのも、ま、必要だよね。
最後はわだかまりなく終わり、
こういう公明正大なところにエバは惚れたのかな、って思うわ。

エバのまりもちゃんも
大人っぽい雰囲気の美人さんでした。
コモちゃんだと、「ニコラスという過去」と
「ビセンテという現在」の、
「時代」に対して揺れているようでしたが、
まりもちゃんだと、もっと二人の「男性」に対して揺れているみたい。
それはそれで、色気が少ないこの作品に華を添えているっていうか。

リリアナの千秋ちゃんも好演。
なにしろ初演がカノチカだったから。
あのボンバーな演技が印象深かったけど
千秋ちゃんも充分ボンバーでした。
スカピンでは男の子役だったので
娘役化粧で認識するのは初めて。
けっこうクッキリした顔立ちで可愛いね。
最後のタンゴも決まっていました。

この先は愛称がよくわからないので芸名で。
音花ゆりちゃんの歌がすごく良かった。
シビさんとは、また違った魅力でした。
ロレンソの美城さん、すごく芝居がうまかった。
バーテンの鶴美さん、適度にうざったくて良かった。
「レビュー・オルキス」でものすごく踊りが上手い人!
って印象だったけど、こういう演技もできるのね。
そして、マルセーロの真風さん。
いいチンピラ振りだ。
クズのようなどーしょもない男だけど
根はまだイイところがあるんだよね。


初演ファンとしては大満足でした。
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「レッドクリフ Part I 」

2008年11月03日 | 映画
「三国志」の「赤壁の戦い」を映画化。
そう、映画ですから。
この戦いに、この人いたっけ?とか言っちゃダメ。
髭がないのは宦官だけだろう、とか言っちゃダメ。
あくまでも、娯楽映画ですから。

「レッドクリフ」というタイトルですが
Part Iは、「赤壁の戦い」の前夜までです。
そこまでをじっくり描く、というほどではなく、
なぜだか趙雲の阿斗救出の場面もあって、
あいかわず、そんな大立ち回りしたら赤ん坊が無事なわけないじゃん!な
アクション見せまくりでした。
そこ以外でも、戦いの場面、ひとつひとつが長い。
最初はワクワク!なんですが、途中から
もういいよー、お腹一杯だよー、って気持ちになります。
ここらを5分ずつカットしたら2時間で終わるような気もするけど
やりすぎこそがチャイニーズクオリティか。

赤壁の前哨戦の陸戦。
各武将ごとに見せ場があります。
宝塚でいう、番手ごとのソロ場面です。
趙雲→関羽→張飛と来たので、
「番手、逆だろう」と心の中で叫んでみる。
大トリつーか、真打ちつーか、
最後の階段降りトップさんは周瑜でした。

全体的に、「三国志」を映画化したいというよりは、
合戦場面とワイヤーアクションばっかりの映画を作りたかったので
「三国志」を舞台に選んだ、ってカンジでした。

孔明と周瑜(&孫権)については、
もうちょっと心理戦があってもいいかもなー。
金城くんが、イマイチ軍師に見えない。
でも、「『若い』軍師」にしたかったんだろうなあ。
チョウ・ユウンファが周瑜で
トニーが孔明、って案もあったけど
年齢的な部分で却下されたとか。
仕方ないよねー。イメージは合うけど。

2時間半と長いせいか、
久しぶりに画面に出てきた人には「曹操(丞相)」とか
字幕の説明が出てくる。
わかりやすいかも。

まー、ほんとに長い話の前半だから、
役者の演技を云々は言えないね。
あ、でも、獅童くんは良かった。
目つきとか目線とか、見得を切るような部分で迫力があった。
あとは、、、
トニーを大画面で拝めて嬉しいけど、それだけっていうか。
字幕版でも何人かは北京語吹替で
本人の台詞回しじゃないしねー。

「超大作」という煽り文句があるせいか、
はたまた出資した日本企業から招待券が出ているのか、
あるいは単純に役者のファンなのか、
三国志を知らない人も来ているようで、
私の後ろに座っていた人は、
糜夫人が井戸に身を投げたところで息をのんでいたよ。
あと、映画館を出るとき、
「周瑜って死んじゃうんだよねえ」って言ってる人達がいたので
「天はこの世に周瑜を生みながら、
 なぜ諸葛亮をも生んだのだ!」

って叫んで血を噴いて死ぬんだよ、と言いたくなったけど
やめておいたよ。
いちおー、この映画、「三国志演義」に乗っ取っていると思うんだけど、
最後はどうなるのかねー。
*周瑜はすでに矢に当たっちゃってます

予告によると、前売り券を買うと
またしてもキューピーが貰えるみたいです
しかも、買う時期によって
赤い服の「必勝孔ピー」だったり、
「曹ピー」だったりするみたいです。
商売が上手いなー。
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