きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「エリザベート」08年版@帝国劇場(2回目)

2008年11月27日 | 宝塚版以外の「エリザベート」
キャストは
涼風/武田/鈴木/浦井/初風 でした。

かなめさんのシシィ。。。
ちょっと予想外でした。
在団中のかなめさんを
ナマで見たことはありませんが
(ビデオ等では見ていますが)
退団後の舞台は何本か見ています。
その時は、「男役臭さ」はあまり感じなかったのですが
今回は、「あー、男役だなー」と思うときが
何度もありました。
声が低いだけではないと思うんです。
終始、強いんですよね。
得たい物、それは自由とかだったりするんでしょうが、
得るために戦う。
戦いには勝つ。
でもそれによって得た物が、
想像していた物とは違い、
さらに戦う。
広大な空を手に入れるために戦ったのに
結果的に行く道が狭まっていく、というのか。
虚しい戦いをするばかり。
それでも戦い続け、
手に入れた物に満足はせず
安住しないシシィでした。
シシィは、本当は、こういう人だったのかもしれませんね。
こういうシシィ像もアリだとは思いますが
不快に思う人もいるかも。
ただの我が儘、にも思えます。
ただ、やっぱり、私から見るとですが、
一路さんのシシィは、
なんで孤独なんだろう、と不思議に思える部分があったので
それに比べると、かなめさんのシシィは
これはこれで説得力があるかなあ。
「私が踊る時」から「精神病院」も、
戦って勝利しても手に入らないものがあった、とすれば
繋がるかなあ、と。
「皇后を演じるだけ」も、
戦って勝った結果なのに、
そういう道になってしまった、というふうに見えて
理想と現実が常に違う、と
常に苦しんでいる、
でも妥協はできない。
その中で苦しむシシィってのは
アリだと思います。
私としては、コムちゃんのシシィの方が好きだけどね。
かなめさんは、意外と音域が狭いのかな。
低い声は良く出るけど(でも男役声に近い)
高い声は、ちょい厳しいかも。
(コムちゃんは全部厳しかったけど)
それよりも、演技がね・・・。
なんだか漫画チック。
というか・・・
植田スイッチが入った
型芝居

っていうのかなあ。
「MA」の時は、輪っかのドレスでも
型芝居と思わなかったのに、
今回は、自然な動きというより
なんだか、大げさな演技が多かったです。
それが、わざとそうしているというより
根底にある植田芝居の型が
再現されちゃった、みたいにも思えて・・・。
染みついているのかなあ。

武田くんは、ビジュアルはいいんだけどね。
ポックリ靴での動きも良くなったし、
衣装もそれをカバーしてる。
舞台映えはするんだよねえ。
それだけに、歌が、惜しい。
声が伸びないんだよね。
もうちょい、ボイトレして欲しかったけど
再演のオファーが来て
初演レベルでいいのかー、と思っちゃったのかな。
あと、再演で余裕があるぶん、
「トート」ではなく、
武田くん本人で舞台に立っていることが
多かったように思います。
武田トートは、シシィに対して
なにを思っているのか、
それよりも、どういう存在でいるのか
わかりにくかった。
「『黄泉の帝王』のビジュアルで舞台に立つ武田慎治」でいる時間が
すごく多かったように思います。
それは、まあ、山祐さんも同じではあるけれど
山祐さんには歌があるから。
武田くんのビジュアルは美しいと思うよー、程度にしか
受け取れないと
なんだか、見ていても、うーんと、、、、
飽きちゃう、っていうのかな。
そういうトートとかなめさんシシィの組み合わせ、って
どうなんだろうね。
かなめさんシシィなら、武田トートを殴り倒せるよ。

綜馬さんは、若いときから疲れているフランツだった。
そういうフランツだから、
引っ張ってくれそうな、自己主張の強いシシィに惚れたのかも。
あいかわらず美声です。
経年変化は禅さんの方があったかも。
「夜のボート」は歌ウマ同士なので
とても聞き応えがありました。

浦井くんは、伊礼くんを見た後だと安定していますね。
ルドルフの苦悩・孤独が良く出ていました。
踊りもね。
振付があるから踊るんじゃなくて、
ルドルフを表現するために踊っているんですよね。

ルキーニは、別な人でも見てみたいなあ。
理事とか理事とかキヨミチとか。
 
 
 
まー、アレだね。
涼風シシィと朝海シシィの
どちらがいいかと問われましたらね。
涼風トートに
朝海シシィ
で見たい、
と答えますね。

ということでー。
これから星組版のビデオを見ます。


帝劇の、開演前の注意をする蛍嬢の声が
一斉に、ではなく、
ちょっとづれて輪唱状態だった。
彼女たちがいま「ホサナ」と言ったら
私の耳に届くときには
「ヘイサナ サナサナホー」になるのかな。
コメント (2)
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