ゆいツールブログ:NPO法人ゆいツール開発工房(ラボ)

人と人、人と自然、人と環境などを「結う(ゆう)」ということに関して、団体の活動やスタッフの思いなどを紹介していきます!

ロンボクでサステイナブルツーリズム!? in Lombok

2017年07月12日 | ★2017年度(ロンボク)

サステイナブルツーリズムという言葉を、聞いたことはありますか?

サステイナブルとはなんでしょうか?

持続可能性。いったいなんのことでしょう?それとツーリズムがくっつくとどうなるのでしょう?

持続可能な観光とは「旅行者・観光関連産業・自然環境・地域社会の需要を満たしつつも、現在・将来もたらす経済面・社会面・環境面の影響も十分考慮に入れた観光」(UNWTO定義)UN World Tourism Organization:世界観光機関

参考:サステイナブル・ツーリズム国際認証取得の重要性

つまり、ただお客さんを満足させるためのサービスだけでなく、それが自然環境や地域社会を壊さないこと、むしろ地域経済を潤し地域を元気にし、関わる人が今だけのことじゃなく、将来のことも考えて観光を楽しんだり、観光を盛り立てたりしていくことが大切だ、という新しい考え方のことです。

エコツアーという言葉や概念はだいぶ広まったと思いますが、サステイナブルツーリズムはより広範囲の経済や地域社会、人材の育成なども含めての概念になります。

さて、そんな新しい考え方を踏まえた観光開発が、ロンボクで始まろうとしているところに立ち会えました。

西ロンボク観光ガバナンス調整フォーラム会議(7月11日)

Rapat Koordinasi forum tata kelola pariwisata kabupaten Lombok Barat, tgl 11 Juli 2018.

この日の前日に、西ロンボクの観光局を訪れ局長のイスパンさんと話をしていたときに、「明日会議があるからいらっしゃい」と言われました。

Pak Ispan, kepala dinas pariwisata Lombok Barat. Beliau mengajak saya ke rapat tersebut.

西ロンボク観光局は、ジャカルタの観光省と一緒に、サステイナブルツーリズムをロンボクで開発することを目指しています。

西ロンボクでは12の村で村ツーリズムを開発していく予定のようです。(局長は、もうある、という言い方をしていましたが、よく聞くと現在はただの観光地か、過去に栄えた観光地か、高いポテンシャルがある村で、これからいろいろと整備していきたい、ということのようでした)

会議には、それらの村の村長さん(10人ほど)や、インドネシア観光協会(西ロンボク)の代表などが参加していました。

そして、村長さん向けに「サステイナブルツーリズム」を「村ツーリズム」と言い換えて説明していたようでした。

(遅れて行ったため、最初を聞き逃しました)

「村ツーリズム」…それは、今のゆいツールの活動と重なります。

会議では、どんなアクティビティが旅行客に喜ばれるのか、ジャカルタなどで成功している村ツーリズムの事例、サステイナブルツーリズムの重要なポイントなどが説明されていました。

日本でサステイナブルツーリズムという概念に触れている私は、「インドネシア(というかロンボク)もここまで来たか」と感慨深かった一方、村長さんからの意見が印象的でした。

サステイナブルツーリズムを導入しようとしている行政スタッフは、インターナショナルな感覚を持っていますが、村長さんは言ってみれば「田舎のおじさん」。サステイナブルだかなんだかよくわからんが、村が豊かになる、発展するんならぜひやりたい、という感じで、「道をきれいにしてほしい」「観光客に観光ビューを楽しんでもらうために、駐車場や展望台(などお金がかかる大きなもの)を造ってほしい」「観光関係の会議には、森林局のスタッフも呼ぶべきだ。彼らが管理するエリアが入っている場合があるから」「今観光地になっているスンギギでは、各ホテル各お土産屋が無秩序に立ち並んでいるが、本当はロンボク独特の昔の家屋の形を模したものをそれぞれに配置して、統一感を出しロンボクらしさを演出したい(インドネシア観光協会西ロンボクの代表の意見)」焼き物の輸出で昔栄えたバニュッムレ村の村長は、「2002年のバリ島爆弾テロ事件以来、海外からの注文が激減し地域経済が衰退してしまった。望むのは、昔のような繁栄だ」などなど、さまざまな意見が出ていました。

果たしてサステイナブルツーリズムと関係あるのか?と思うものもありましたが、各村の代表者の意見を聞きながら、行政側が国際基準と照らして国からの予算を上手に使って観光開発を進めていくのかな、と感じました。

ゆいツールも、ロンボクで村ツーリズムに取り組んでいるので、上手にその流れと合流し活動を発展させていければいいなと思います。

会議のあとは、目をつけていた数人の関係者と情報交換、連絡先交換をしました。

↑ プスック村(州都マタラム市から北ロンボクへ抜ける山の上にある村)の村長さんと話すゆいツール現地スタッフ

観光地がすでに開発され(しかも、かつて栄えた観光地の一部が衰退して)いる日本と違って、インドネシアでは、ただの村が発展する手立てとしてサステイナブルツーリズムを活用しようとしている様は、なんというか、「近道をしていきなりみんなより前を走りだした、さっきまで後ろを走っていた走者」みたいだなと思います。

いずれにせよ、その観光開発が本当にサステイナブル(自然や経済や地域社会が壊されることなく発展し続けることができる)かどうか、見守っていく必要があります。自称サステイナブルツーリズム、なんちゃって村ツーリズムみたなものが流行らないように、国際基準や国際認証があると思うので、村ツーリズム開発に乗り出す村の人たちが、いつかインターナショナルなレベルで自分の村の価値を認識する日がやって来てほしいと、私は思っています。

(山)

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海の生きもの探し in Lombok

2017年07月09日 | ★2017年度(ロンボク)

ロンボクで活動中のゆいツールです。

今日は、ギリ・メノ島の海辺で見られた生きものたちの紹介です。

今回は、海の生きものカード(Lab to Class製作)を持参して行ったので、とても勉強になりました。

一緒に行ったのは、ウダヤナごみ銀行の代表のティアさんとその妹さん。

まずは生きものの名前を、インドネシア語に訳す作業をしてから海へ。

ちょうど引き潮で、浅瀬で生きもの探しをするには持ってこいの環境でした。

ローカルの子供が捕まえた生きものを見せてもらいます。なんでしょうか。

ウニですね。インドネシア語では、「ブタの毛」というそうです。

(↑ Bulu babi)

ロンボクでは、針の長いもの(写真下)と短いもの(写真上)では名前が違うと言っていました。

おや、クモのような生きものがいます。

きっと殻が脱げちゃったヤドカリだろう、と思って、宿泊するバンガローに戻ってヒックスさん(奥さんとともに、ゆいツールの活動のよき理解者であり、メノで一番環境を気にしているご主人)に確認すると、「ヤドカリじゃないよ」ということでした。

ヤドカリではない…。急にこの生きものがエイリアンみたいに見えてきました。

本物のヤドカリはこちら。umang-umang(kariomang)

小さすぎ!もちろん、大きいのもいるようですが、私はまだインドネシアで出会ったことがありません。

こちらは、浜に自生してした植物。

空には月が。

(Diana Cafe, Meno, Lombok.)

海の生きものに親しむプログラムを、ロンボクの子供たちとできるように、Lab to Classの教材をインドネシア語に訳そうと現在奮闘中です。

(山)

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