◎ ◎ ◎ スタッフコラム ◎ ◎ ◎
今回は、前回のブログの続きで、東京都主催(受託JTB)の「西多摩の秋の自然の魅力発見ツアー(1泊2日)」の最後の意見交換会で出た意見や、見えてきた課題などについて書きます。(ちなみに参加していたのは、旅行関係の会社の方が中心でした。ゆうちょ銀行の方もいらっしゃいました)
各アクティビティ毎に「良い点」と「工夫が必要な点」を話あった後、「ツアーの魅力づけ(専門ガイドの活用)」と「西多摩地域の観光資源を売る方法」について意見交換をしました。
時間があまりなかったので、お互いの感想を共有したり、他のグループの意見を聞いたりするくらいしかできませんでしたが、自分の中では課題がくっきりと見えた時間でした。
私のグループで好評だったのは、「電動サイクリング」「大岳鍾乳洞」「紙漉き」などでした。
こちらは、ひのはらいどの自転車。ひのはらいど実行委員会は、檜原村を多くの方に自転車で楽しんでもらうこと、それを通じて檜原村そのものを楽しんでもらうこと、そして檜原村のファンになってもらうことを目指しているそうです。年に2回、サイクルロゲイニング大会を催しています。レンタサイクルもあります。
さて、私たちはツアーの中で自転車に乗ったのはほんの2-30分程度ではなかったかと思います。
電動アシスト自転車に初めて乗った、という人が、私を含めて結構いました。
ちょっと坂になっていても、ちょっと遠くても、この自転車さえあればスイスイとこいで行くことができるため、便利だなーと思いました。
私たちのツアー日は快晴だったため、空気はひんやり冷たくてもとても気持ちよくサイクリングができました。
また、ガイドがついていたので、要所要所で説明をしてくれたり、安全を確認してくれたりしてよかったです。
ガイドをしてくれたジンケンさんが所属するのは「東京裏山ベース」というアウトドアと地域観光の拠点です。
武蔵五日市駅の目の前にあるので、とっても便利。
そして、「裏山ライドTokyo」は、主にマウンテンバイク等のスポーツ用自転車愛好家に向けて、東京都西部の自然豊かなエリアを「自転車で遊ぶ」ためのごく小規模・少人数イベントを企画しています。
また、紙漉きは、敷地に生えている楮(こうぞ)の木を実際に見たり、井戸水で楮をほぐしたり、その中にふよう(トロロアオイ)のとろっとした液を加えたり、日の当たるお庭でコーヒーを飲みながら休憩したり、おしぼりに液を投入して絞ったり、色々な体験をすることができました。
楮について説明する、hinode wahiのご主人、国高さん。
体験の中にストーリーが見えていたこと、お土産で持って帰るものがあったこと、などが参加者から高く評価されました。
私個人的には、檜原村郷土資料館で案内してくれた館のスタッフ(女性)の実体験の話が面白かったです。
昔お嫁に来た当時は夕食はいつも麺類だったこと(檜原村はお米が取れないため)、じゃがいもが嫌いなのに檜原村はじゃがいもの名産地でじゃがいもばかり食べされたこと。
そういう地元の人の話が聞けるツアーを作ったらいいのでは、と思いました。
また、今回ツアーの中で地元の物産を買う時間が少なかったのが残念、というのが多くの参加者の声でした。
宿泊した瀬戸の湯の物産店は少し見たのですが、夕食前の慌ただしい時間で閉店も20時だったためになんだか消化不良でした。
瀬戸の湯は、泉質はアルカリ性で、宿泊棟はメゾネットタイプ。残念なのは、メゾネットからお湯の建物まで、一度外に出ること。
雨が降っていたり寒い季節だとお風呂に行くのがおっくうになりそう。
お風呂の建て物にはお食事処もあって、外のテラスではくつろげる寝椅子が置いてあったりして、雰囲気はとてもよかったです。
が、お風呂は22時まで、お食事処は21時まで、と閉まるのが早いため、見知らぬ人同士がちょっと会話をするところやお酒を飲みながらくつろぐところがなく、中途半端な感じがしました。
もちろん、気心の知れた仲間や家族と泊りに来て、メゾネットで楽しめばいいのかもしれませんが。
外に足湯がありましたが、食事から帰ったときにはもう消灯してあり、朝も9:00くらいにやっと暖め始めているような感じでした。
あとで聞いた話では、ここのお湯は重油で焚いているとのこと。木質バイオマスに囲まれているのに、もったいないね、と感じました。
それでも、同じ部屋になった日の出町のガイドの方の話だと、この宿は予約を取るのがとてもたいへんだということです。
私としては、日帰り湯で楽しみたいなぁというところです。
↑ 実は魅力がいっぱいな西多摩地方。
意見交換で、「もっとこうしたら?」という意見で印象に残っているのが、「郷土資料館で祭りの衣装などを着て写真を撮る」みたいな、インスタ映えしそうな、外国人が喜びそうなサービスがあるといいのでは、という意見や、「近隣の(高尾山などの)観光スポットと広域な連携を図ったらどうか、というものでした。
「なるほど。広域な連携!」と膝を叩いたものの、だれが?と考え込んでしまいました。旅行会社が?自治体が?ガイド個人が?観光協会とかはなにをやっているの?と思いましたが、地元が求めるようなことはやっていないのかもしれないなあと思いました。(公的なお金の限界、ということもグループの中では話が出ました)
ある参加者からは、「地元の人が、もっと自分の地元に自信を持ってほしい。自分のところにある宝に気がついていないような感じ」という意見がありました。また、「食べ物に関して、ローカリゼーションが足りなかった」という意見も。つまり、これは地元で採れたもの、あるいは地元で作ったもの、というところが弱かったかな、と。逆に言えば、もっと地元のものを活用して、もっと積極的にアピールすれば、旅行者は喜ぶのに、ということです。
西多摩には、きれいな空気ときれいな水がありました。静かな夜がありました。若い参加者は「ここが東京だなんて信じられないね」と言っていました。外国人向けだけでなく日本人にとっても、日本の原風景が残っている場所としてとても貴重なところです。
一番の課題は「西多摩の魅力がまだまだ知られていない」ということです。
また、これからの西多摩の観光を考えたときに、キーになるのは「人との交流」ではないか、という話がありました。
そして、ガイドはインタープリターであり、地元のコーディネーターでもあるので、旅行者と地元の人をつながぐような役割をもっと担っていってほしい、という期待がありました。
ところで、ツアーから帰ったちょうど翌日の東京新聞にこんな記事がありました。(地図上で赤線で囲んであるところが、西多摩地方です)
そんなわけで、どういうわけか西多摩観光大使でもなったような気分です。
東京に住んでいるのであれば、もう少し西多摩と親しくなってみてもいいかな、と考えているところです。
(山)
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