前回のスタディツアーの報告に続いて、今回はツアー最終日におこなったプログラム体験とふりかえりの様子をお伝えします。
6日間のスタディツアーもいよいよ最終日。この日は、昨年度ゆいツールが開発した「生物多様性を学ぶプログラム」を参加者に体験してもらうところから始まりました。
ゆいツールのカウンターパートであるSERAIのスタッフ、ミアさんがツールを使って流暢に実施してくれました。
彼らが住んでいる森の絵の上に、参加者自身が生き物のカードを配置しながら、どんな生き物がどんなところに住んでいるか考えます。そのあと生き物同士のつながりを実感するために、クリップとひもを使ってカードを繋ぎ、「食べる」「食べられる」の関係を表しました。
この森にはたくさんの種類の生き物がいること、それらがつながりあっていること、森が失われれば生き物たちは住みかを失うということを、ツアー参加者は実感した様子でした。
その後、ツアーで訪れた場所で何が印象に残ったか、自分の村で何を試したいと思ったか、などをひとりひとり発表しました。
多くの参加者が、ブキッ・ティガプル国立公園(TNBT)の森がとても豊かであることに気づきました。同時に、ちゃんと守られていない、とも感じたようでした。それは、きちんと守られた森(Rumbioの森)を見学した影響かもしれません。
また、整備されたゴム園や有機肥料を使った野菜づくりなどは、自分たちにもできそうだ、と感じた様子です。
SERAIのディレクターのリキさんは、なにより「住民グループ」を作ることを真っ先に支援したい、と話していました。住民グループがあれば、地方政府からいろいろな支援が受けられるのですが、今までそのことを住民に伝えて、サポートしようとした団体はいませんでした。
国立公園の管理事務所には住民を支援するための部署があるようですが、彼らでさえお金がないことを理由に率先して村に行こうとはしてこなかったのです。
実際のところ、ツアー参加者がこのツアーに参加したことで急に目覚め、熱心にゴム園を整備したり野菜作りを行ったりはしないだろう、と私は思います。それを行うには、まだまだサポートが必要です。
まずは、サダン村で今年度ゆいツールが実験する有機肥料を使った野菜農園を、他の村の人が見に来たり話を聞いたりして、興味を持ってくれたらいいなと思っています。
次回は、ゆいツールの活動を現地でサポートしてくれているSERAI(スライ)とPKHS(ペーカーハーエス)という団体について紹介しようと思います!
(山)
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