ゆいツールブログ:NPO法人ゆいツール開発工房(ラボ)

人と人、人と自然、人と環境などを「結う(ゆう)」ということに関して、団体の活動やスタッフの思いなどを紹介していきます!

今できること。活動(行動)範囲を狭めよう!

2020年04月20日 | ●コラム:新型コロナ関連

◎ ◎ ◎ スタッフコラム ◎ ◎ ◎

引き続き、新型コロナ関連のコラムです。

時々、状況を記しておくことは、振り返ったときに参考になるな、と思ったので、記録として書いていこうと思います。

4月20日の状況としては、世界で240万人以上の人が感染し、日本では10,751人(4/20 23:00時点、クルーズ船などを除く。厚労省などによる)の感染が確認されています。アメリカの感染者は76万人を超え、スペイン、イタリア、ドイツ、イギリス、フランス、中国、トルコ、イラン、ベルギー、ロシア、ブラジル、カナダ、オランダ、スイス、ポルトガル、インド、アイルランド、オーストリア、ペルー、スウェーデン、イスラエル、韓国に次いで、日本となっています。(4月19日現在)

ゆいツールが活動しているロンボク島は、西ヌサトゥンガラ(NTB)州に分類されますが、NTB州ではすでに感染者が72人に達しています。(4月19日時点)

※比較のため⇒3月29日のブログ

インドネシアのスマトラ島のあちこちにいる友人と連絡をとると、「外出制限中だよ」「怖くてどこにもでかけられないよ」「医療設備が整っていないから、(この付近で)感染者が出ないことを祈ってるよ」と言っています。もちろん、ロンボク島も状況は同じです。

NTB州の感染者を見ると、30代~50代の感染者が割と多い印象です。活発に外に出て活動している人たちなのかな、と思います。

インドネシアの友人たちの全体的な反応は、日本人のそれよりも恐怖心が強い感じがします。

それはおそらく、医療が十分に発達してない国なので、重症になったらまず助からない、ということと関係しているのでしょう。

そのため、日本のように、「自分は大丈夫だから」「若いから問題ない」などと言った自己判断で、人が集まりそうな場所(日本の場合、今やそれは商店街に移りました)へでかけて行く人はいないようです。

また、ロンボクの場合、自警・自治能力が高いので、車やバイクが通れないように村に入る道を塞いだり、見回りをして、見知らぬ人が訪れた時にはその目的や場所を把握したり、人の出入りを監視するシステムが働いているように思います。

最近の日本(東京)は、繁華街の商業施設が営業を自粛してやれやれ人通りが少なくなったな、と思っていたら、今度は「戸越銀座」や「神楽坂」、「谷中」「吉祥寺」と言った、商店街が大賑わいになってしまっているとのこと。

本来であれば、お客が増えて喜ぶべきところですが、今は、人が集まるところは危ない、という常識が浸透してきたかな、という時期。

おでかけした人たちは、近所の人の他、よく買い物に訪れていた人たち(いつも買う物を買おうとしただけ)や、商業施設が閉まっているから同じようなものを売っている場所へ買い物に来た人たち、お散歩がてらお店をぷらぷらしたいな、とごく自然に思った人たちなどが多かったのかもしれません。中には、未だ無頓着な人たちも数%はいるかもしれません。(ひょっとしたら県をまたいでおでかけしてしまった人もいたかもしれません)

さて、人々が集まってしまった結果は、2週間後に現れます。

2週間後、ちょうどゴールデンウィークが終わる直前。緊急事態宣言は解除されるのか、どうなるのか、と注目されている時期です。

解除されることは、ないでしょう。

だって、たくさんの人たちが、密集してしまったから。

今は、感染者が多い大都市から地方への移動を自粛するように声がかけられているため、地方への感染者の拡大は食い止められるかも、しれません。でも、東京の感染者は現在の約3,000人から、万単位に増えているかもしれません。そして、神奈川県・埼玉県・千葉県など、近隣の県の感染者も千人単位に増えるでしょう。

いくら医療体制が整っている日本でも、今の時点で医療崩壊が危ぶまれているというのに、2週間後感染者数がもっともっと増えていったら、どうなっているでしょうか。

3月29日のブログに書いた、「人工呼吸器を、お年寄りからもっと若い重篤な人へ、付け替える行為」が発生しているでしょう。

助かる命が、助からなくなっているでしょう。

院内感染も、今全国あちこちで発生しています。病院が、その機能を失ってしまったら、地域の医療はどうなってしまうでしょうか。

そうならないために、一人一人ができること。

●活動(行動)範囲を小さくしよう。(電車やバスを使わない移動に留める)

田舎の場合は、自家用車の移動は安全ですが、目的地がどこか、というのが重要になりますね。

商業施設でのショッピングではなく、自然の中で誰にも会わずに散策などは問題ありませんね。

●人と会わないように。話し込まないように。両手を伸ばして触れる距離に近づかないように。

ソーシャル・ディスタンシングという言葉が、あります。1.8メートル(約2メートル)の距離を空けましょう。

スーパーのレジに並ぶとき、買い物しながら人とすれ違うとき、意識して距離を保ちましょう。

●人と一緒に室内にいるときは、換気を心がけよう。

複数で車に乗るときも、窓を開けて空気の流れを作りましょう。

●SNSやインターネットを活用しよう。

人と繋がるとき。買い物をするとき。情報を集めるとき。

対面がいい、アナログがいい、ネットは好きじゃない、という人も。今だけは。

孤立しないために。生活を維持するために。心の健康を保つために。

 

この、苦しい日常を早く終わらせるために、人との接触を減らしましょう。

(山)

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「人類はこの危機を乗り切ることができるのか?」ETV特集を見て考えた

2020年04月14日 | ●コラム:新型コロナ関連

◎ ◎ ◎ スタッフコラム ◎ ◎ ◎

数日前に見た、NHKのETV特集に刺激を受けました。

ETV特集「緊急対談 パンデミックが変える世界~海外の知性が語る展望~」(2020年4月11日放送)

政治学者…イアン・ブレマー(アメリカ),歴史学者…ユヴァル・ノア・ハラリ(イスラエル),経済学者・思想家…ジャック・アタリ(フランス),●キャスター 道傳愛子

特に印象に残ったのは、ハラリ氏とアタリ氏。番組の一部を、以下に紹介します。

***

ハラリ氏の言葉から。

「次の2か月から3か月の間に私たちは世界を根底から変える壮大な社会的・政治的実験を行うことになるでしょう。」

「この緊急事態において自由市場にだけ頼ることができないのは誰の目にも明らかです。一部の国は経済システムと雇用システムをより良いものに作り変えるいい機会となりうるでしょう。私たちは選択肢が数多くあることを理解すべきです。そしてそれらは政治的選択です。これは事前に決まっていることではありません。ウイルスが私たちに変わって決断するわけでもありません。それは政治家の仕事であり、政治家を監視する市民の仕事です。」
「メディアと一般の人たちはウイルスの流行にだけ感心を持つべきではないと言いたいです。『今日は感染者は何人だった』とか『病院に何台の人工呼吸器がある』といった話は重要ですが、政治状況にも焦点を当てるべきです。」

全体主義的な体制が台頭する危険性があります。ハンガリーが良い例です。形式的にはハンガリーは民主国家ですがオルバン政権は独裁的ともいえる権力を握りました。それも無期限の独裁的権力です。緊急事態がいつ終わるかはオルバン首相が決めます。ほかの国にも同様の傾向があります。非常に危険です。通常、民主主義は平時には崩壊しません。崩壊するのは決まって緊急事態の時なのです。

アタリ氏の言葉。(キャスターとのやりとりから)

Q「このパンデミックは、私たちに何を警告しているとお考えですか?」

アタリ氏「多くのことです。衛生、社会の透明性、そしてパンデミックの警告を世界で共有するルール作りの重要性について」

Q「コロナ後の世界はどうなっているでしょうか?最悪のシナリオとは」

アタリ氏「最悪なシナリオは世界的な恐慌、失業、インフレ、ポピュリストによる政府の誕生。そして長期不況による暗黒時代の到来です」

「他にも非常に悪いシナリオが起こりえます。新しいテクノロジーを使って国民の管理を強める独裁主義の増加です。例えば、中央ヨーロッパでハンガリーなどの政府がしたように、パンデミックを独裁主義に向かう口実にするのです。それが一つの脅威です」

「さらに、経済、健康、そして民主主義への脅威もありますね」

Q「このパンデミックの中で差別や分断が以前よりめだってきているのではないと懸念しています。それには同意しますか」

アタリ氏「はい。連帯のルールが破られる危険性が極めて高いです。つまりは利己主義です。経済的な孤立主義が高まる危険もあります。他の国に依存しすぎるべきでないというのは一面の真実です。たとえば『どうかエチオピアにマスクを売ってくれ』と中国に懇願しなくてもすむように。しかし、だからといって、国境を閉ざしてしまうべきではありません。私たちはもっとバランスの取れた連帯を必要としているのです。」

ナレーション

<今こそ連帯が必要だというアタリ氏は、これまで利他主義という思想を主張してきました。今回の危機を受けて改めて利他主義への転換を広く呼び掛けています。「パンデミックと言う深刻な危機に直面した今こそ『他者のために生きる』という人間の本質に立ち返らねばならない。協力は競争よりも価値があり、人類は一つであることを理解すべきだ。利他主義という理想への転換こそが人類サバイバルのカギである。」>

ポジティピズムや楽観主義について

アタリ氏
「まず、ポジティピズムはオプティミズム(楽観主義)とは異なります。たとえば、観客として試合を見ながら『自分のチームが勝ちそうだな』と考えるのが楽観主義です。一方、ポジティピズムは、自らが試合に参加し『うまくプレイできればこの試合に勝てるぞ』と考えることです。そういう意味では私はポジティブであると言えるでしょう。私は人類すべてがこの戦いに勝てると考えています。自分たちの安全のために最善を尽くし、世界規模で経済を変革させていくことができればきっと勝てるでしょう。今の状況は私が『ポジティブ経済』と呼ぶものに向かうとても良いチャンスだと思っています。ポジティブ経済とは、長期的な視野に立ち、私が「命の産業」と呼ぶものに重点をおく経済です。生きるために必要な、食料、医療、教育、情報、研究、イノベーション、デジタルなどの産業です。生きるのに本当に必要なものに集中することです。」

利他主義とは

アタリ氏
利他主義は合理的利己主義にほかなりません。自らが感染の脅威にさらされないためには他人の感染を確実に防ぐ必要があります。利他的であることは、ひいては自分の利益となるのです。また、他の国々が感染していないことも自国の利益になります。たとえば日本の場合も世界の国々が栄えていれば、市場が拡大し、長期的にみると国益につながりますよね」

***

引用長くなりました。

今回のコロナ禍の中で、私がずっと感じているのは「これは、今生きている人類にとって初めての経験である」ということです。

かつて、スペイン風邪、と呼ばれたインフルエンザの大流行や、もっと昔のペストなどの伝染病などを、人類は経験してきました。

でも、今を生きている私たちは、こんなに世界規模で広がる感染症を目にするのは、初めてなのです。

おまけに、インターネットの発達のおかげで、現時点の世界の様子が瞬時にわかる、というのも。

「街に出てはいけない。家にいましょう」そんな呼びかけを聞いたのも、これが初めてです。

できればお店を閉じてください。会社に行かないでください。そんなお願いを耳にすることがあるなんて。

「商売をしなければお金が入ってこないよ。生きていけないよ」「働きに出なければ食べるものを買えないじゃない」

本当です。でも、外に出ると感染のリスクが高まって、事態の収束に時間がかかってしまうのです。

政府が補償を速やかに行わないことに批判が集まります。最もです。

私たち国民が、豊かに暮らせなくなるということは、国全体の経済がこの先長い間不況にあえぐようになる兆しです。

いったい、どうすればよいのか、と思います。

ひとつわかっているのは、政府は(おそらく世界中の政府が)パンデミックが起った時のための予算など、用意していない、ということです。(少なくとも、休業することで被害を被った企業や商店やフリーランスやその日暮らしをしている人たちに生活を保障するための十分なお金を)

平時のつもりで予算を組んでいて、そこで思ってもいない支出が発生する、ということに、今びっくりしている状況だと思います。

日本で暮らしている私たちが、この危機を乗り越えるために、今必要なことはなにか。

たくさんの人が声をあげています。

「ここにも人がいるよ」「私たちのような仕事をしている人たちがいます」「私たちも、日本を豊かにするために貢献してきました。助けてください」

声をあげなければ、政治を行っている人たちに声を届けなければ、助けは来ません。

そして、今後、同じような危機がやってきたときに、私たちはどういう社会であったら、今回のように不安に苛まれなくてすむのか。

それを、ひとりひとりが考え始めなければいけないのでは、と思っています。

そのために、上にあげたような世界の知性に触れ、学び、身近にいる人たちと意見を交わしていくことは、コロナ禍のまっただ中にいる私たちに、できることのひとつではないでしょうか。

(山)

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活動する上で大事なこと・・・決めるのは地元の人、それから人づくり

2020年04月10日 | 11. ≪スタッフコラム≫

◎ ◎ ◎ スタッフコラム ◎ ◎ ◎

新型コロナウイルスに阻まれ、しばらく現場(ロンボク島)に行くことができないゆいツールですが、毎年この時期は「ふりかえりと計画づくり」をしています。

「ふりかえりと計画づくり」については、以前のブログ(2017年05月01日)に書きました。

2019年度にやりたかったこと、やれなかったこと、達成できたこと、2020年度も続けていきたいこと、新たにやりたいこと・・・。

いつも思うことは、予算を取るために具体的な計画を立てるのですが、細かな道筋をびっしりと決めすぎて進むよりも、大まかな方向性と到達点を決めて、細かなことは現場で決めていけるようにするのがよいなぁということです。

なぜなら、本当は決めるのはロンボクの人だから。

(バリで。2019年12月撮影)

世界には、よい事例がたくさんあります。例えば、自然エネルギー(太陽光利用や小水力発電など)について。例えば、バリのグリーンスクールのようなエコ教育について。

そういう成功事例を、木の苗木のように持ってきて、地元の人の意見も聞かずに勝手に植えつける、という活動方法があるかもしれません。

立派な花が咲いて、大きな実がなるかもしれません。うまくいけば。

でも、よそ者が持ち込んで、地元の人たちが参加していない活動は、それは持続可能ではないのではないか、と私は考えます。

(ロンボクの場合は、たいてい妬まれて根こそぎ掘り起こされて枯れる、と末路を迎えます。これは、たとえ地元の人が持ち込んだものであっても、根回しをしていないとたいてい同じ結果になります)

私は本当は、計画の段階から、地元の人たちと一緒に作っていきたい。

でも、短い滞在期間で、適切な人たちを集めてワークショップなどを開いて、計画を作っていく、というのは現状では難しいので(何しろ、計画をする段階では予算がついていないので)、ひとまず計画はゆいツールが作ります。

そして、だいたいこんな活動をしたいんだけど、と一回目に渡航したときに、協力してくれる人たちと打ち合わせをします。

今まで、よく聞いたのは「Kaori(つまりゆいツール)が、やりたいことに協力するよ」「成果が出て、ゆいツールが成功するためにがんばろう」という言葉です。それは、違うんだけどなぁと私はいつも思っています。

環境教育のための活動は、ゆいツールが成功するために行っているわけではないのです。

インドネシアの人たちは、とてもやさしいので、「(ゲストを)がっかりさせてはいけない」「せっかくプロジェクトを作ってくれたんだから、よい結果(見せかけだけでも)を持って帰ってもらわないと」と考えるのが常です。

ゆいツールは、最低でも、地元の人(ゆいツールが繋がっている団体や若者たちなど)がやりたい、と言ったものから活動を作るようにしています。

ビジネスでないので、これやったら絶対成功するぞ、というものを、勝手に計画することはありません。

(ロンボクで。2019年12月撮影)

実はインドネシアの中でも、企業のCSR活動や行政の支援の枠で、市民や団体の活動に予算がつくことがあります。

これらは、日本の助成金と一緒で、プロポーザル(企画書)を書いて申請するものです。

でも、訓練されていない人がいきなり、立派なプロポーザルは書けません。

そして、その前に組織を作っていなければいけません。

私の知る限り、ロンボクの人たちは、組織づくり(マネージメント)がとても苦手のような感じがします。少なくとも、市民活動においては。

そのため、自分たちがやりたいと望む活動に、上手に予算を取りに行くことができません。

(活動主体となる上質な組織がないため。プロポーザルを書く前提としての訓練ができていないため)

本当であれば、地元の人たちが自分たちの国の中のお金を使って、自分たちのやりたいと思うことをやれるのが一番です。

でも、環境分野に関しては、そこはまだ十分にできていないところだな、と感じます。

(ロンボクで。2019年12月撮影。ドラゴンフルーツの花のつぼみ)

さて、そんなわけで、ゆいツールは人づくりにも重点を置いています。

ゆいツールがやりたいことを、地元の人に命令して、言ったとおりにやるようにするだけでは、人は育たないと私は考えます。

時間がかかっても、地元の人たちと一緒に考えて、できるだけ彼らを主体にして、目標地点に向かって進むこと。

残念ながら、人づくりはすぐに成果が出ません。

「井戸を掘る」「学校を建てる」「リサイクル工場を作る」そんなわかりやすい結果が、すぐに現れるものではないのです。

おまけに、人なので、仲間割れをする、とか、育てていたと思ったらどこかに行ってしまった、とか、スムーズにいかないこともしばしば。

だから私は、昨年9月に知り合った、ロンボクのプラマさんはすごいと思うのです。

Perama Tour & Travelという、一大旅行会社を築き上げたプラマさんは、引退して、ロンボク島のナルマダ地区スラナディ村でガーデンづくりと人づくりをしています。

今年の1月に東ロンボクのマングローブ林を見に行った時に、そこでマングローブの見回りなどの管理をしている住民グループの男性が、プラマさんのところで色々学んだ、と言っていて、ああ、と思いました。

その人は、マングローブ林や珊瑚礁を守るために、ボートを止める桟橋まで浅瀬に乗り上げることは本当はしたくないのだ、と言っていました。

できれば、桟橋をもう少し遠いところに作って、そこからカヌーなどでマングローブ林を見て回れるようにしたいと思っている、と計画を話してくれました。

(東ロンボクのギリ・ランプ島付近のマングローブ林)

少しでも、環境を気にかける人が増えることが、インドネシアの今後の環境保全に繋がっていくと思います。

今年度は始まったばかりです。予想外の出来事で、3-4ヶ月は何もできませんが、ゆいツールはあきらめず新しい予算を探しながら、計画を温めていこうと思います。

アフターコロナのビジョンを、具体的にイメージしながら、日本でもロンボクでもしばし、籠り生活です。(山)

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C.W.ニコルさんを偲んで・・・

2020年04月04日 | 11. ≪スタッフコラム≫

◎ ◎ ◎ スタッフコラム ◎ ◎ ◎

C.W.ニコルさんが亡くなられました。(79歳、2020年4月3日、直腸がんのため)

環境保護活動家で作家、という肩書きですが、私にとっては東京環境工科専門学校の名誉校長という存在でもありました。

私は高校3年生の時に、C.W.ニコルさんと畑正憲(ムツゴロウさん)の対談集「森からの警告」(ソニー・マガジンズ出版)を読みました。

自然を守る仕事に就きたい、と考えるきっかけになった本でした。

私は、大学入試(推薦)の小論文を、この書籍について書きました。

北海道の大学を卒業し、社会人を4年経験してから、改めて東京環境工科専門学校で自然環境保全について学ぼうと思い、入学したところ、ニコルさんが名誉校長だと知りました。

在学中に、教室で一回、実習地(長野県黒姫)で一回、話を聞いた記憶があります。

ニコルさんはウェールズ出身で、最初に教室で話を聞いたときに、「イギリスという国はないんですよ」と言われてびっくりしたことを思い出します。

専門学校の実習地、黒姫には、ニコルさんが作った「アファンの森」があり、私たちも見学する機会がありました。

そして、卒業後、何かの催し物で話を聞いて会場で挙手して質問したこともあります。

それから、環境を守る立場になって仕事をするようになって、専門学校の先生に誘われて、ニコルさんと直接会ってお話しする機会がありました。

ニコルさんは、自然をとても愛していました。

専門学校で私たちは、自然について正しい知識を身につけ、それを守れる人になるように、と育成されました。

(黒姫実習の様子)

現在、多くの仲間たちが、日本中で、自然を守る活動(農業を含め)に携わっています。

ニコルさんは酒豪で、専門学校の先生から、ニコルさんに関わるエピソードを何度か聞いたこともありました。

近年は、毎年4月に東京代々木公園で開催される、アースディ東京イベントの実行委員長をされていて、イベントを通してニコルさんの元気な姿を見ていました。

ニコルさんから教わったこと、専門学校で学んだこと、しっかり胸に抱きしめてこれからも自然を守る活動を続けていきたいです。

(山)

(黒姫実習地で。ねずみの標本づくり)

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