ゆいツールブログ:NPO法人ゆいツール開発工房(ラボ)

人と人、人と自然、人と環境などを「結う(ゆう)」ということに関して、団体の活動やスタッフの思いなどを紹介していきます!

高専の先生がロンボクでごみの調査!?(続き) in Lombok

2022年12月31日 | ⇒【高専教員(2022年12月)】

前回のブログの続きです。

12月中旬に、木更津工業高等専門学校の先生がおふたり、ロンボク島にごみ調査にいらっしゃいました。

西ロンボクのクブン・コンゴッというところにあるごみの埋め立て地(TPA)を見学した後、近くのグルンにある廃品業者を訪ねました。

Yui-Tool telath membawa tamu ke tempat pengepul di Gerung, Lombok barat.

ここは私も初めて訪れたところで、操業を開始してまだ数ヶ月しか経っていないとは思えないほどの規模でした。

お話を伺ったのは、ズルさん。回収したごみは、すべてスラバヤ市(インドネシア東ジャワ州の州都)に送っているそうです。

(↑ 白い帽子の男性がズルさん ↓)

ロンボクでごみの調査をしていると、必ず耳に入るスラバヤという名前。

ズルさんの話によると、プラスチックの種類によって送る工場が違うそうです。

プラスチックを、できるだけ細かく分類してきれいにすれば、買い取り価格も高くなります。

ゆいツールが通常接しているごみ銀行は、ある程度のごみをまとめてこのような大きな廃品業者に売っています。

規模の大きな廃品業者でないと、プラスチックの細かな選別や洗浄ができません。

さて、早速現場を見せてもらいました。

ぺしゃんこにされたペットボトル!

そして。そこかしこにごみ袋。

ごみ袋が山積みされているところで、作業している人がいます。

飲料水専用のプラスチックグラスだけを選別しているようです。

こちらは、分別前の様々なプラスチックごみ。

そしてこれらを、同じ種類、同じ色のプラスチックに分類します。

分類したら、粉砕しながら洗浄します。

きれい・・・と言えばきれい。(ただ、この排水にはマイクロプラスチックが大量に含まれているはず・・・)

ここまで、プラスチックを選別すれば高く売れる、というのも頷けます。

日本であれば、工場の中ですべて機械化されリサイクルされているのでしょうが、インドネシアのような新興国では作業現場は野ざらしです。

もともと、集めてリサイクルしていなければそのまま土に埋められる運命だったプラスチックごみたち。

多少の排水の問題はあっても、できるだけ集めて選別・洗浄してスラバヤに送った方が環境にはよい、のでしょう。

見学した先生方は、「次はスラバヤに行かなければ!」と意気込んでいました。

私も行ってみたくなりました。インドネシアのリサイクル拠点スラバヤへ。

(山)

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高専の先生がロンボクでごみの調査!? in Lombok

2022年12月23日 | ⇒【高専教員(2022年12月)】

12月14日からロンボク入りしているゆいツールです。(報告が遅くなってしまいました)

同じタイミングで、木更津工業高等専門学校の先生がおふたりロンボク島にいらっしゃいました。

目的は、ごみに関する調査。

今回は、調査のハイライト「ごみの埋め立て地見学」「廃品業者見学」の部分について報告しようと思います。

Yui-Tool telah menerima tamu dari Jepang untuk penelitian tentang masalah sampah di Lombok.

(ごみ山でごみを集めている女性にヒアリング中)

前日に、州の環境森林局であれこれ情報を収集してから、西ロンボクのクブン・コンゴッというところにあるごみの埋め立て地(TPA)を訪問しました。

このTPAには、下水処理場もありました。それから、ごみ山からしみ出す排水を貯めている水槽や、石炭発電の補助剤として使う、有機ごみ(木の枝や葉など)とプラごみを混ぜて粉砕したものなど、色々見学しました。

(し尿を貯めているプールのひとつ)

TPAの責任者ラドゥウスさんに話を伺うと、このTPAは本当は2021年度でごみの受け入れを中止しなければいけなかったそうです。

すでにキャパシティ越えで、今のごみ山の隣に同じくらいの規模で埋め立て地が準備されている、ということでした。

それから、コロナ前は40人くらいだったごみ収集人が、今は250人もいるとのこと。

そのうちのひとりに、埋め立て地で話を聞いてみました。

「どうしてこの仕事を選んだのですか?」⇒「他に選択肢がなかったから」

「ご主人は?(家族は?)」⇒「亡くなった。ふたりの子供がいる。ひとりは31歳、ひとりは中学生」

「どれくらいの稼ぎがありますか?」⇒「1週間で150,000ルピア(約1,300円ちょっと)」

「健康についてなにか不安はありますか?」⇒「現在のところ元気」

その他「州政府は、ごみ収集人がいる村にお米や水などを支援することはあるが、健康についてはなんの保証もない」「ごみ収集人は、行政が雇っているのではなく、ゴミ捨て場に自由に入ってきてごみを探している」「ごくたまに現金が入った袋や金などを見つけることがある」など、情報が得られました。

ロンボクでは最近、ごみを分別して捨てるように、というルールができました。

マタラム市のごみは、それまでと比べて1日あたり15トンほど減ったそうです。

最近ロンボクでは、BSF(ブラック・ソルジャー・フライ)というシステムが稼働しています。

(2020年1月に州の環境森林局を訪問した時に、その話を聞いていました。⇒こちら

(ロンボクのリンサールにあるBSFの施設の動画←ただし、インドネシア語)

それにしてもすごい量のごみですね。

となりに用意されている次の埋め立て地の様子です。(5㏊)

象徴的な風景です。(ごみがあって、モスクがあって、遠くに山)

ごみだらけ。

心配していた雨も降らず、ごみ山を十分に見学でき、先生方も満足していました。

ちょっと、ごみでお腹いっぱいになってしまったので、「廃品業者見学」については次回書きます。(次の報告はこちら

追記:

この日、お客さんに付き添ったゆいツールボランティア(サマラスメンバー)のマデくんに、「マデくんの村の近くにTPAができたらどうだろう?村の人たちがごみから収入を得られるようになるよ」と言ってみたところ、口をへの字にして首を振って「せっかくの景勝地が台無しになる。ごみ集めは最後の最後の手段だ」と言っていました。そして、後日「あの、ごみ集めをしている女性たちの姿を見て、僕はとても悲しかった」とも言っていました。

(マデくんとごみ)

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