ゆいツールブログ:NPO法人ゆいツール開発工房(ラボ)

人と人、人と自然、人と環境などを「結う(ゆう)」ということに関して、団体の活動やスタッフの思いなどを紹介していきます!

はちみつグァバ(ジャンブゥ・マドゥ)を育てよう! in Sumatera

2016年03月19日 | 8. スマトラでの活動

最近、スマトラ島で流行っている「はちみつグァバ(ジャンブゥ・マドゥ)」。都会のスーパーで高値で売られています。Jambu madu di Sumatera.

これは、農業指導員のサイフルさんが自宅で育てているものですが、実は同じ苗木をブキッ・ティガプル国立公園(リアウ州)近くのレマン村の農業グループにも、50本提供しています。

9月に様子を見に行った時のようすはこちら

今回(1月末)は、サイフルさんによる第2回目のセミナーを実施しました。

1回目は、昨年8月末に「ジャンブゥ・マドゥとは何か?植え方と育て方など」について教わりましたが、2回目は「害虫対策と、よりよい収穫を得るための管理方法」などを学びました。

Pak Saipul..

サイフルさんは農業局のスタッフですが、ゆいツールの活動へは2013年から個人的に協力してくれています。

スマトラでの数々の出来事が、私のやる気をくじかせる中、サイフルさんだけは期待を裏切らず、時間を惜しまずいつも積極的に協力してくれました。

セミナーでは、プカンバル(リアウ州の州都)でジャンブゥ・マドゥの畑を持っている農家の方が紹介されているテレビ番組を、農業グループメンバーに見てもらいました。

セミナーでは、肥料の与え方や害虫対策、実がついたときの管理の仕方などを学んだ後、村人が実際に育てている木を回って、余分な葉を摘んだり、殺虫剤をまいたりしていきました。熱心に話を聞く村人たち。

殺虫剤をまくサイフルさん。村人は、これが毒であることを理解しているので、吸い込まないように気をつけていました。

いらない葉っぱを取り除く。

村人は、今まで「かわいそうに思って」葉っぱを茂らせるにまかせてきましたが、管理のためにはいらない葉っぱを摘むことも大切なのだと理解しました。

はちみつグァバは、今レマン村で順調に育っている、はずです。

ゆいツールのスマトラでの活動(森に関する活動)は、いったんこれで終了となります。

4年間の活動で得たものや失ったものなどについては、そのうちスタッフコラムとして書こうと思います。

1冊の本としてまとめても、まとめきれないほどの物語がありました。

ゆいツールが現場に残せたものは、このグァバの木以外にあったのだろうか、と自問しています。

最後は、活動の中で訪れたテッソ・ニロ国立公園(TNTN)での子象とのツーショットです。

どうか、野生のゾウやトラやバクが生きていく森が、スマトラにずっと残されますように。

(山)

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ゆいツール初のイベントを開催しました! in Tokyo

2016年03月14日 | ⇒2015年度(日本)

3月13日(日)に、都内でゆいツール初のイベントを開催しました。

Yui-Tool sudah membuat acara untuk promosi tentang Lombok pada tanggal 13 Maret 2016.

バリ島のとなりにありながら、日本人にほとんど知られていないロンボク島について、お話させていただきました。

ときには、クイズが挟まったり。

「ロンボクのリンジャニ山は、富士山よりも高い?低い?ちょうど同じくらい?」

ゆいツールのエコツアーに参加された方にもお越しいただいて、感想なども話してもらいました。

↑ 昨年末にロンボクを訪れた高校生のおふたり。

↓ 昨年9月にロンボクを夫婦で訪れた方。

高校生たちは、「生きた鶏を絞めるところを見て、衝撃でした」と言っていました。

9月のツアーの参加者は、「普通では見られない、触れられない現地の生活の中へ案内してもらって、貴重な体験でした」とお話されました。

休憩時間には、ロンボクで仕入れたヤシ砂糖入りコーヒーと、ヤシ砂糖&スパイス入りしょうが茶を試飲していただきました。ヤシ砂糖の味見も。

販売コーナーでは、それらの飲みものと一緒に、プラスチックごみを活用した商品も並べてみました。

ゆいツールが開発したプログラムセットも展示しました。

お話の後は、せっかくなので参加者同士でおしゃべりする時間を設けました。

そして、それぞれのグループで何が話されていたのか、ゆいツールのボランティアスタッフが共有していきます。

↑ ボランティアのYさん。

こちらのグループでは、「明日からロンボクへ行きます」という参加者の方がいらっしゃいました。

ボランティアのIさん。(左端)

参加者のみなさんからは、「ロンボク島とバリ島で、隣り合っているのに宗教が違っていて面白い」「観光地なのに、ごみがたくさんあるとお客さんは行きたくなくなるのでは」「ロンボクは行ったことがないけど、興味がわいた」「昔のくらしとどれくらい変わったのか」「なぜ、ごみになるのに個包装のものを買うのか」などなど、さまざまな声が聞かれました。

ゆいツールでは、これから現地で日本からのお客さん(あるいは現地在住の日本の方)を受け入れて、いろんなエコツアー(ロンボクが体験できるツアー)を開発・発展させていきます。

とくに、「エコ」に特化しなくても、いつもよりじっくりロンボクを味わいたい、あるいは一日だけたっぷり体験したい、などご要望に応じてアクティビティを組み立てていきます。

ご希望の方は、ご相談ください。問い合わせはこちら

イベントにお越しいただきましたみなさん、どうもありがとうございました!

(山)

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若者たちとギリ島(観光地)へスタディツアー!? in Lombok

2016年03月07日 | ★2015年度(ロンボク)

2月後半の土日に、ロンボク島の北にある小さな島、ギリ・メノ島とギリ・トラワンガン島へ現地の若者を連れてスタディツアー(ごみの調査)に出かけました。

Yui-Tool mengajak muda-mudi di Lombok ke Gili Meno & Gili Trawangan untuk belajar tentang sampah.

一緒に行ったのは、ゆいツールメンバーのティアさん(Mbak Jenithia)とラフマンくん(Mas Rahman)、ティアさんの友達のスシさん(Mbak Susi)、ラフマンのくんの友達のジュアンダくん(Mas Juanda)、それから日本語を勉強中のエノンくん(Mas Enong)とタルミジくん(Mas Tarmiji)。

ギリ・メノには、DIANA Bungalow(ディアナ・バンガロー)を経営するご夫婦(奥さんが日本人)がおり、増え続けるごみの問題に胸を痛めている、という話を知り合いから聞いて、訪れてみることにしました。

宿泊したバンガロー。シンプルで素敵でした。(ただ、ギリ・メノは水道水が塩水というのが困りもの)

併せて、昨年6月に訪れたギリ・トラワンガン島のごみ処分場の様子も見に行きました。

ギリ・メノでは、バンガローを経営するご夫婦のご家族や従業員の方などを集めて、ごみについて考えるプログラムを実施しました。

ついでに、クラフトづくりも少しだけ体験してもらいました。プラスチック袋の再利用、という新しい視点に、住民のみなさんは興味津々でした。ギリは、ギリ・メノとギリ・トラワンガンの他に、ギリ・アイルという島もあって、その3つが仲良く並んで海に浮かんでいます。

ギリに住んでいる人は、生粋のロンボク人ではなくて、おじいさんくらいの代に他の島からギリに移り住んで来た人が多いようです。

ロンボク島というと、そのギリ島しか行ったことがない、という観光客も多いと言います。というのも、となりのバリ島から船が出ていて、ロンボク本島には行かずにギリ島だけでとんぼ返りで帰ってしまうことが多いからです。

ギリ・メノは比較的静かな観光地ですが、トラワンガンはがちゃがちゃとにぎやかな(インドネシア人がほとんどいない)観光地です。

さてそんなギリですが、小さな島だけにごみの問題も深刻そうです。

ごみ探しにでかけると、こんなものがありました。

いらなくなったサンダルの再利用。面白いですね。

それから、ごみを燃やしている人に出会いました。

施設はお粗末でしたが、なぜごみを燃やしているか尋ねてみると、家の土台などで使うブロックに灰を混ぜるためだ、という答えでした。

(後ろ姿の青いTシャツの男性にインタビューをしました。)

燃やしたあとの灰。

煙の害が心配でしたが、ごみの再利用という意味で、一緒に行った若者たちは感心した様子でした。

翌日、ギリ・トラワンガンに渡って、廃品業者がごみを集めている場所を見ました。

観光地なだけに、ペットボトルの量がとても多いです。

これらは毎日大量に島の外に運び出されている様子。(昨年浜辺で見た光景)

でも、他のごみは?生ごみをコンポストにしょうという動きもあるようですが、今回は確認できませんでした。

もう一か所、ごみの処分場(集積場)へ若者たちを連れて行きました。

やっぱり牛さんが食事をしていました。

さまざまなごみが積み重なっている中にずんずん進んでいきます。ふと振り返ると、メンバーの半分がいません。

あとで聞くと、「さっきウジ虫を見ちゃってさ。僕、へびとウジ虫はだめなんだ。吐きそうになった」と言っていました。怖気づいたのは男の子ばかり。

今回はごみを捨てている人がいたので、インタビューをしてみました。

どこからごみを運んでいますか?「ホテル(宿泊所)とか店とかだね」

この仕事をしてもうどれくらいですか?「13年だよ」

前はどこにごみを捨てていたんですか?「あっちだよ。今はバンガローが建っているところ」

あの建物の下にごみがあるんですか?「そうだよ。ここも、乾季になると燃やしてかさを減らすんだ」

ごみの量は1日どれくらい?「1台のチドモ(馬車)で9往復して、9台がごみを集めてるよ。」81馬車も!?

この島に遊びに来ている観光客は、こんなゴミ捨て場の存在を知らずに海辺ではしゃいでいますが、知らず知らずのうちにごみの上に建ったバンガローに宿泊しているのかもしれません。

連れて行った若者たちには、「この光景はギリ・トラワンガンだけのものじゃないよ。ロンボク本島のごみ捨て場も同じだよ」と話をしました。

自分たちが捨てているごみがどこに行っているのか。若者たちはスタディツアーの中で現実を知ることができました。

今、世界の海を汚しているプラスチックごみの中で、2番目に多いのはインドネシアからのごみだそうです。

⇒「海へ投棄され流れ出るプラスチックごみが世界的な問題となっている中、インドネシアが海へ排出しているプラスチックごみは年間322万トン。882万トンを排出する中国に次いで世界第2位となっている。」じゃかるた新聞(2015年11月7日)

それはそうだろう、と現地を知る者としては納得がいきます。国民の誰も、自分が捨てているプラスチックごみの行方について関心を持っていないのだから。

むしろ、積極的に川にごみを捨てているのだから。

私は、インドネシアでごみを集めている貧しい人や彼らからごみを買っている廃品業者を見かけると、ありがとう!と駆け寄りたくなります。

彼ら以外に、ごみに関心を持つ人がいないから。

今は、ごみ銀行(廃品をお金と交換するシステム)という仕組みが広がりつつありますが、ロンボクではまだまだ数が足りません。

(ティアさんとゆいツールで協働運営しているウダヤナごみ銀行について

ゆいツールはこれから現地で、すでにあるごみ銀行と協力しながら、もっともっとごみ銀行を増やす活動を行う予定です。

(山)

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2016年3月13日に、東京都目黒区にてロンボクのお話イベントを行います。

お申し込みは、下記のメールアドレスへメールか、フェイスブックで「参加」ボタンをクリックしてください!

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ギリ・メノの海

 


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ロンボクで人材育成!?~活動を通して思いや知識、スキルを伝える~ in Lombok

2016年03月04日 | ★2015年度(ロンボク)

ゆいツールは、活動の中でインドネシアの若者たちの人材育成も行っています。(写真を持ってくれているのが、ゆいツールの仲間たちです)

Yui-Tool sedang mengembangkan sumber daya manusia(muda-mudi) di Indonesia dalam kegiatannya.

それは、ゆいツールの活動を補佐したり、一緒に活動したりすることを通して、オン・ザ・ジョブ・トレーニング(OJT)という手法で、ゆいツールの思い、環境問題に関する知識、環境教育を行うスキルなどを伝えていくことです。また、活動の中で議論したり、見たこと感じたことから自分自身で考えたり、若者同士で学びあうことも重要です。

今回は、ゆいツールと一緒に活動している何人かの若者を紹介していきます。

Ini member Team Yui-Tool..

1人目は、以前からブログにたびたび登場しているティアさん。(mbak Jeanithia yg ketua Bank Sampah Udayana)

マタラム市のウダヤナごみ銀行を運営しています。

忙しいティアさんに代わって、プラスチック袋の洗浄や乾燥、整理作業を行ってくれているのがウダヤナごみ銀行のリスさん。(Ibu Ris yg staff BSU)

(写真右から2番目の赤い布を被った女性) Foto ini di desa Lingsar akhir bulan 2 2016. 

リスさんは昨年の9月から、ウダヤナごみ銀行の仕事を手伝うようになって、今ではクラフトづくりも上手になりました。講習会でも、村の女性たちにクラフトづくりの細かなところを一生懸命教えてくれます。

昨年11月にゆいツールと出会って、1月2月のロンボクの活動で大活躍したのが、中部ロンボク出身のラフマンくん。(Mas Rahman)(白いTシャツの若者)

彼は、プラヤ市にあるアナック・バンサ財団(貧しい家の子供の教育を行っている団体)のクラフトの先生でもあります。

彼はゆいツールと出会って、ごみ銀行をやりたい、と思うようになりました。

フットワークが軽く、声をかけると中部ロンボクからバイクに乗って颯爽とかけつけます。

彼の村でも1月に講習会を行いました。ちょうど日本の大学生が来ていた時だったので、同じくらいの年の子と知り合えてお互い刺激になったようでした。

そして、プラヤ市のアナさん。(Ibu Ana dari kota Praya)(写真右側)

彼女は、ロンボクのムスリムの典型的な主婦像です。ムスリムの女性は(特に田舎では)、一般的に旦那さんの許可がないと自由に出かけることができません。

そのため行動範囲が狭く、新しい友達を得るチャンスも少ないのです。

ゆいツールは、そういった村の主婦が活躍できる場を提供すると同時に、ゆいツールの活動のサポートもしてもらって、女性の能力を高めていけたらいいなぁと思います。

ゆいツールはこれからますますロンボクで若い人材を育て、環境保全を担っていけるようにしていきたいと考えています。

(山)

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2016年3月13日に、東京都目黒区にてロンボクのお話イベントを行います。

お申し込みは、下記のメールアドレスへメールか、フェイスブックで「参加」ボタンをクリックしてください!

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