(中部ロンボク、ランタン村の田園風景)
2020年度、ロンボクでの活動がストップしているゆいツールです。
インドネシア全体では、COVID-19の累計感染者数は15万人を超えています。(8月25日現在)
ロンボク島のある西ヌサトゥンガラ(NTB)州は、約2,600人。(死者150人)
お隣のバリ島は、約4,600人。(死者54人)
そんな中、ゆいツールは予算もつかず、国と国の人の行き来もストップ、インドネシア国内では学校が再開されず、人が集まることもやりにくい状況が続いています。
何もできないね~、とぼんやりと状況を眺めていたら半年が過ぎようとしていました。
そんなとき、NGO仲間から「海外にいる仲間とコミュニケーションをとり続けること、モチベーションを保ち続けることが大事。フェイスブックやZoomとかを使って何か出来るんじゃない?」と言われました。
私も、4月頃にZOOMを使ってのミーティングを検討してはいたのですが、ロンボクの村の若者は通信状況が悪いから、無理だろうな、とあきらめていました。そうしたら、「ネパールもバングラデシュもミャンマーも普通にできたよ」と言うではありませんか。
日本国内では、3月以降すっかりリモート会議が定着して、おしゃべりや飲み会までもがリモートで行われる日々。
とりあえず、ゆいツールも若者たち(ドゥルカディ・チーム)との繋がりを維持し、こんな状況だけど何かできないかな、と意見交換するために実験的に8月から週一回くらいでミーティングを実施することにしました。(初回は8月5日に実施)
毎回オブザーバーとして、過去にロンボクエコツアーに参加してくれて、普段もゆいツールと密に連絡をとっている日本の若者をひとりづつ招待して、一緒にコミュニケーションをとってもらっています。
(8/12) (8/25)
ドゥルカディ・チームの方は、街に住んでいる現地アシスタント(ドゥルカディ・チームキャプテン)以外は、電波状況や農作業などの忙しさにより参加したりしなかったりですが、それでも、話しているうちに、やりたいことが思い浮かんだり、現地の状況がわかったり、少しづつミーティングが定着してきたところです。
現地の状況としては、子供たちの教育がどうなっているのか心配でしたが、学校が再開されないため家庭では親が教師に代わり与えられた課題を子供にやらせている、という実情がわかりました。
後で、子供を持つ現地の知り合いの女性に聞いてみると、「そうなのよ。うちの子なんて、昼前頃起きてくるから、そこから夕方まで宿題をやらせてるの」「・・・・」
学校がなくなり、子供たちは寝坊が当たり前になったり、ゲーム三昧になったり、どう考えても問題がありそうです。
また、ロンボクでは「闘鶏(とうけい)」と言って、にわとりを戦わせてお金を賭ける遊びがありますが、そういう賭け事の場所にいる人たちはたとえマスクをしていても、食べ物を食べるときに手を洗わなかったり、人に食べ物を分けるときに素手で渡したり、コロナについて何も気にしていないような振る舞いをしている、と言うことです。おそらく、賭け事の場所に限らず、主に村の人たちの集まりではだいたいそんな様子ではないか、と私は感じています。
一方、街に住んでいる人は、人との接触を意識して減らすようにしている人が多い、と言うことです。
また、つい最近のミーティングで知ったのは、妊娠した女性が産気づいて病院に運ばれたのですが、コロナの検査を受けていなかったため、受け入れてもらえず、結局赤ちゃんは死産になった、という話です。
こういう話はすべて、現地アシスタントがただニュースで読んだ話ではなく、自分の友達から聞いた話だったり、直接見たことだったりするため、情報としてとても貴重です。
4月頃からずっと現地の情報をレポートして欲しい、と伝えていたのですが、なかなかその気になってくれなかったところを、ミーティングをするようになり、少ない人数でもフォーマルで話をしていると、自分の見聞きしたニュースが価値を持っていると気づいてくれたようでした。
以前、ロンボク島で大きな地震があったときには、たくさんの知り合いが我も我もと近況や現地の様子をSNSを通して発信してくれていたのですが、コロナ禍では逆にこちらが知りたい情報はほとんど上がってきません。
今、ミーティングの中で話しているのは、動画配信をしたいね、ということです。
まずは、ビデオを撮る練習をしよう。対象者は、ひとまずロンボクの地元の人たちで。
テーマも、「コロナの問題」がよければ、それでやってみよう。
大事なことは、アクションをすること(アイデアを具体化させること)。それに対して「反応」(失敗だったり、もっとこうしたいと思うことだったり)があり、「改善」をして「発展」させていく。そのプロセスが学びです。
人は、どんな状況にあっても学べるし、学びは人を成長させます。
この後世界がどんな風に変わっていくのかわかりませんが、どんな風になっても生きていける人間を育てること。
それが、ESDであり、持続可能な社会を作っていくための教育です。
(山)
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