◎ ◎ ◎ スタッフコラム ◎ ◎ ◎
今回は、私がスマトラ島で行ってきたエコツアー(個人旅行)のご紹介をします。
↑ゾウとの記念撮影(2010年)
そもそも私がスマトラに通うことになったきっかけは、2002年に熱帯林行動ネットワーク(JATAN)の現地調査にボランティアとしてついて行ったことでした。その時、アブラヤシや紙パルプ用の植林のために、皆伐(かいばつ)されてつんつるてんになった大地をこの足で踏んで、森林破壊の現実と関わってしまったことがエコツアーを開催する動機になりました。
場所は、スマトラ島中部のリアウ州というところです(ゆいツールの活動地です)。外国人観光客はほぼゼロ。リアウ州を訪れる日本人は、NGO関係者だけではないのか、と思うほどです。(ビジネスで訪れる人もいるのかもしれませんが、私は一度も出会ったことはありません)
私がせっせと通っているのは、リアウ州とその南側にあるジャンビ州のふたつの州にまたがったブキッ・ティガプル国立公園(Taman Nasional Bukit Tiga puluh:TNBT)(143,223ha)です。
国立公園内には、タラン・ママック人(Suku Talang mamak)という先住民や彼らを祖先とする地域住民が、いくつかの村に分かれて暮らしています。彼らの暮らしは伝統的、別の言い方をすれば貧しく、村の大人たちは十分な学校教育を受けてきませんでした。(上の写真は2006年にタラン・ママック人の村で撮影)
2003年から10年以上、私は若い友人らを連れて、TNBTの森を訪問し続けてきました。
↑村の子供たちと遊ぶ(2006年)
↑次の村まで川下り。TNBTスタッフのアンディさんと、生きもの観察。(2006年)
↑タラン・ママックの女性(右)と記念写真。(2012年)
↑森を歩く。(2010年)
スマトラ島でのエコツアーは、7日間~12日間ほど。4日間ほど完全に森に入るので、電波も届かず、トイレもお風呂もない生活になります。
森に入ると言っても、地域住民のお宅に泊まるので、キャンプをするわけではありません。
森とともに暮らしている人たちの技術や知恵に触れ、自分の暮らしを振り返ったり、国立公園の外に広がるプランテーションと自分との関係を考えたり、若者たちは現地でいろいろな刺激を受けて学んでいきます。
TNBTの森では、エコツアーを根付かせようと国立公園事務所や現地NGOが苦労しています。
リアウ州は観光客に対する情報が乏しく、TNBTまで足を運んでもらうのは簡単なことではありません。それでも、機会があれば日本の若者を現地に連れて行きたい、と私は考えています。(山)
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