ゆいツールブログ:NPO法人ゆいツール開発工房(ラボ)

人と人、人と自然、人と環境などを「結う(ゆう)」ということに関して、団体の活動やスタッフの思いなどを紹介していきます!

3年間の活動の成果をまとめました!「村ツーリズム開発プログラム」in Lombok

2019年04月21日 | ★2018年度(ロンボク)

ゆいツールがまとめた、ロンボク島での村ツーリズム開発の活動の成果を共有します。

こちらのデータは、ゆいツールのホームページからダウンロードすることもできます。


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ESDスタディツアー~違いに気づき、文化を知り、行動につなげる~(先生の言葉)

2019年04月18日 | 6. エコツアー参加者の声

大学の先生の文章を紹介します。

先生は、ロンボクを訪れるのは2回目。今年も、3月のエコツアーに学生を連れて参加され、記録係の方が作られた記録集に文章を寄せられました。

ゆいツールは許可を得た上で、その全文をこちらに転記させていただきました。

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ESDスタディツアー~違いに気づき、文化を知り、行動につなげる~

今回のツアー先に選んだのは前回同様、インドネシア共和国のロンボク島です。

多文化共生が求められる今日、異文化を背景にもつ他者とともにいるあり方が問われています。持続可能な開発を考える上でもそれは重要です。違いを前提に、ともにいられる暮らし方や働き方を考えていかなければなりません。けれども、そもそも私たちは違いを理解できているのでしょうか。

ともに暮らすことで見えてくる他者との違いを通して、私たち自身の当たり前に気づくこと、異文化をもつ他者がいることを知り、地球および地域環境の保全を考えること、ここに今回のツアーの目的がありました。持続可能な開発には、制度設計や技術革新が必要です。そうした環境整備によって人々の意識や行動の変化が見込めます。けれどもそれを待っているだけにならないように、教育があります。一人ひとりができることから始める、このfirst stepを踏むために、私たちはさまざまなことを学びます。何をすることがよいのかを考え、選択していきます。

ロンボク島でのさまざまな出会いは、私たちに自分自身を問い返すときを与えてくれました。私たちはときに自己矛盾を感じて、「持続可能な開発」から逃げたくなったり、自らの選択を正当化するために自己防衛になったりすることもあります。持続可能な開発のプロセスは、決してキレイで平坦な道ではありません。凸凹した道、開拓しなければならない場、一人では到底進むことができない道を通ることもあります。持続可能な開発は、一人ひとりの努力だけではなく、「ともにする」誰か、「ともにいる」誰かがいることで成しえることのように思います。

前回のスタディツアー同様、家族ではない異なる者たちが集い、ひとつの家族のように暮らした日々がこの冊子にまとめられました。インドネシア語で「相互扶助」や「協同」を意味する「ゴトン・ロヨン(gotong royong)」には、私たちが忘れていた「ともにする」ということがありました。本冊子はツアー参加者が、ロンボク島の人々の「ゴトン・ロヨン」を通して感じた記録が編まれています。孤独や孤立が引き起こすさまざまな問題を見聞きする現代社会において、本冊子の記録が「ともにする」「ともにいる」ことを改めて考えなおすきっかけとなれば幸いです。

結び

「大きなことをしてるわけじゃない、身近にある、小さなことをしているだけ」

シンプルな言葉に私たちはさまざまなことを思い巡らしました。「持続可能な開発」と聞くと、私たちはとても大きなことを成し遂げなければならないように思います。気候変動、人権侵害、経済格差など、国際社会で問題視される状況に、私たちはどう対応することが望まれるのか、解決策を探すなど途方もない道のりだと思ってしまいます。けれども、そうではないことに気づかされたスタディツアーでした。参加者と同世代の若者がそれぞれの土地でできることをしていました。賛同してくれる仲間を探し、ネットワークを広げていました。彼/彼女たちは、村をよくしたいという気持ちを原動力に活動していました。

持続可能な開発には、正解はありません。これだ!という解がないから、私たちはとても大変に、面倒に考えてしまいます。けれども村での生活を通して、私たちはすでに解をいくつも持っていることに気づかされます。ただそれらに気づいていないだけ、またそれらを複雑に覆い隠すさまざまなものに気を取られて、見つけ出せなくなっています。

「私たちは何をしますか?私たちには何ができますか?」この問いにシンプルに応えてみてください。一人ひとりが、それぞれの解を行動につなげます。村の若者たちがしたことは、こうしたシンプルなことの積み重ねです。私たちが日本に帰国した後も、村で出会った若者たちはこのシンプルなことを続けています。こうした「小さなこと」は問題解決には到底及ばないかもしれません。でも、「小さなこと」の繰り返しが私たちの日常の習慣になります。一人ひとりができる「小さなこと」を探し、持続可能な社会形成につながる習慣を身につけていくことが望まれています。

最後に、今回もツアーの企画から実施までのすべてにわたってご協力いただきましたNPO法人ゆいツール開発工房(ラボ)の山本かおりさん、ロンボク島で私たちをケアしてくださったすべてのみなさまに謝意を表したいと思います。そして前回同様、ツアー中の記録および本冊子作成を担ってくださいました猪野純恵さんにも心より感謝申し上げます。

ありがとうございました。

2019年3月吉日

名古屋市立大学人文社会学部心理教育学科

曽我 幸代

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インドネシア人にとっても、楽しかったロンボク島エコツアー♪

2019年04月14日 | 6. エコツアー参加者の声

今回は3月のツアーに参加した、日本に留学中のインドネシア人の学生さんの感想を紹介します。(日本語で書いてもらいました)

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(ランタン村の小学校で。筆者中央)

●ツアーに行く前

私は学校教育について興味があります。とくに持続可能な開発のための教育 (Education for Sustainable Development) です。インドネシアで教育学を学んでいるうちに、学校教育にESDを導入している日本の教育機関について深く研究したいと思いました。学校におけるESDの有効性に関してインドネシアと日本の国際比較を通して深く研究したいと思うようになりました。

ESDの基本的特徴は3つあります。環境保全、社会的公正、経済発展です。ESDは未来を持続するために、人の考え方を少しずつ変えることをねらいます。周りの環境問題などを一緒に考えて、解決します。ESDは人格形成にかかわります。他者、社会、環境に対する関係性が変わります。ESDを実施するのを深く勉強したいので、ロンボク島ツアーに参加したいです。

また、インドネシアには良いところがたくさんあります。インドネシアの海はとてもきれいです。とくに、バリ島です。外国人にとってインドネシアよりバリ島がもっと有名だと思います。バリ島以外にも、ロンボク島もインドネシア人だけでなく、外国人にも有名だと思います。インドネシア人は文化や伝統をよく守っています。

私はインドネシア人なのに、ロンボクへまだ行ったことがないです。私もロンボクの文化や伝統に触れながら、環境問題を考えたいです。去年、ロンボク島に地震がありました。被害者もたくさんいました。自宅や建物が倒れました。今、まだ完全に直っていません。子どもたちに衝撃を与えました。少しずつ衝撃を減らしたいです。ロンボクで機会があれば、防災訓練を行いたいです。インドネシアの学校では防災訓練がありません。とくに、田舎にある学校にはありません。防災訓練の知識がとても足りないです。社会人と一緒に環境問題に注意して、自然環境を守ります。大人だけではなくて、子どもも自然環境に大切します。

(ブウン・スジャティ村で。バリ音楽を体験後)

●ツアー後の感想

インドネシアは多文化がある国です。5つの本島と千ぐらいの小島があります。今回、ロンボク島にエコツアーで行きました。私はインドネシア人なのに、初めてロンボク島へ行きました。一週間ロンボク島へ行けて、嬉しかったです。ロンボク島の海の景色はインドネシア人だけじゃなくて、外国人にとっても有名です。一週間ぐらいロンボク島に行って、新しい経験をしました。ごみ銀行を見学したり、ランタン村の現地文化を学んだり、イスラム教徒とヒンズー教徒が一緒に暮らしているブウンスジャティ村ではガムランをしたり、スンギギでは小学校を見学したり、被災者から地震について聞いたりしました。

私にとってロンボク島で最も印象に残っているのはごみ問題です。インドネシアではごみの分別をしっかりやりません。道端にもごみがバラバラです。この問題は私が子どもの頃からずっと解決してないです。ロンボク島のマタラムにはごみ銀行があります。それはごみの問題を解決するために、つくられました。燃えないごみのプラスチックから手作りのものを作ります。手作りの財布やマットになります。燃えないごみ以外にも、液体コンポストが作られていました。その時、地元でも取り入れたい気持ちが出てきました。ごみ銀行にはメリットがたくさんあります。ごみの問題を少しずつ減らして、地域社会に収入を増やし、創造性を高めます。

さらに、上に書いたとおり、インドネシアは多文化な国です。ロンボク島でも新しい文化に出会いました。たとえば、ニョンコラン(Nyongkolan)、島独特の食べ物、伝統的なゲームです。私の地元ではバナナの木は食べません。しかし、ロンボク島の人はよく食べます。初めて食べてみたら、美味しかったです。

ロンボク島にはリンジャニ山があり、滝もあります。滝は観光地の一つです。村の滝は住民たちがこれまで、自然の美しさを守ってきました。観光地で注意したいポイントがあります。それは清潔な環境です。滝のまわりでは食べ物や飲み物が売られていました。しかし、ブウン・スジャティ村で滝を見たときは全然違いました。そこにはごみがあまりなかったです。ラーメンのカップもごみではなく、植木鉢になっていました。

(地震を体験した日本人の方のお話を聞きながらの意見交換の様子)

去年、ロンボク島で地震がありました。ツアーでは被災者と話したり、小学校を見学したりしました。学校へ行ったとき、悲しい気持ちになりました。地震で、いくつかの校舎が倒れました。生徒も先生もまだその衝撃が残っていて、怖いので、テントで学習していました。そうした中で、生徒たちはよく頑張っていたので、嬉しかったです。さらに、先生たちからカリキュラムについて聞きました。先生たちはカリキュラムを実施するのが大変だと話しました。なぜなら、先生たちは全部の授業を理解しなければいけないからです。先生たちだけじゃなく、生徒たちも大変だと感じました。毎週、試験があって大変なのに、みんな頑張っていました。トラウマ・ヒーリングのボランティアが子どもを助けていました。震災後、ロンボク島の状況は少しずつ良くなっています。ロンボク島で一週間ぐらいを過ごして、楽しかったです。またチャンスがあれば、是非行きたいです。

(マタラム市で宿泊した、Komang INNで)

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ロンボク島で感じたこと学んだこと(2月のツアー参加者の感想)

2019年04月05日 | 6. エコツアー参加者の声

私が、今回ゆいツール開発工房さんによって企画されたツアーに参加した目的は、よりローカルな生活を体験し、より近い視点から環境について学びを深めたいということでした。

これまで旅行で訪れた東南アジアの都市は、すべて観光地化されていて現地では旅行客に会うことが多かったです。私は、観光より現地で生活をしている人々とできるだけ同じように生活したいと思っていたため、このツアーでその願いを叶えることができました。

このツアーの中で、主にゴミ問題に対する普通のインドネシア人の取り組み、村で生活することの豊かさと都市で生活する私たちの豊かさの定義の違い、また村の人々が日々の生活の中でいかに幸せを探求しているのかなど、多くのことを学びました。

とくにゴミ問題について学んだのは、次のようなことでした。

村では基本的に、ご飯を作るときも遊ぶときも近所にある自然由来のものを使用していてとてもエコな生活をしていました。しかし、道端にある小さなお店で販売されているお菓子や飲み物は基本的にすべてプラスチックで梱包されています。この梱包の仕方も日本のようにジップ付きの大きな袋ではなく、一回分の使用量を小分けにしていました。これらのプラスチックゴミを処理する行政のシステムが村まで浸透していません。その結果、ゴミを道端に捨てる、燃やす、川に流すというのが実態でした。

 

行政が制度を整えるのを待つのではなく、自発的にゴミ銀行(インドネシア独自のごみ回収、リサイクルシステム)を通じて現状を変えようと取り組む人々の姿がとても印象的なツアーでした。

ビナ・ブダヤごみ銀行のパイズルさんたちと。

ドラゴンフルーツ畑の展望デッキにて。

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