ゆいツールブログ:NPO法人ゆいツール開発工房(ラボ)

人と人、人と自然、人と環境などを「結う(ゆう)」ということに関して、団体の活動やスタッフの思いなどを紹介していきます!

生き物クイズ第2弾!イノシシクイズ

2020年05月28日 | ⇒生き物クイズ

さて、ゾウさんクイズのゾウさんに続いて、今度はイノシシに登場してもらいました。

「生き物クイズ ②イノシシクイズ」

東京都内の小学校の学童で、実施しました。

事前に、生き物好きの仲間に相談すると「イノシシよりたぬきの方が、イメージがつきやすいんじゃない?(絵本でよく登場するし)」と言われましたが、私としては、子供たちはたぬきを現実のものとして認識していない可能性が高いと思ったので、あえてイノシシを選びました。

都会の子供でも、街に出てきて大騒ぎになったイノシシのことなどに、触れているかもしれないと思ったからです。

イノシシを見たことがあるかな?とたずねると、「テレビで」「動物園で」という声が。

でも、そんなに意識をして見たことがある子はいない様子でした。

クイズの前に、みんなはイノシシによく似た動物のお肉を食べているんだけど、と話しました。

ブタさんとイノシシって、なんだか似ていると思わない?違いはなにかな?

毛があるのと、毛がないの。そう。あと、牙も!

よく見てるなあ、と感心します。

ブタさんは、イノシシを人間が肉を食べるように家畜化(飼いやすいように変えてしまった)したものなので、もともとは同じ仲間なんだよ、と言うと、なぜか先生から「えー、知らなかった」という声が上がりました。

では、いよいよクイズです。子供たちには、赤・青・黄の3色カードを配っています。

1問目!

Kemarin, Yui-Tool membuat quiz mengenai babi hutan untuk anak-anak SD kelas 1-4 di Tokyo.

うりぼう、というのがヒントなのですが、子供たちにわかりません。

3色のカードが上がりました。

2問目!

赤と青が多く上がった感じでした。

答えは、赤。沼田場(ヌタバ)と呼ばれる自然の中の水たまりで泥浴びをするが大好きです。

みんなもどろんこ遊び好きかな?と聞くと「きらーい」という返事が。

うーん。さすが都会の子。思いっきりどろんこ遊びをしてみたら、面白いのになー。

ところで、イノシシは実は遊んでいるのではなくて、体をきれいにするために泥んこになるんだよ。

不思議だね。私たちは、泥んこになると汚れた!って怒られるのに。

体についた虫(寄生虫)を落とすのが、目的のひとつです。

3問目!

これは、赤を挙げる子供は皆無。やっぱりそこまで子供っぽくはないか、と思いました。

多分、保育園児であれば、当たり前のように赤を挙げるはず。

動物は、人間とは違う、という認識は何歳から始まるのか興味深いです。

でも、意外と青を挙げている子供は多かったです。

実は、お腹がすいて畑や街に出てきてしまうんだよ。と伝えます。

どうしてお腹がすいちゃったの?「食べ物がなくなっちゃたから」

イノシシは何を食べているの?ひとりの男の子(2年生か)に聞くと首をかしげながら「にんじん・・・」

にんじんかぁ。どうしてそう思ったのだろうか。

にんじんは人間が育てている作物だからねぇ。

木の実とか、タケノコとか、自然の中にあるものを食べているんだよね。

じゃあ、どうしてお腹がすいちゃったの?食べ物を食べ尽くしてなくなっちゃったから?

そうじゃない?というみんなの顔。

違うんだよー。イノシシは、欲張りでいっぱい食べ物を食べてなくなっちゃったから、街や畑まで出てきているんじゃないんだよ。

人間は、イノシシに出会うと怖い!と思うけど、イノシシだって人間を怖い!って思っているんだよ。

でも、山に食べるものがなくなってしまって、しかたなく山を下りてくるんだ。

どうしてそんなことになったのか。

それは、人間が人間のために山の木を切って道路を作ったり、建物を建てたり、畑を広げたりしているからなんだよ。

日本にいるイノシシのこと、おうちの人にインターネットとかで調べてもらったり、動物園で見たりして、みんなもくわしくなってね。

と言うことで、生き物クイズでした。

第1弾 ゾウ

第3弾 にわとり

第4弾 カタツムリ

第5弾 サル

第6弾 ウシ

第7弾 セミ

第8弾 ハチ

第9弾 カマキリ

第10弾 クマ

第11弾 海の生きものシリーズ①

第12弾 クモ

第13弾 ヘビ

第14弾 水鳥シリーズ①

(山)

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ゾウさんクイズを考えてみました!

2020年05月20日 | ⇒生き物クイズ

久しぶりに、プログラムを作りました。「生き物クイズ ①ゾウさんクイズ」

と言っても、簡単なものですが。

東京都内の学童保育で、小学校低学年から中学年くらいの子たちに、生き物や生き物が暮らしている環境に興味を持ってもらいたいと思い作りました。

Kemarin, Yui-Tool membuat quiz mengenai gajah untuk anak-anak SD kelas 1-4 di Tokyo.

クイズをやる前に、ゾウについて知っていることを尋ねます。

鼻が長い、とか、体が大きいとか。子供たちは元気よく答えます。

どんなところに住んでいるかな?山の上?森の中?原っぱ?海の中?

海の中なんかにいるわけないじゃん!と叫ぶ子供。

動物園!と答える子供も。

ゾウについて興味が募ったところで、いよいよクイズです。

クイズは全部で3問。

ゆいツールのクイズは、いつも3択です。(選択肢が3つ)

子供たちには、赤・青・黄色のカードを持ってもらいます。

1問目は、上の写真です。

答えは、秘密です。自分で調べましょう。

次のクイズに行く前に、その長い鼻でゾウはどんなことができるのか聞いてみました。

水を飲む!シャワーみたいに自分に水をかける!高いところにある実とかを取る!

でも、鼻を使ってストローみたいに飲んでいるわけではないんだよ。

吸い上げて、口に入れて飲んでいるんだよ。

2問目は、こちら。

これ、知っている人は意外と少ないと思います。

子供たちは先入観がないから、人間と同じ場所、と思って赤を選んでいる子が多かったです。

子ゾウが、どっちに口を向けてお乳を吸っているか、よく観察してみましょう。

と言っても、動物園で子ゾウが見られるチャンスはとても少ないですね。

テレビなどで、動物番組を見る人はチャンスがあるかもしれません。

答えは、赤なのです。

牛や鹿や、山羊など、4つ足動物で子供にお乳をあげる生き物は、通常後ろ足の間にお乳があります。

なぜゾウは人間と同じなのか。とても興味深いです。

3問目は、こちら。

これは、大人ならわかるでしょう。

クイズをやった後は、野生のゾウたちが住んでいる場所の話を少ししました。

動物園のゾウではなくて、自然の中にいるゾウたちは、生きる場所がどんどん小さくなってしまっている、という話です。

象牙の話をすると混乱するので、今回はしませんでした。

ゾウたちは、私たち人間にお願いがあります。

なぜなら、ゾウたちが住んでいる場所を奪っているのは人間だから。

人間が森を切ったり、建物を建てたり、畑を作ったりするので、ゾウたちが暮らす場所が小さくなってしまっているのです。

野生のゾウたちが、生きる場所を残して欲しい。

それから、図鑑などでゾウについてもっと調べてみて欲しい。

ゾウ以外の野生動物についても、色々調べてみて欲しい。

と言うことで、ゾウさんクイズは終わりました。

クイズがたった3問のプログラムでも、子供たちの声を拾ってていねいに進めようと思うと、20分くらいは必要だ、ということがわかりました。

学童は、学年が違う子たちがいるので、実施する側としてはよい訓練になります。

生き物クイズは、高学年だからすぐ答えがわかる、というものではありません。

小学1年生でも、生き物に詳しい子であれば(あるいは偶然に)、3問正解することもあります。

ゆいツールのクイズは、当たることが目的ではありません。

考えること、興味を持つこと、そしてできたら調べたいと意欲がわくこと。

どうしてかな?と疑問を持つこと。

ゾウの鼻の穴が、ひとつだろうが、ふたつだろうが、みっつだろうが、そんなことは自分の生活にはなんの関係もないでしょう。

でも、人間とは違う生き物の生態を知ることは、本来ワクワクすることです。

そして、この地球上で暮らしている人間以外の生き物たちに関心を持ち、彼らの生息場所をむやみに脅かさないように、節度を持って人間の活動を行っていくことを考えられる子供たちを育てていきたい、と私は考えています。

生き物クイズは、これからシリーズ化していきます。

子供たちが、生き物にもっともっと興味を持つようになりますように。

第2弾 イノシシ

第3弾 にわとり

第4弾 カタツムリ

第5弾 サル

第6弾 ウシ

第7弾 セミ

第8弾 ハチ

第9弾 カマキリ

第10弾 クマ

第11弾 海の生きものシリーズ①

第12弾 クモ

第13弾 ヘビ

第14弾 水鳥シリーズ①

(山)

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コロナ関連コラム 世界の状況とこれからのこと

2020年05月11日 | ●コラム:新型コロナ関連

◎ ◎ ◎ スタッフコラム ◎ ◎ ◎

非常事態宣言が延長され、お出かけのできない日々が続いています。

ただ、ゴールデンウィークが終わり、毎日の国内感染者数が減少傾向にあるのは確かです。

では、世界ではどうでしょうか。

(出展:外務省海外安全ホームページ

5月11日の状況としては、世界で418万人以上の人が感染し(最新データこちら)、日本では15,747人(5月10日15時00分時点、クルーズ船などを除く。厚労省などによる)の感染が確認されています。アメリカの感染者は136万人を超え(最新データこちら)、スペイン、イタリア、イギリス、ロシア、ドイツ、ブラジル、フランス、トルコ、イラン、中国、カナダ、ペルー、インド、ベルギー、オランダ、サウジアラビア、メキシコ、スイス、エクアドル、パキスタン、ポルトガル、チリ、スウェーデン、アイルランド、シンガポール、ベラルーシ、カタール、アラブ首長国連邦、イスラエル、オーストリアに次いで、日本となっています。(5月10日現在)

死者数は、28万人を超えてしまいました。

ゆいツールが活動しているロンボク島は、インドネシアの西ヌサトゥンガラ(NTB)州に分類されますが、NTB州ではすでに感染者が330人に達しています。(5月10日時点)(3週間前は72人だったので、4倍以上に増えています)

首都のジャカルタでは、感染者の累計が5,190人で、東京の4,810人をすでに超えてしまっています。

※比較のため⇒3月29日のブログ4月20日のブログ

私は、毎日、外務省海外安全ホームページ(こちら)で公開されるグラフを保存しています。

下は、4月30日時点の国別感染者数上位21~35位のグラフです。(出展:外務省海外安全ホームページ)

一方こちらは、5月10日時点の国別感染者数上位21~35位のグラフです。(出展:外務省海外安全ホームページ)

そして下は、5月10日時点の国別感染者数上位11~20位のグラフです。(出展:外務省海外安全ホームページ)

4月20日の時点では、日本より感染者の少なかったサウジアラビアやメキシコ、パキスタン、チリ、カタール、アラブ首長国連邦で、急激に感染者が増えているのが際立ちます。

一方、中国や韓国のように、グラフが右肩上がりになっていない国もあります。イスラエルやオーストリア、オランダなどの他、最近はベルギーも新規感染者の数が減ってきたように感じます。

中国は、5月初旬の連休に「巣ごもり生活」から解放され、多くの人たちが観光に繰り出した様子がテレビで流れました。

お隣の韓国も自粛期間が終わり、人々が外に出始めています。(韓国からのレポートはこちら

日本も、特定警戒都道府県を除いて、早めに緊急事態宣言の解除が検討されています。

そして日本中の人が、早く普通の生活に戻りたい、と切望しています。

学校に行きたい、商売をしたい、外で思い切り体を動かしたい、働きたい、友達と会いたい、レストランに行きたい、買い物をしたい、図書館に行きたい・・・。

新規感染者数が減っている地域から、徐々に経済を再開させて、感染が収まっていない大都市からの移動は当面控えて、なんとか、夏くらいまでに新型コロナウイルスを押さえ込めないだろうか、と思います。

そして、世界の中で早めにこの危機から脱した国を中心に、少しづつ国境を開いて(人の行き来を再開させて)、また困っている国へ援助を送り、世界全体で少しづつ事態を収束させていけないだろうか。

それと同時に、国内で、事業の継続が困難になっている事業者の救済、失業者への手当など、経済を立て直すために必要な策を講じて欲しい。

それから、私たちひとりひとりが、この社会をよりよくするために何をしたらいいのか考えていくことも大切だと思います。

自分自身の生活を見直したり、住む場所を変える(人口密集地からそうでない地域へ)ことを検討したり、今回のような危機が訪れたときに支え合える社会にするためにはどうしたらいいのか考えたり。

経済を再開させて人の行き来が活発になると、感染者がまた増加することが予想されます。

それでも、ずっと閉じこもっているわけにもいけません。

感染を防ぎながら、経済活動も徐々に再開させ、学校も対策をとって再開していくこと。

負担が大きい医療従事者へのケアや手当の充実も、求めていかなければいけません。

政治に目を向け、自分の意見を持つことも欠かせません。

他者を思いやることが、自分の幸せへと繋がる利他主義の精神について、考えてみるのもいいかもしれません。

2020年は、新型コロナウイルスの蔓延によって始まりました。

私たち人類は、このことから多くのことを学んでいます。経験から学ぶことは、私たちの力になります。

アフターコロナの世界が、前の世界よりももっと素晴らしいものになることを、私は祈らずにはいられません。

(山)

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コロナ関連コラム 韓国在住のボランティアさんからのレポート

2020年05月05日 | ●コラム:新型コロナ関連

韓国のソウル在住の日本人から見たコロナの状況を書いてみようと思います。

(4月からソウル市内の地下鉄は終電を夜の1時から1時間早めて12時にした。人の移動を制限し、車両の消毒もするため。)

コロナの感染者が韓国で増え始めたのは2月末で、韓国第3の都市といわれる大邸(テグ)(人口は4位)で、新興宗教の集会に参加していた人たちがクラスター感染したことで、一気に患者が増えました。

「新天地イエス教会」というこの宗教は、キリスト教の異端といわれており、礼拝の時に椅子や机を使用せず、床に詰めて座った状態で大規模な礼拝を行うことで、感染拡大にぴったりの状況が作り出されていたようです。

そのあたりからどんどん感染者が増え始め、一時期は1日に900人もの新規感染者が出た日もありました。

しかし、韓国の対策は早く、徹底していたと思います。

私は専門家でもなく、韓国語もすごくできるわけではないので、あくまでも一市民としての印象ですが、韓国のコロナ抑え込みの要因は「オープンな情報開示」と「徹底した検査と消毒」にあると思っています。

(電柱にも消毒剤が!区が設置したもの。バスの中や地下鉄の駅にも消毒剤が置いてある。)

韓国の検査については、日本でもたくさん報道されていると思うので、「オープンな情報開示」のほうをご紹介したいと思います。

韓国には中央防疫対策本部があり、毎日午前10時に同0時時点の新型コロナウィルスの感染者数を発表しています。国民に、現状とどんな対策をしていくかがはっきりと示されるため、国民が協力しようという思いになっているのだと思います。

例えば、陽性患者が出ると、どこの区で患者が出たというのが周辺の人の携帯電話に緊急速報で送られます。その人がどこの店に寄ったかというようなことも、個人情報を抜いて見ることができるようになるので、感染者が寄った飲食店などは消毒を行い、営業停止になることもあります。

個人情報を抜いているといっても、個人を特定しようと思って調べればできるかもしれないので、個人情報の利用に関する批判などは当然ありました。しかし、それ以上に「こういう非常時だから仕方ない、協力しよう」という雰囲気が強かったように思います。日本ではコロナ患者ばかりか、医療関係者まで差別されるような状況が起こっているようですので、それとはだいぶ違うように感じました。

また、個人情報を利用した韓国の特徴的な対策に「マスクの曜日制購買」があります。韓国も3月頃にマスクが品薄になり、買えなくなってきました。そこで、生まれた年の下一桁の数字によって、マスクが買える曜日を管理し、1人あたり週にマスクは2枚まで買えるというようになりました。(最近は3枚までに変わりました)

例えば、私は下一桁が6なので、毎週月曜日だけマスクが買えます。薬局では身分証明証を見せて生年月日を確認され、買った枚数も記録されるので、他の店に行って2枚以上買うこともできません。子どもやお年寄りは、身分証明証を他の人に預けて買ってもらうこともできます。また、自分の曜日に買えなかった人は、土日に買うことができます。

この「マスクの曜日制購買」により、マスクの買い占めや不足がなくなり、みんなにマスクが行き渡るようになりました。

(駅で配られていた布マスクと消毒ジェル。布マスクをつけて、医療用マスクは必要な人に譲ろうという運動の一環。)

しかし、このような制度を作ると、必ずそこから漏れてしまう人がいます。例えば、身分証明証(外国人の場合は外国人登録証)を持っていない外国人はマスクが買えません。それに対して、ソウル市では4月になってから、外国人登録証のない外国人に週に5枚までのマスクを役所や関連機関、大学などで配布するという発表がありました。短期の滞在者や不法滞在者もマスクがもらえるようになったのです。

これは、「とにかく命を優先する」という考え方の表れではないかと思います。韓国は早い段階で国民が新型コロナに罹患した場合の検査も治療も無料だという方針を発表しましたが、この対象には外国人も含まれ、また不法滞在者も無料で治療を受けられ、不法滞在の理由も問われないという条件が加わりました。不法滞在の発覚を恐れて検査や治療を受けない人が、他の人に感染させてしまうことを危惧してのことだと思います。つまり、何が正しいかよりも、今はとにかく命を守ることが優先だという姿勢です。このような明確な方針、そして徹底した検査を行っているからこそ、市民たちの協力が得られているのだと思います。

その反面で、ロックダウン、都市封鎖はしないという方針です。累計で6800人以上の感染者が出ている大邸市でさえ、都市封鎖はしませんでした。現在(5月4日)新規の感染者のほとんどが海外から来た人たちですが、それでも国境も封鎖せず、空港での検疫と隔離で食い止めています。

(地下鉄に貼ってあるコロナ予防と感染時の連絡先の日本語のポスター。韓国語、中国語、英語、日本語で同じ内容のものが各駅に貼ってある。)

最後に、韓国の特徴的な点をいくつかご紹介しますが、まずは海外でも広く報道されているように、買い占め、品不足が全くといっていいほど起こらなかったこと。これは、そもそもITが発達しているので、日頃からネットで買い物をする人が多く、「ネットで注文すれば買えるでしょ」となり、スーパーに殺到するようなことがあまりありませんでした。トイレットペーパーや消毒液も近所のスーパーで問題なく買えました。

また、韓国は「ペタル」と呼ばれる宅配文化が根付いています。食べ物の出前はもちろん、パン屋やチキン、鍋料理など、出前で頼めないものはないくらいで、さらに店によっては夜中でも配達してくれます。注文も携帯電話のアプリでできて、支払いもアプリと連携しているカードでスマート決済するだけ。値段も外食と変わらないので、家に閉じこもっていても、いろいろな食べ物を簡単に注文できます。もちろん、飲食店も店舗を開けられなくても宅配で営業を続けられました。

一方で、日本で今流行りつつある「オンライン飲み会」ですが、韓国では全く聞きません。韓国人に話しても、あまりピンとこないようです。これは、韓国では家での晩酌の習慣がないのと、お酒は直接顔を合わせて飲むもの、と思っているからだということです。そもそも、食事も一人では食べずに何でも分け合って食べるのが韓国の文化です。そういう意味でも、今回家に籠もって、人と会えない状況が2ヶ月以上続いたというのは、韓国人にとってはかなりつらい状況であったと思います。

(地下鉄のエスカレーターの手すりを消毒(滅菌?)する機械が4月末に登場。どんどん新しいものが出てくるスピード感は韓国らしい。)

韓国は、「社会的な距離置き」つまり、ソーシャル・ディスタンスの強化期間を3/22~5/6と定めていましたが、5/6以降、延長はないという発表がありました。今週から、美術館や映画館なども開き始め、地下鉄や路上の人の姿も増えてきて、市内には活気が戻ってきました。とはいっても、油断は禁物です。

韓国も日本も他の国も、早くコロナが終息して、人の行き来ができる日常が戻りますように。

(5/4夕方のソウル市内。普段の7割くらいの人出。9割以上の人はマスクをしている。)

(大)

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