△▼△▼ 環境ワードコラム △▼△▼
最近、エシカルという言葉が聞かれるようになりました。
なんとなく、ファッショナブルな感じがします。
(写真はイメージです。この秋の台風で水没し、やむなく閉店したカフェの思い出…)
「エシカルとは」??
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「エシカル」とは英語で「倫理的な」という意味で、法律の縛りはないけれども多くの人が正しいと思うこと。
または本来人間が持つ良心から発生した社会的規範を意味します。・・・
エシカルという考え方は、自然と人と動物たちが、ちょうど良いあんばいで共存できる世界を目指しています。
・・・自分たちさえ良ければよい、という考え方が急速に世界に広まり、社会情勢が混沌としてきた今、
人が人らしく平穏に生きていくための道しるべとなるのがエシカルの考え方なのです。
忙し過ぎたり、お金や物を追いかけたりしていると、見失ってしまうのがあります。それは、他者を思いやる心です。
(一般社団法人エシカル協会より抜粋)
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ファッショナブル、というより、道徳的な感じがしますね。エシカル消費とは、環境に配慮した消費の在り方、でしょうか。
ファストフード、という言葉がありますが、ファストファッション (fast fashion)という言葉をご存じでしょうか?
ファストファッションは、最新の流行を採り入れながら低価格に抑えた衣料品を、短いサイクルで世界的に大量生産・販売するファッションブランドやその業態のことを指しているようです。エシカルの対極にあるものと言えるでしょう。
新しいものが欲しい。ほかの人が持っていないようなものが欲しい。そういったものが手に入れやすい価格であってほしい。
そう望むことが悪いわけではありません。
ただ、安い衣料品は長持ちはしないかもしれません。来年には流行は変わるので長持ちさせる必要はないのかもしれません。
でも、原料を作っている人がいます。それを工場に運んでいる人がいます。そして洋服に仕立てている人たちがいます。
できた洋服を船やトラックで運んでいる会社や、仕立てた洋服を販売しているお店もあります。
いろんな人たちが「洋服が作られ、売られるまで」関わっていて、中には正当な賃金を払ってもらっていない人たちもいるかもしれません。
繊維工場からの排水が環境を汚すこともあります。
そんな商品を、私たちは店頭やネットショップで買って、一定期間身に着けて、そして捨てます。
新しい商品を見たら欲しくなります。どんどん買います。いらなくなった洋服はクローゼットにあふれるか、ごみとして捨てられます。
まるで私たちは、昔のヨーロッパの貴族のような贅沢な暮らしを楽しんでいるのです。(自覚していなくても)
地球上に暮らすすべての人たちが、貴族のような暮らしができるのが理想かもしれません。
でも、資源は十分にあるでしょうか?贅沢な暮らしの裏で、自然が破壊され、水が汚染され、きれいな空気が汚されているとしたら、どうでしょうか?
ごみの山が自分の家の裏まで迫ってきたら・・・?
洋服だけではなく、私たちが普段買っているすべての商品について同じことが言えます。
さて、話はちょっと変わります。
上の写真は、日本国内で狩猟したイノシシの頭部の皮と牙、そしてイノシシの皮をなめして作った小銭入れです。
日本国内では、一年のうちの一定期間、野生のイノシシやシカの狩猟が行われています。
撃ったりして可哀そう、と思う人がいるかもしれません。でも、オオカミがいなくなってしまった自然界では、ほおっておくとシカが木の新芽を食べて枯らしてしまったり、イノシシが里に下りてきて畑を荒らしたり、人間の暮らしにも影響が出てしまいます。
シカやイノシシの肉は、近年ジビエなどと言われて少しづつ流通するようになってきました。
でも、皮のほうはまだまだ利用が進んでいません。本当は利用できるものなのに、「流通に乗らないから」「使う人がいないから」捨ててしまうなんてもったいない!命を奪ったら、すべてを無駄にしないで活用するのが、いのちへの礼儀というものかもしれません。
MATAGIプロジェクトという取り組みがあります。シカやイノシシの獣皮を有効な資源として活用し、地域の活性化につなげる国内唯一の獣皮活用支援事業です。
MATAGIプロジェクトでは、「獣皮を活用しようとする方」「獣革で製品づくりを目指す方」「獣革の活用促進をサポートする方」向けに、基礎講座を開催しています。
農作物で、地産地消とよく言われます。地元や近隣(もしくは日本国内)で採れたものを積極的に食べる(利用する)ことは、環境を守ることにつながります。
なぜでしょう?
輸送時にエネルギーをたくさん使わないからです。飛行機やトラックで商品を運ぶことによって、エネルギーを消費して空気中に二酸化炭素が放出されます。
実は、農作物だけではなく、こういった商品についても同じ視点で考えることができるのです。
国内のシカやイノシシの皮を使った商品は、大量生産で作ったものより価格は少々高いかもしれません。
でも、日本の山を駆け回って大きくなった動物を、猟師さんが仕留めて、皮をなめして商品にしてくれる人がいて、そしてそれを購入して使う自分、というストーリーが生まれます。
それって、ちょっとカッコイイことだと思いませんか?日本の山の恵みを(ムダにせず)いただいているのですから。
エシカル消費、というのは、だれでもいつでも始められる社会への貢献です。
(山)
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