ゆるっと読書

気ままな読書感想文

映画「ホテル・ルワンダ」より

2006-03-06 20:54:50 | Weblog
映画「ホテル・ルワンダ」を観に出かけました。

舞台は、1994年、アフリカのルワンダです。
ルワンダにおけるフツ族とツチ族の対立は、フツ族によるツチ族の虐殺へと発展。今からほんの10年ほど前に起きた出来事を元にした映画です。

主人公は、4つ星ホテルの支配人ポール。
彼は、フツ族。妻はツチ族。
従業員には、フツ族もツチ族もいました。

民族間の対立が激しくなる中、ホテルに宿泊していたテレビ局の白人リポーターらが、虐殺の模様をカメラで撮影します。

それを知り、ポールは期待します。
「あの映像を見れば、世界はきっと助けに来てくれる」

しかし、白人のリポーターは、こう答えます。
「あれを見た人々は、“怖いね”と言うだけで、ディナーを続けるだろう」と。

白人リポーターの言葉は、製作者が映画に込めたメッセージのひとつだと思います。

私は、コンビニで買ったジュースなどを片手にスクリーンに向かい合っていて、ルワンダでの虐殺は、自分とはかけ離れた遠い出来事です。

虐殺は「あちら側」の出来事、私は「こちら側」にいるのです。

劇場に足を運んだ程度の関心は、ルワンダのような地域で暮らす人々に対して、結局、何の「救い」にもならないのかもしれません。

それでも、この映画を観て、自分自身と照らし合わせたり、虐殺下に置かれた人々に思いを馳せたりすれば、少しは意味があるでしょうか。

劇場を出ると、渋谷の街は暖かい日差しに溢れていました。
分かってはいたことですが、「幸せ」なんだな、やっぱり。
コメント
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